自動車整備故障診断整備のススメ
そのため、メーカーも環境に優しいクルマを開発している。排気ガスについての様々な規制があることも理由の一つだが、特に最近のクルマは排気ガスの浄化率が高くなってきている。この排気ガスの浄化率の向上には、触媒の性能が進化していることが理由の1 つとしてある。昔に比べて、触媒のHC やCO などの酸化還元能力が向上したため、排気ガス中に含まれるHC やCO の数値はほとんどゼロに近い。新車で購入して、1 万から2 万キロ走行していても、数値はゼロになる程だ。
その一つが、ガソリンと空気の比率を理論空燃比14.7:1 の状態にすることである。HC などの数値をゼロにするために一番効率の良い割合が上記の14.7:1 であり、この時に重要になるのがO₂センサーだ。O₂センサーが残留酸素濃度を計測し、燃料が薄ければ、ECU にもっとガソリンの量を増やすように信号を送り、反対に燃料が濃ければ、ガソリンの量を減らすように信号を送る。
それが「全領域型O₂センサー」、または「A/F センサー」といわれるものである。全領域型O₂センサーは、0.1秒ごとに残留酸素濃度を検知し、その都度、ECU にデータをフィードバックする。そして、その情報を元に、さらに細かく燃料噴射を調節し、常に理論空燃比に近づけていくのである。コンピュータ技術が進歩したことにより、O₂センサーの精確性がさらに向上した結果、0.1 秒毎の計測が可能になったということだ。
過酷な環境に置かれているO₂センサー 全領域型O₂センサーの故障診断2 ステップ型O₂センサーの故障を判別する方法として、グラフを見て、波形分析することを以前、紹介した。0.1V から1.0V までの間の「濃い・薄い」を10 秒間に5 回、行ったり来1たりしている。この間、きちんと綺麗な波が出来ていれば、O₂センサーは正常に動いており、問題はないというものだった。
しかし、この方法は全領域型O₂センサーには適用出来ない。なぜなら、全領域型O₂センサーは、0.1 秒ごとに残留酸素濃度を計測しているため、定型の波形にはならないからである。では、全領域型O₂センサーの場合、何処を見ていくべきかというと、基本的にはまず作動しているか否か、波形を見ることで確認していく。例えばトヨタ車であれば、O₂センサーの出力が3.3V を中心に0.1V 単位で動いているかどうかを確認する。この3.3V は理論空燃比のコントロールを意味している。
次に混合気補正を確認する。通常、エンジンに何も問題がない場合は、補正がかかることはないので、0% と表示されていれば、当然問題はない。また±10% 未満であれば、走行状態や環境の変化によるものなので、おかしな所はないと判断出来る。これが±20% から±25% の補正となると、何かしらの問題を抱えている可能性高くなる。さらに±30% から±35% となるとチェックランプが点灯する。ECUなどで補正出来る限界を超えたということである。
上記の通り、O₂センサーがECU に信号を送り補正することで、ドライバーが安心して走行出来るように、最近のECU は非常に賢い。実は、ECU はO₂センサーについて短期と長期の両方の視点で監視しているのである。短期とは今この瞬間の走行状態のことで、何かしら問題が発生すれば、補正をかけて問題なく走れるようにする。
誤解を避けるため、全領域型かテップ型かを簡単に判別する方法がる。O₂センサーの配線が2 ~ 4 本ら2 ステップ型、5 本以上なら全領型のO₂センサーである。全領域型センサーの方が、配線の数が多いは、それだけ検知する回数やデーやり取りが多いということだ。O₂サーを点検する時の参考になれば幸である。
ベースシステムユーザーリポート48マルダイオート㈱ 2014年5月23日 新しくなったのは制度だけではない!関連する記事
フリーズフレームデータの活用方法 〔 番外編 〕 付加価値を生み出すエアコンビジネス 本日開始!スキャンツール 補助金 2016 7月1日~7月29日コメントを書く
最新記事
- アフィーラ(AFEELA)開発中止 ソニー・ホンダEV計画の見直しと整備業界への影響 2026年3月26日
- 第177回 自動車リサイクル法 法施行後25年目の5回目の見直し 非認定全部利用(輸出)への初めての言及と10の論点について 2026年3月19日
- 近畿地区 新大阪 有償運送許可研修 開催 2026年4月8日水曜日 2026年3月17日
ポピュラー
オフラインのためランキングが表示できませんPR
スキャンツールについて の最新記事8件
- 2018年11月25日
車載式故障診断装置(OBD)を活用した自動車検査2024年を目途に開始予定 エーミングの重要性も高まる!
- 2017年4月15日
診断のキホンは勉強である
- 2017年1月25日
スキャンツール基本セミナー
- 2016年7月29日