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関税戦争により崩壊に直面しているアメリカ農業界。では、日本は?

中国は米国産大豆の購入を停止した

今シーズンの収穫期、大豆農家は近年で最も不安定な市場の一つに直面している。長年、米国産大豆の最大の買い手であった中国が、大豆の購入を全面的に停止したのだ

この突然の停止は農村地域に衝撃を与え、貯蔵庫は満杯になり、価格は下落し、農家の生活は危機に瀕している

しかし、貿易戦争や救済措置に関する見出しの裏には、より深い真実が隠されている。アメリカの農業システムは構造的に欠陥があるのだ。

商品作物への度重なる救済措置は、不運や一時的な貿易摩擦の結果ではない。過剰生産、依存、そして不安定さを前提として構築された農業経済の兆候なのだ。

依存の尺度

数字は、私たちの農業システムがいかに集中化しているかを示している。2024年には、

・大豆は米国の農産物輸出第1位であり、その価値は約 245億ドル (約 3兆7000億円)であった。

・米国産大豆の半分以上が輸出されており、中国は歴史的にその半分以上(およそ126億ドル相当)を購入している。

・大豆は米国の農業総収入に 469億ドル(約 7兆1000億円)貢献した。

となっていた。

これは、一つの買い手、つまり中国が米国農業経済の大部分を実質的に支えていたことを意味する。その買い手が去れば、システム全体が揺るがされることになる

中国が南米に軸足を移したことで、この取り決めがいかに脆弱であるかが明らかになった。中国は 2025年5月に米国産大豆の購入を停止した後、すぐに米国からの供給をブラジル、そして今度はアルゼンチンからの輸入に切り替えた。

一方、中国は 4000万トンの戦略備蓄を保有し、世界の大豆価格に多大な影響力を及ぼしており、米国の農家は売れない作物を抱え、生産コストを下回る価格に直面することになる

これは一時的な貿易上の問題ではない。国内の食料安全保障よりも輸出の拡大を優先する政策選択が数十年にわたって続いてきた結果、生じた構造的な脆弱性だ。

farmaction.us 2025/10/08

以下は、アメリカの小麦の先物価格の推移です。2022年のロシアとウクライナの戦争が始まった頃の「半値以下」となっています。

過去5年間の小麦先物価格の推移 wheat

農業メディア AG WEB の報道より

ベイリー・バッファロー氏

ジョーンズボロのバッファロー・グレイン・システムズのオーナーであり、ファーム・プロテクション・アライアンスの会長でもあるベイリー・バッファロー氏(40歳)は以下のように言う。

「恐ろしい話ばかりだ。現実離れした痛みだ。人生で見た中で最悪の農業状況だ。アーカンソー大学の調査数字を見ればわかる。トウモロコシ生産者は 1エーカーあたり 240ドル、大豆は 1エーカーあたり 144ドル、米は 1エーカーあたり 380ドルの損失を出している。綿花生産者はおそらく最悪の状況にあるだろう」

agweb.com 2025/09/30

「現在の混乱は、50年間の農業経験の中で目にしてきたどんなものよりも迫り来る災厄だ。一言で言えば、私たちは崖っぷちに立たされている。銀行は農家の破産率を 25%から 40%と予測しており、誰もがそれを知っており、誰もがそれを感じている」

米中貿易戦争で大豆販売が打撃を受け、大豆農家は差し迫った危機に陥っている

迫り来る危機

第一次トランプ政権時代の 2018年の貿易戦争までの 7年間、米国の大豆輸出量のおよそ 60%が中国向けだった。

「ネブラスカ州や中西部の多くの州では、農業が私たちの基盤です」と、トウモロコシと大豆を栽培するドン・シュラー氏は ABC ニュースに語った。「ここで農業が衰退すれば、すべてがうまくいかなくなるでしょう」

トランプ大統領は支援を申し出ているが、今のところ具体的な解決策はない

トランプ氏は 6月に「私は農家の 80~ 85%の支持を得た。そして私は彼らを愛している」と述べた。「農家を傷つけるようなことは決してしない」

トランプ大統領は 8月、ソーシャルメディアに「中国が大豆の注文をすぐに 4倍に増やしてくれることを期待する」と投稿し、中国に大豆の購入を再開するよう促した。

農務省の代表者は ABC ニュースに対し、協議はまだ継続中だと語った。

援助金が十分に出たとしても、それは、一部の農家の破産があと 1年くらい延びるというだけです。

農業従事者の70%が移民であるアメリカで政策による壊滅的な人手不足に

> チャンドラー氏の 125エーカーのサクランボのほぼ 4分の1が収穫の損失に見舞われたが、これは悪天候や病気や疫病のせいではなく、単に果実を摘む人がいなかったためだ。

アメリカの農家の労働者の多くが移民であり(農場労働者の約 70%が移民)、その人たちが、移民関税執行局 (ICE)による拘留や国外追放されることを恐れて、外に出てこないようなのです。

3年くらい前に、「歴史上最悪の食糧危機の最期のトリガーを引くのは中国」というタイトルの記事を書いたことがありましたが、この時に書いた記事の内容とは「逆」の意味で、中国は、食糧危機のトリガーを引き続けているのかもしれません (この 2022年頃の問題は、食糧価格の高騰でした)。

農業の倒産30年で最多 25年度上半期 コスト高も価格転嫁進まず

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