1週間で完成! うさぎでもわかる確率分布と統計的な推測 1日目 確率分布の基礎
\( X \) の平均 \( E(X) \) は\[\beginE(X) & = \frac (1 + 2 + 3) \\ & = 2\end\]となり、\( Y \) の平均 \( E(Y) \) は\[\beginE(Y) & = \frac (0 + 2 + 4) \\ & = 2\end\]となるので、\( E(X+Y) \) は、\[\beginE(X+Y) & = E(X) + E(Y)\\ & = 2 + 2\\ & = 4\end\]となり、地道に計算した場合と答えが一致しましたね!
(2) X, Y が独立 のとき「積の平均 E(XY) =平均の積 E(X)E(Y)」2つの確率変数 \( X \), \( Y \) が独立であるとき、積平均 \( E(XY) \) とそれぞれの平均 \( E(X) \), \( E(Y) \) には、\[E(XY) = E(X) \cdot E(Y)\]が成り立ちます。
箱A:1, 2, 3の数字が書かれたくじが入っている箱B:0, 2, 4の数字が書かれたくじが入っている
このとき、2つの箱A, Bから無作為に1つずつくじを取り出し、箱Aから取り出したくじに書かれている数字を \( X \)、箱Bから取り出したくじに書かれている数字を \( Y \) とし、平均 \( E(XY) \) を求めてみましょう。
(i) 地道にもとめてみるまずは全パターンを列挙して平均 \( E(XY) \) を求めて見ましょう。
XY = 0:3通り (1,0), (2,0), (3,0)XY = 2:1通り (1,2)XY = 4:2通り (1,4) or (2,2)XY = 6:1通り (3,2)XY = 8:1通り (2,4) XY = 12:1通り (3,4)
の全9パターンがあります。よって、平均 \( E(XY) \) は、\[\beginE(XY) & = \frac (0 \cdot 3 + 2 + 4 \cdot 2 + 6 + 8 + 12)\\ & = 4\end \]となります。
(ii) 公式を使う今回は、\( X \) の取りうる値と \( Y \) の取りうる値はどう考えても独立なので、「積の平均=平均の積」の公式を使うことができます。
\( X \) の平均 \( E(X) \) は\[\beginE(X) & = \frac (1 + 2 + 3) \\ & = 2\end\]となり、\( Y \) の平均 \( E(Y) \) は\[\beginE(Y) & = \frac (0 + 2 + 4) \\ & = 2\end\]となるので、\( E(XY) \) は、\[\beginE(XY) & = E(X) \cdot E(Y)\\ & = 2 \cdot 2\\ & = 4\end\]となり、確かに答えが一致します。
(3) X, Yが独立 のとき「分散 V(X+Y) = V(X) + V(Y)」2つの確率変数 \( X \), \( Y \) が 独立であるとき 、和だけなく、分散も「2つの分散 \( V(X) \), \( V(Y) \) を足し合わせたものが和 \( V(X+Y) \) の分散」となります。つまり、\[V(X+Y) = V(X) + V(Y)\]が成立します。
つまり、独立した確率変数 \( X \), \( Y \) の散らばり具合 \( V(X) \), \( V(Y) \) と和 \( X+Y \) の散らばり具合 \( V(X+Y) \) は等しくなることを示しています。
箱A:1, 2, 3の数字が書かれたくじが入っている箱B:0, 2, 4の数字が書かれたくじが入っている
このとき、2つの箱A, Bから無作為に1つずつくじを取り出し、箱Aから取り出したくじに書かれている数字を \( X \)、箱Bから取り出したくじに書かれている数字を \( Y \) とし、分散 \( V(X+Y) \) はどうなるでしょうか。
(i) 地道にもとめてみる(1)で、\( V(X+Y) = 4 \) と求めましたね。
X+Y=1 [1通り] 残差:-3 残差の2乗:9X+Y=2 [1通り] 残差:-2 残差の2乗:4X+Y=3 [2通り] 残差:-1 残差の2乗:1X+Y=4 [1通り] 残差:0 残差の2乗:0X+Y=5 [2通り] 残差:1 残差の2乗:1X+Y=6 [1通り] 残差:2 残差の2乗:4X+Y=7 [1通り] 残差:3 残差の2乗:9
となるので、分散 \( V(X+Y) \) は\[\beginV(X+Y) & = \frac (9 + 4 + 1 \cdot 2 + 0 + 1 \cdot 2 + 4 + 9)\\ & = \frac\\ & = \frac\end\]と求められます。
(ii) 公式を使うなお、標準偏差でも同じこと、つまり2つの確率変数 \( X \), \( Y \) が独立であれば\[\sigma (X+Y) = \sigma (X) + \sigma (Y)\]が成立します。
確率変数 X, Y の平均・分散の関係ある確率変数 \( X, Y \) の和の平均 \( E(X+Y) \) とそれぞれの平均 \( E(X) \), \( E(Y) \)には、\[E(X+Y) = E(X) + E(Y)\]が成立する。
また、確率変数 \( X \), \( Y \) が 独立なとき 、積の平均 \( E(XY) \) とそれぞれの平均 \( E(X) \), \( E(Y) \)、および和の分散 \( V(X+Y) \) とそれぞれの分散 \( V(X) \), \( V(Y) \) には、\[E(XY) = E(X) \cdot E(Y) \\V(X+Y) = V(X) + V(Y)\]が成立する。
(4) 公式の使用例例えば、「コインを10回投げたときに表が出る回数 \( Y \) の平均 \( E(Y) \) と分散 \( V(Y) \) を求めよ。」と聞かれたとします。
ですが、コインを2回投げたときに表が出る確率 \( X \) としたときの、平均 \( E(X) \)、分散 \( V(Y) \) を、\[E(X) = 1 , \ \ \ V(X) = \frac\]と求めていましたね(第2章で)。
なので、コインを10回投げた事象 \( Y \) は、\( X \) の事象を5回(それぞれ \( X_1 \), \( X_2 \), \( X_3 \), \( X_4 \), \( X_5 \) とします)繰り返したものと同じになりますよね。
さらに、\( X_1 \) 〜 \( X_5 \) それぞれの事象はもちろん独立(前の結果で表裏が出る確率は変わらない)なので、\[E(Y) = 1 \cdot 5 = 5 \\V(Y) = \frac \cdot 5 = \frac\]のように求めることができます!
6.練習問題
大きいサイコロと小さいサイコロの2つがある。大きいサイコロで出た目を \( X \)、小さいサイコロで出た目を \( Y \) とする。
(ただし X, Y の出目は 1, 2, 3, 4, 5, 6 の6つであり、どれも同じ確率で出るものとする。)
ここで、\( Y = 6X + 5 \) とする。
このとき、\( Y \) の平均 \( E(Y) \)、および分散 \( V(Y) \) は\[E(Y) = \left[ \ \ \ ソタ \ \ \ \right] \ \ \ V(Y) =\left[ \ \ \ チツテ \ \ \ \right]\]となる。
7.練習問題の答え
サイコロで1の目が出る確率 \( P(X=1) \) は、6通りの出目(1〜6)の中から1(1通り)が出る確率なので、\[P(X=1) = \frac\]となる。(ア:1 イ:6)
また、大きいサイコロ、小さいサイコロの出目の合計が5となる確率 \( P(X + Y) = 5 \) は、36通り(6通り×6通り)の中から和が5となる組み合わせ、つまり (大,小) = (1,4), (2,3), (3,2), (4,1)の4通りが出る確率なので、\[P(X + Y =5) = \frac = \frac\]となる。(ウ:1 エ:9)
また、平均 \( E(X) \) は 1, 2, 3, 4, 5, 6 の出目がそれぞれ 1/6 の確率で出るので、\[\beginE(X) & = \frac (1+2+3+4+5+6)\\ & = \frac\end\]となる。(オ:7 カ:2)
ここで、\( Y = 6X + 5 \) としたときの期待値 \( E(Y) \)、分散 \( V(Y) \) はそれぞれ\[\beginE(Y) & = E(6X+5)\\ & = E(6X) + 5\\ & = 6E(X) + 5\\ & = 6 \cdot \frac + 5\\ & = 26\end\](ソタ:26)\[\beginV(Y) & = V(6X+5)\\ & = V(6X)\\ & = 6^2 V(X)\\ & = 36 \cdot \frac\\ & = 3 \cdot 35\\ & = 105\end\]となる。(チツテ:105)
8.さいごに(復習)
(1) 平均・分散・標準偏差ある確率変数 \( X \) の平均 \( E(X) \)、分散 \( V(X) \)、標準偏差 \( \sigma (X) \) は、
平均 E(X)「それぞれの \( X \) の取りうる値 × \( X \) となる確率」をすべて足したもの\[\beginE(X) & = \sum^_ x_k p_k \\ & = x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots + x_n p_n\end\]
分散 V(X)それぞれの「(\( X \) と平均 \( m \) の差)の2乗 × \( X \) となる確率」をすべて足したもの\[\beginV(X) & = \sum^_ (x_k - m)^2 p_k \end\]もしくは「それぞれの \( X^2 \) の取りうる値 × 確率をすべて足した \( E(X^2) \) から平均の2乗 \( ( E(X) )^2 \) を引いたもの\[V(X) = E(X^2) - \left\< E(X) \right\>^2\]
標準偏差 σ(X)分散 \( V(X) \) のルートを取ったもの、つまり\[\sigma(X) = \sqrt< V(X) >\]
(2) 確率変数X, Y があるときの平均 / 分散 / 標準偏差 平均\[E(aX) = aE(X) \\ E(X + b) = E(X) + b \\E(aX + b) = aE(X) + b E(X+Y) = E(X) + E(Y)\]は常に成立、\( X \) と \( Y \) が独立であれば\[E(XY) = E(X) + E(Y)\]も成立。
分散\[ V(aX) = a^2 V(X) \\V (X + b) = V(X) \\V(aX + b) = a^2 V(X) \\\]また、\( X \) と \( Y \) が独立であれば\[V(X+Y) = V(X) + V(Y)\]も成立。
標準偏差(分散とほぼ同じなので覚える必要はない)\[ \sigma(aX) = a \sigma V(X) \\\sigma (X + b) =\sigma (X) \\\sigma (aX + b) = a \sigma (X) \\\]また、\( X \) と \( Y \) が独立であれば\[\sigma (X+Y) =\sigma (X) +\sigma (Y)\]も成立。
*1 : 今まで数学で出てきた \( x \), \( y \) などの変数は「1/5の確率で1、それ以外の確率で0」みたいなことにはなりませんよね。そのため、確率変数という独自の変数が用いられるのです。
*3 : 単純に \( X \) の取りうる値の平均が期待値だと思えばOKです。
*4 : データの分析による「分散」では、最後にデータ数 \( n \) で割る必要があるが、「確率分布と統計的な推測」の場合はデータ数に相応するものが確率の合計(確率の合計は必ず1)となるため、データ数で割る必要はなくなります。
*5 : 例えば、\( X \) の単位が \( \mathrm \) なら分散 \( V(X) \) の単位は \( \mathrm^2 \) となります。
*6 : 計算を楽にするために、それぞれの \( X \) における人数が小数にならず、かつ 全体の人数がなるべく少ない人数になるように 、全体をなるべく小さい数でかけるのがポイントです。例えば、今回の場合は4を掛けることで0回の人が1人、1回の人が2人、2回の人が1人と小数にならず、かつ少ない人数になっていますよね。
公開日: 2020年2月22日 更新日: 2020年2月22日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 うさぎでもわかる線形代数 第19羽 行列を用いた差分方程式(漸化式)の解き方 うさぎでもわかる信号処理・制御工学 第13羽 離散フーリエ変換(DFT) うさぎ塾 微積分総復習 Part1 極限編 うさぎでもわかる線形代数 第02羽 行列と連立方程式 ページング(ページフォルト・LRUアルゴリズム)について(基本情報・応用情報) うさぎでもわかる確率・統計 カイ2乗分布のいろは① 母分散の推定 【基本情報対策】うさぎでもわかるソフトウェア工学 Part07 UML前編(クラス図とオブジェクト図) うさぎでもわかる計算機システム Part15 Unixのファイルシステムその2 iノードとは うさぎ模試 データ構造とアルゴリズム(C言語スキルチェック) 1週間で完成! うさぎでもわかる確率分布と統計的な推測 2日目 二項分布カテゴリー
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目次
- 1.確率変数・確率分布
- (1) 確率変数
- (2) 確率分布
- (1) 平均(期待値)
- (2) 分散
- 分散の公式の使い分け
- (1) Xがa倍になった場合
- (2) Xに定数 b を足した場合
- (3) XがaX + bになったとき
- (1) サイコロ
- (2) くじ引き(元に戻すVer)
- (3) くじ引き(元に戻さないVer)
- (1) 和の平均 E(X+Y) = 平均の和 E(X)+E(Y)
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (1) 平均・分散・標準偏差
- 平均 E(X)
- 分散 V(X)
- 標準偏差 σ(X)
- 平均
- 分散
- 標準偏差(分散とほぼ同じなので覚える必要はない)
工業大学生ももやまのうさぎ塾 (Momousagi Academy)
コンピュータグラフィックス コンピュータビジョン- 1.確率変数・確率分布
- (1) 確率変数
- (2) 確率分布
- (1) 平均(期待値)
- (2) 分散
- 分散の公式の使い分け
- (1) Xがa倍になった場合
- (2) Xに定数 b を足した場合
- (3) XがaX + bになったとき
- (1) サイコロ
- (2) くじ引き(元に戻すVer)
- (3) くじ引き(元に戻さないVer)
- (1) 和の平均 E(X+Y) = 平均の和 E(X)+E(Y)
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (i) 地道にもとめてみる
- (ii) 公式を使う
- (1) 平均・分散・標準偏差
- 平均 E(X)
- 分散 V(X)
- 標準偏差 σ(X)
- 平均
- 分散
- 標準偏差(分散とほぼ同じなので覚える必要はない)