No.001 大篠夏彦文芸誌時評-金原ひとみ「テクノブレイク」(新潮 2021年01月号)
それが人間なんじゃない? 蓮二は真面目な表情を崩してそう言うと、私を抱きしめた。最近蓮二と別れたあと、セックスの余韻が残ってて、よくオナニーするんだ。俺のこと考えてるの? AVも見るけど、蓮二のことも思い出すよ。(中略)じゃあ、オナニー用に撮影する?(中略)スマホを片手に結合部を映しながらピストンする蓮二を見ながら、「2001年宇宙の旅」でモノリスに触れた猿の姿を思い出した。私たちはモノリスに触れて進化したのだろうか、退化したのだろうか。
踵を返して玄関に向かうその蓮二の背中が、緊張しているのが分かった。私に背後から刺される心配をしているのかもしれない。(中略)私はいつまで経っても、ダサくてしょぼい思考の奴隷なのだろうか。洗ってカゴに置いてある、さっきゴキブリを潰したフライパンを、再び振りかぶって蓮二の頭に振り下ろす自分が〝カウンターアタック オブ コックローチ〟というテロップと共に頭に浮かぶ。
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No.001 大篠夏彦文芸誌時評-金原ひとみ「テクノブレイク」(新潮 2021年01月号) was last modified: 10月 23rd, 2021 by 大篠 夏彦 関連記事 文芸誌でお茶を. 萩野篤人 文芸. 文芸誌でお茶を. 文芸誌でお茶を. 萩野篤人 文芸. 文芸誌でお茶を. 文芸誌でお茶を. 文芸誌でお茶を. 萩野篤人 文芸. 文芸誌でお茶を. 金魚屋の本 作品小説 スーパーヒーローズ 松岡里奈(公開終了)
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