【マイルス・ディヴィス(Miles Davis)】Live Evil アルバムレビュー 考察57
マイルス作曲。セラー・ドアでのライブ録音をテオ・マセロの編集とともに仕上げた、これが本作の山場でしょうか?「M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」でかなりのページで講義されている1曲です。小川隆夫さんも「マイルス・デイヴィス大事典」の中でこの曲の解説にLive at the Fillmore East (March 7,1970) It’ About That Timeとの9ヵ月の録音時期の違いによる、サウンドの対比を言及されている注目曲です。
Inamorta And Narrattion by Conrad Robertsを聴く・・・1970年12月にセラー・ドアーで録音された 「ファンキー・トンク」 《「ゲット・アップ・ウィズ・イット」(1970年5/19初録音)》より、 「サンクチュアリ」 《「ビッチズ・ブリュー」(1969年)より》、 「イッツ・アバウト・ザット・タイム」 《「イン・ア・サイレント・ウェイ」(1969年)より》を編集し、コンラッド・ロバーツという俳優の渋い声のナレーションを入れた楽曲です。
ナレーションといえば、「ア・トリビュート・トゥ・ジャック・ジョンソン」での成功例もありますね。しかし、ゆっくりと、深みのある声で読まれるこのポエムですが、これもマイルス・ミュージックの一翼を担っていると思いませんか?このポエムにたどり着くまで18分ほど・・・。
この1曲のこのヴェルヴェット・ヴォイスの朗読を楽しみにこの二枚組を最初からず~っと聴く・・・なかなかできませんが、もしかするとマイルスがファンに思い描いた、このアルバムの聴き方かもしれませんよ~。知らんけどw。
ロバート・コンラッド - Wikipedia ja.wikipedia.org イナモラート(イタリア語で「好き」「恋に落ちる」「惚れている」などの意) ミッションとは音楽、男らしくいること アートのマスターとは:音楽 描写を決して納得はしてもらえないこの音楽は誰なんだ? 海は描写ができようか? 底知れぬ音楽 全てのものの集まり 永遠に生き続ける 男たちよ、始めよう イナモラート、あなたの音楽アートは 明日の既知の未知なる生命だ 私は明日を愛している⇧ 日本語訳がわかりません。どなたかご教授お願いいたします。 ポエムは余計に翻訳が難しくなりますね・・・。随時、ご意見いただきましたら更新していきたいと思っています。
全般をとおして・・・Live Evil
マイルスの1970年の「バカ負け」した日について・・・1970年8月、マイルスはワイト島のロック・フェスティヴァルに参加しました。マイルスにとっては「バカ負け」した日と「M/D マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究」で解説されています。タイニー・ティムとジョニ・ミッチェルの間で演奏したそうですが、これが観客ウケが悪かった。
そりゃ、リゾート地のロック・フェスです、ジャズ出身のマイルスはまだまだジミ・ヘンドリックスなどに比べても人気は劣りました。なによりも、ロックの加熱ぶりはもうすごかった。このライブについては高評価のファンもいた一方、観客を無視したただの公開リハーサルといいう評価も少なくはありませんでした。
これを機にマイルスはさらなる変化をしなければならず、「ずっとガキであること」を否定し、大人に成長しなくてはならなくなったと「M/D」では解説されています。
1970年のマイルスとLive Evil をとおして「ライブ・イヴィル」を聴くと、前述のとおり小川隆夫さんがいうとおり、同じ年の前のライブ(例えばLive at the Fillmore East (March 7,1970) It’ About That Time)と比べても、わずか1年も経過しないうちに、大きなメンバー・チェンジとサウンドの変化が見られます。そして1970年9月のジミ・ヘンドリックスの死・・・。
普段は葬式に参列をすることはないマイルスだったそうですが、ジャッキー・バトル、ベティ・メイブリーとジミの葬式に参列した写真はとても有名な一枚となっています。マイルスのワウ・ペダルの使用には少なからず影響があったのは間違いありません。
共演が叶わなかったのはジミがジャズをやりたがっていたが、マイルスはもうジャズはやりたくなかったからだというのが、現在の定説となっているようです。
本作はマイルス・ミュージックの一つの到達点の一つと僕は考えます。テオの編集技術もそうですし、素晴らしいジャケットのアート・ワークもそうですし、「相対」「二面性」というコンセプトも、新しいアルバム全体の構成のしかたも、「マイルス・デイヴィス」という一つのカテゴリーの完成形の一つだと 勝手に 思います。
そしていろんな曲が、異なる日時と場所で演奏されたものを編集されて作りあげられているので、たいへん、たいへん、ややこしい・・・。こんな時は小川隆夫さんの「マイルス・デイヴィス大事典」がとっても役に立ちます。
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コメントをどうぞ コメントをキャンセル 筆者:かなやま■名前 かなやま ■年齢 アラフィフ ■地方在住 妻子持ち ■自称 マイルス者 ■学生時代にマイルスのアルバム"Aura"に出会い、ジャズを志したかったが意味がわからず挫折・・・。20年以上の時を経てようやくジャズとマイルスに目覚め、マイルスをこれから聴く人たちに向けて楽しみ方を発信する活動中。 ■目標「真のマイルス者に、俺はなる!」
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