カバーしたい歌 1年間で365曲カバーした話
この時期、かもめ児童合唱団を知ったのが大きかったです。かもめ児童合唱団はカバーソングをたくさん発表しているのですが、選曲のセンスがことごとく私のツボを押します。同時に新しい世界、なんとなく見知ってはいたけどまだちゃんと踏み出せていなかった世界をひらいてくれるのです。かもめ児童合唱団オリジナル曲の『インターネットブルース』も大人をくすりとさせる妙味。プロデューサーの藤沢宏光さんの存在が大きいようです。かもめ児童合唱団のライブを見に、神奈川県三崎港に出かけたのもこの頃でした。
ゆらゆら帝国は高校生の頃から好きでしたが、バンドのギターボーカルをつとめた坂本慎太郎のソロ曲のひとつ『あなたもロボットになれる』を知ったり、友部正人をちゃんと聴き始めたのもかもめ児童合唱団がきっかけです。
91-120(2020年10〜11月頃)歩いて帰ろう(斉藤和義)
歓びの種(YUKI)
Hey! みんな元気かい?(KinKi Kids)
ボーイフレンド(aiko)
全部だきしめて(KinKi Kids)
タッチ(岩崎良美)
シエラのように(10-FEET)
冬のミルク(THE BACK HORN)
17才(南沙織)
あたらしいともだち(Soggy Cheerios)
くちなしの丘(原田知世)
Raspberry(TRICERATOPS)
空も飛べるはず(スピッツ)
愛のしるし(PUFFY)
今宵の月のように(エレファントカシマシ)
イージュー★ライダー(奥田民生)
にじ(新沢としひこ・中川ひろたか)
ともだちになるために(新沢としひこ・中川ひろたか)
涙そうそう(森山良子、BEGIN、夏川りみ)
恋しくて(BEGIN)
翼をください(赤い鳥)
北風小僧の寒太郎(堺正章)
にんげんっていいな(作詞:山口あかり、作曲:小林亜星)
大きな古時計(作詞・作曲:Henry Clay Work)
ハナレバナレ(キセル)
なんでなん(ウルフルズ)
世界中のこどもたちが(新沢としひこ・中川ひろたか)
見上げてごらん夜の星を(坂本九)
ゲゲゲの鬼太郎(熊倉一雄)
夢の世界を(作詞:芙龍明子、作曲:橋本祥路)
91-120 セルフノーツSoggy Cheeriosも、かもめ児童合唱団のおかげで知れました。カーネーションの直枝政広、ワールド・スタンダードこと鈴木惣一朗による音楽ユニット。彼らの『あたらしいともだち』(かもめ児童合唱団とのコラボ版がある)が神がかって美しい曲。イントロがある洋楽に似ていて、ビートルズだと思ったのですがなんの曲だったかわからない時期をしばらく過ごしてもんもんとしたのち、あるときふとしたきっかけで『You Never Give Me Your Money』(アルバム『Abbey Road』収録)だと気づきスッキリしました。Soggy Cheeriosもまた、偉大な先人らのバトンをつなぐ音楽愛を教えてくれる偉大なミュージシャンです。
作曲家や作詞家によって生み出される曲は、歌い手を選ばない普遍・大衆性があります。もちろん、このシンガーによるこのコンセプト・テーマありきで作った! という曲も多いと思います。作詞・作曲者と歌手が別ということは、自作自演のバンドやシンガーソングライターと違って、他の人に託すことのできる普遍≒強度が必要です。職業作詞家・作曲家たちから歌手を通してユーザーへもたらされる歌の魅力は、そこにもあると思います。作家から演奏家・歌手へ託せるものは、弾き語りカバーのしやすさと相関があると私は考えます。
具体的に言いますと、類稀なズバ抜けて広い声域(音域)や超絶技巧の滑舌・リズムさばきを要したり、複雑珍奇で覚えづらいモチーフや楽曲構成を含むといったことが稀です。一般的な語彙(歌詞や音楽におけるモチーフや断片)を用いて、独自性高い楽曲を専業作家たちは構築しているのです(もちろん自作自演バンドやシンガーソングライターの作品にそうした技巧がないわけでは決してありません)。
新沢としひこ・中川ひろたかコンビが生み出す童謡・こどもの歌の多くも、普遍の強度・大衆性、歌い手を選ばない広い間口を持っています。新沢・中川作品に限らず『夢の世界を』など、合唱曲として親しまれるものも大衆性を備えているものが多いですね。童謡・民謡・合唱曲は私の“カバーしたい歌”に、前にも後にも頻出します。
121-150(2020年11〜12月頃)朝は詩人(友部正人)
益荒男さん(くるり)
ハイウェイ(くるり)
ちいさい秋みつけた(作詞:サトウハチロー、作曲:中田喜直)
君をのせて(歌:井上あずみ、作詞:宮崎駿、作曲:久石譲)
となりのトトロ(歌:井上あずみ、作詞:宮崎駿、作曲:久石譲)
およげ!たいやきくん(歌:子門真人、作詞:高田ひろお、作曲:佐瀬寿一)
学園天国(歌:フィンガー5、作詞:阿久悠、作曲:井上忠夫)
情熱の薔薇(THE BLUE HEARTS)
MOTHER(PUFFY)
深夜高速(フラワーカンパニーズ)
赤い電車(くるり)
ファンキー・モンキー・ベイビー(キャロル)
いい湯だな(ビバノン・ロック)(ザ・ドリフターズ)
おもいでのアルバム(作詞:増子とし、作曲:本多鉄麿)
Believe(作詞・作曲:杉本竜一)
ピンポンパン体操(歌:金森勢・杉並児童合唱団、作詞:阿久悠、作曲:小林亜星)
あわてんぼうのサンタクロース(作詞:吉岡治、作曲:小林亜星)
若者のすべて(フジファブリック)
未知という名の船に乗り(作詞:阿久悠、作曲:小林亜星)
宝くじは買わない(RCサクセション)
さすらい(奥田民生)
オー・チン・チン(歌:ハニー・ナイツ、作詞:里吉しげみ、作曲:小林亜星)
BABY I LOVE YOU(くるり)
Woman(John Lennon)
ガッツだぜ!!(ウルフルズ)
Baby, I LOVE YOU(斉藤和義)
空に星が綺麗(斉藤和義)
Warm and Beautiful(Paul McCartney)
幸せにさよなら(伊藤銀次)
121-150 セルフノーツ前ブロックの121までに『ゲゲゲの鬼太郎』がありますが、『益荒男さん』(くるり)、『ちいさい秋みつけた』、『君をのせて』(井上あずみ)、『およげ!たいやきくん』(子門真人)など、短調ブームが私に来ていました。
短調は現代(執筆時:2021年)のポップソングの中ではどちらかといえばマイノリティ。それだけでフックになります。もちろん短調の引っ掛かり以上の個性があってはじめて魅力が輝きます。日本で最も売れたシングルといわれる『およげ!たいやきくん』が短調であるのを思うと、それだけでもソングライターたるもの一度は意識した短調の歌づくりに挑戦してみてもよいかもしれません(私自身、自作で出来のよいと思えるものの中に短調のレパートリーがぱっと思い浮かばないので…自分を棚に上げずに率先してやるべし)。
『いい湯だな』作曲者のいずみたく、『あわてんぼうのサンタクロース』作曲者の小林亜星のように、職業作曲家勢(と、仮にここでは呼ばせてください)で大のお気に入りを見つけられたのも、このブログやカバーへの取り組みで得た財産です。彼らの名前で検索して著作リストを眺めると、知っていたあの曲もあの曲もあなたでしたか! と驚くことばかりでした。
151-180(2020年12月〜2021年1月頃)ただいま(星野源)
ZOO(ECHOES)
Choo Choo TRAIN(ZOO)
まんをじして(奥田民生)
冬越え(細野晴臣)
西東京(赤い公園)
ウキウキWATCHING(歌:いいとも青年隊、作詞:小泉長一郎、作曲:伊藤銀次)
サボテンの花(チューリップ)
粉雪(レミオロメン)
Island In The Sun(Weezer)
家族の風景(ハナレグミ)
友だちはいいもんだ(作詞:岩谷時子、作曲:三木たかし)
嗚呼、青春の日々(ゆず)
いつかのメリークリスマス(B’z)
風の子守唄(作詞:別役実、作曲:池辺晋一郎)
真夏の果実(サザンオールスターズ)
生活の柄(高田渡)
TOKIO(沢田研二)
ひとつだけ(矢野顕子)
銭がなけりゃ(高田渡)
プカプカ(西岡恭蔵)
値上げ(高田渡)
春夏秋冬(泉谷しげる)
嘲笑(作詞:北野武、作曲:玉置浩二)
遠く遠く(槇原敬之)
格好悪いふられ方(大江千里)
恋はマーブルの海へ(小山田壮平)
シーベルト(石崎ひゅーい)
恋は桃色(細野晴臣)
Exit Music(For a Film)(Radiohead)
151-180 セルフノーツ門間 雄介『細野晴臣と彼らの時代』という本をネットで知って買って読み、細野晴臣への関心がより深まった頃。名作との声を聞くことの多いアルバム『HOSONO HOUSE』とこの機会にやっとまともに対峙しました。曲を鑑賞したりネットや本で当時の様子を知ったりしながら、アルバムのレコーディングがおこなわれた70年代の狭山のアメリカ村の空気に思いを馳せました。
ブログやカバーを発信していると、見た人が反応したり情報をくれたりすることが増えてきて、この頃、高田渡を私にプッシュしてくれた友人がいました。ずっと前に音楽友達にすすめられて高田渡を聴いて以来あまり聴いていなかったので、久しぶりに触れ、カバーしてみるととてもハマりました。西岡恭蔵も奨めていただいたことで認知した味わい深いシンガーソングライター。『プカプカ』は愛唱されているし、彼の矢沢永吉とのつながりなども見えてきました。ミュージシャンシップが新たな曲との出会いをもたらしてくれます。
伊藤銀次と山下達郎と大滝詠一の関係を知ったのもこの時期でした。音楽ユニット、ナイアガラ・トライアングル(3人による発表名義)です。前の項、〜150に含まれている伊藤銀次の『幸せにさよなら』は、もし私が伊藤銀次だったら「我が人生にこの曲あり」と思う特別なエモーションを感じます。決別、諦念、達観……大きな代償があってのみ得られる、人生にそう多くはない貴重な経験が資した歌だと思います。
181-210(2021年1月〜2月頃)サヨナラCOLOR(ハナレグミ)
年輪・歯車(高田渡)
花〜すべての人の心に花を〜(喜納昌吉&チャンプルーズ)
恋がしたい(ゆらゆら帝国)
When You Wish Upon a Star(作詞:Ned Washington、作曲:Leigh Harline)
Jubilee(くるり)
アジアの純真(PUFFY)
ヒゲとボイン(UNICORN)
ボルボレロ(UNICORN)
リバーサイドホテル(井上陽水)
Mistake(THE BAND HAS NO NAME)
人にやさしく(THE BLUE HEARTS)
コトコトことでん(くるり)
1000のバイオリン(THE BLUE HEARTS)
なんとなくなんとなく(ザ・スパイダース)
満月の夕(ソウル・フラワー・ユニオン)
満月の夕(HEATWAVE)
潮の路(ソウル・フラワー・ユニオン)
明日があるさ(坂本九)
いかれたBaby(Fishmans)
深呼吸(Polaris)
アリラン(朝鮮民謡)
Don’t Know Why(Norah Jones)
今日の日はさようなら(作詞・作曲:金子詔一)
サーカスナイト(七尾旅人)
圏内の歌(七尾旅人)
竹田の子守唄(日本民謡〔京都・竹田〕)
あの素晴らしい愛をもう一度(加藤和彦と北山修)
赤とんぼ(作詞:三木露風作詞、作曲:山田耕筰)
ハナミズキ(一青窈)
181-210 セルフノーツ奥田民生ソロに多く触れてきた私。UNICORNは特定のいくつかの曲にしか触れてきておらず、聴き漁りながら気に入ったのが、『ヒゲとボイン』。ボコーダーで主題のフレーズ“ヒゲとボイン”を含んだせりふを曲中に含ませていることに今さら気づきました。EBIことUNICORNベーシスト・堀内一史作曲の『ボルボレロ』はバンド再始動後のアルバム『シャンブル』の中でも特に好きです。メンバーそれぞれの活躍も発見をくれるUNICORN。長いキャリアが音楽に幅をもたらすのか、その逆か。
前の段の〜180の『嘲笑』の作曲者・玉置浩二、ならびに奥田民生の周りに井上陽水の影……その関連で、ここにきて『リバーサイドホテル』。ずっと前にテレビでこの曲を知って、エロい歌詞だな〜と記憶していましたが再び味わうとまったく違った発見や感慨に満ちていました。井上陽水の歌詞に含まれる、独特のことばづかい。意味の重複することばをあえて連用するなど、ことばが持つ意味を笑っているかのよう。このあたりから、私は井上陽水の魔法にたびたびクラクラさせられます。
時期が阪神・淡路大震災の周年の時期だったのもあってか、『満月の夕』が私のYouTubeのリコメンドに浮上。ずっと前にこの曲を知ったときにも気になっていましたが、ふたたび鑑賞の機会を得ました。HEATWAVE版とソウル・フラワー・ユニオン版があり、その違いや曲の生い立ちも知りました。娯楽としての音楽の役割を超えたカバーしたい歌。祈りと音楽は、ときに似ます。
違った角度の話になりますが、ちょうどこの時期、私は風邪を引いて声が出なくなりました。それでも休まずにやれることに取り組みました。声が出ないといいつつも、自分の声域の低めの狭いポジションで1オクターブくらいならばなんとか使えました。選曲に、この条件で歌えるかどうかが影響しました。そうした平易さもまた、普遍・大衆性の側面かと思います。
211-240(2月〜3月頃)おどるポンポコリン(歌:B.B.クィーンズ、作詞:さくらももこ、作曲:織田哲郎)
なごり雪(かぐや姫)
スーダラ節(歌:ハナ肇とクレージーキャッツ、作詞:青島幸男、作曲:萩原哲晶)
君といつまでも(歌:加山雄三、作詞:岩谷時子、作曲:弾厚作)
心の旅(チューリップ)
恋の季節(歌:ピンキーとキラーズ、作詞:岩谷時子、作曲:いずみたく)
ギャランドゥ(歌:西城秀樹、作詞・作曲:もんたよしのり)
リンゴの唄(歌:並木路子、作詞:サトウハチロー、作曲:万城目正)
リンゴ追分(歌:美空ひばり、作詞:小沢不二夫、作曲:米山正夫)
ラヴ・イズ・オーヴァー(歌:欧陽菲菲、作詞・作曲:伊藤薫)
太陽がくれた季節(歌:青い三角定規、作詞:山川啓介、作曲:いずみたく)
夜明けのうた(歌:岸洋子、作詞:岩谷時子、作曲:いずみたく)
いつも何度でも(歌:木村弓、作詞:覚和歌子、作曲:木村弓)
いつでも夢を(歌:橋幸夫・吉永小百合、作詞:佐伯孝夫、作曲:吉田正)
瀬戸の花嫁(歌:小柳ルミ子、作詞:山上路夫、作曲:平尾昌晃)
お嫁においで(歌:加山雄三、作詞:岩谷時子、作曲:弾厚作)
亜麻色の髪の乙女(歌:ヴィレッジ・シンガーズ、作詞:橋本淳、作曲:すぎやまこういち)
さらば恋人(歌:堺正章、作詞:北山修、作曲:筒美京平)
我が良き友よ(歌:かまやつひろし、作詞・作曲:吉田拓郎)
タイムマシンにおねがい(サディスティック・ミカ・バンド)
喝采(歌:ちあきなおみ、作詞:吉田旺、作曲:中村泰士)
あの時君は若かった(歌:ザ・スパイダース、作詞:菅原芙美恵、作曲:かまやつひろし)
バンバンバン(歌:ザ・スパイダース、作詞・作曲:かまやつひろし)
涙の太陽(歌:エミー・ジャクソン、作詞:湯川れい子、作曲:中島安敏)
Boy(斉藤和義)
守ってあげたい(松任谷由実)
ルージュの伝言(荒井由実)
結婚しようよ(吉田拓郎)
帰って来たヨッパライ(ザ・フォーク・クルセダーズ)
いつまでも いつまでも(ザ・サベージ)
211-240 セルフノーツ60年代〜70年代を多く扱いました。前の項の〜210にある『なんとなく なんとなく』を筆頭に、ザ・スパイダースに在籍したかまやつひろしのソングライティングにたいへん魅了されました。グループサウンズ(GS)への関心も高まりました。
『太陽がくれた季節』『夜明けのうた』など、いずみたくメロディ。かまやつひろしといずみたくのメロディの魅力の共通点を強いて挙げれば、ひとつには覚えやすい同型反復があると思います。
『君といつまでも』『お嫁においで』作曲の加山雄三(筆名:弾厚作)や、いずみたくとも多く残している岩谷時子の詞も私の音楽の港のひとつになりました。
241-270(3月〜4月頃)世界は二人のために(歌:佐良直美、作詞:山上路夫、作曲:いずみたく)
ルビーの指環(作詞:松本隆、作曲:寺尾聰)
夢の中へ(井上陽水)
HELLO(福山雅治)
パレード(山下達郎)
青春の影(チューリップ)
酒と泪と男と女(河島英五)
やさしさに包まれたなら(荒井由実)
時をかける少女(歌:原田知世、作詞・作曲:松任谷由実)
真夜中のギター(歌:千賀かほる、作詞:吉岡治、作曲:河村利夫)
赤い花 白い花(歌:赤い鳥、作詞・作曲:中林三恵)
まちぶせ(歌:三木聖子、作詞・作曲:荒井由実)
君は天然色(大滝詠一)
夢で逢えたら(歌:吉田美奈子、作詞・作曲:大瀧詠一)
ふれあい(歌:中村雅俊、作詞:山川啓介、作曲:いずみたく)
接吻(ORIGINAL LOVE)
硝子の少年(歌:KinKi Kids、作詞:松本隆、作曲:山下達郎)
涙のキッス(サザンオールスターズ)
黄昏のビギン(歌:水原弘、作詞:永六輔、作曲:中村八大)
東へ西へ(井上陽水)
いい日旅立ち(歌:山口百恵、作詞・作曲:谷村新司)
ブルドッグ(歌:フォーリーブス、作詞:伊藤アキラ、作曲:都倉俊一)
涙くんさよなら(歌:坂本九、作詞・作曲:浜口庫之助)
本能(椎名林檎)
みんな夢の中(歌:高田恭子、作詞・作曲:浜口庫之助)
砂山(作詞:北原白秋、作曲:中山晋平)
Yesterday Once More(Carpenters)
シャボン玉(作詞:野口雨情、作曲:中山晋平)
ハイブリッド レインボウ(the pillows)
卒業(歌:斉藤由貴、作詞:松本隆、作曲:筒美京平)
241-270 セルフノーツ松本隆の作詞の世界に関心を深めたのもこのブログのおかげです。松本隆や彼の関連作品を特集した雑誌を買って読みました。私のカバーしたい歌にも松本隆作詞のものが頻出します。241〜270では『ルビーの指環』『君は天然色』『硝子の少年』『卒業(斉藤由貴)』がそうです。さまざまな主人公でさまざまな物語を魅せる作詞。『君は天然色』は現実の松本隆の当時の境遇が反映された作品として有名ではないでしょうか。悲しみのさなかにいると、人間には光景がモノクロに見えるのかもしれません。提供を受けた歌手も幅広く、あれもこれも松本隆でしたかと気づきます。寺尾聰(『ルビーの指環』)に至ったのは〜240の項に入っていたグループ・サウンズ・バンドのザ・サベージが伏線になっています。寺尾聰はバンドのベーシストだったと知りました。
作詞と作曲の両方を兼任する作家、浜口庫之助の影も濃いです。きれいなメロディで親しみやすく、歌詞も音楽も平易な語彙による魔法がかかったかのよう。『涙くんさよなら』は時間が経っても埋没しない愛嬌を持っています。愛嬌、哀愁、独創を共立させる奇跡のバランス。高田恭子『みんな夢の中』も歌謡の心を啓発する良作です。
〜270の頃、YouTubeにアップされた大滝詠一のラジオを聴いて受けた影響も大きいです。大滝詠一がJポップの歴史を横断して語る内容のもので、日本のポップスの起こりに中山晋平の存在を絡めて語っていました。童謡として知られてもいる『砂山』を選んだのはそうした動機がありました。曲について調べ、中山晋平が曲を発想した背景を知りました。架空の主人公と設定でドラマをつむぐ流行歌づくりとはまったく違うアプローチです。自然を題材にした詩情。100年を超える強度とロマンがあります。ほかの日本歌曲や童謡にも私のまなざしを誘引しました。
271-300(4月〜5月頃)四季の歌(作詞・作曲:荒木とよひさ)
サヨナラ(歌:GAO、作詞:GAO、作曲:階一喜)
Hello, Again 〜昔からある場所〜(My Little Lover)
海へと(歌:PUFFY、作詞・作曲:奥田民生)
こいのうた(GO!GO!7188)
虹とスニーカーの頃(チューリップ)
小さな恋のうた(MONGOL800)
木綿のハンカチーフ(歌:太田裕美、作詞:松本隆、作曲:筒美京平)
ワインレッドの心(歌:安全地帯、作詞:井上陽水、作曲:玉置浩二)
遠くへ行きたい(歌:ジェリー藤尾、作詞:永六輔、作曲:中村八大)
やさしくなりたい(斉藤和義)
異邦人(久保田早紀)
明るい表通りで(作詞:Dorothy Fields、作曲:Jimmy McHugh)
グッドモーニング(くるり)
飾りじゃないのよ涙は(歌:中森明菜、作詞・作曲:井上陽水)
ハローグッバイ(くるり)
川の流れのように(歌:美空ひばり、作詞:秋元康、作曲:見岳章)
やわらかな日(斉藤和義)
また逢う日まで(歌:尾崎紀世彦、作詞:阿久悠、作曲:筒美京平)
マシマロ(奥田民生)
僕たちの失敗(森田童子)
雨あがりの夜空に(RCサクセション)
ありがとう(井上陽水奥田民生)
会いに(フジファブリック)
セロリ(山崎まさよし)
ギザギザハートの子守唄(歌:チェッカーズ、作詞:康珍化、作曲:芹澤廣明)
贈る言葉(歌:海援隊、作詞:武田鉄矢、作曲:千葉和臣)
The STANDARD(奥田民生)
赤橙(ACIDMAN)
もしもピアノが弾けたなら(歌:西田敏行、作詞:阿久悠、作曲:坂田晃一)
271-300 セルフノーツ音楽が高度という意味ではくるりの楽曲も複雑なものが多いです。曲のキャラクターが多岐。普遍・大衆性の押さえどころが絶妙です。ボーカルメロディに比重があるレパートリーの中にはカバーしやすい歌もあります。〜300では『グッドモーニング』『ハローグッバイ』を選びました。くるりは私のザ・カバーしたい歌アーティストでもありますし、カバーしたいかどうか以前に別格のフェイバリット・ミュージシャンです。
『木綿のハンカチーフ』『川の流れのように』など、いつかやりたいと思っていつつもしりごみしていたカードも切っています。1日1曲ペースとは別次元の心構えやリハーサルの必要を感じていました。結局はやるかやらないか、のみなのですけれど。
1日1曲という制約には、じっくり取り組むには時間が足りない(私の条件においては)というデメリットもあります。もちろん、1日1曲をこなした上でさらなる時間を捻出すれば良いのですが……どんな個人も、1日24時間。人は、ひとり分しか生きられないのだと、あたり前のことを痛感しました。天才も超人も、与えられた条件は同じなのです。もちろん、環境や身近な資源量の差異はあるでしょうけれど。
こってりとしたリハーサル量や、相当な観察量を要する複雑な曲、再解釈の余白を見出しづらい曲はどうしても遠ざけてしまいがちになる……これは、私の1年間に積もった宿題です。
301-330(5月〜6月頃)神田川(かぐや姫)
天体観測(BUMP OF CHICKEN)
もうひとりの俺(矢沢永吉)
世界を止めて(THE COLLETORS)
消えない絵(真心ブラザーズ)
真赤な太陽(歌:美空ひばりとジャッキー吉川とブルー・コメッツ、作詞:吉岡治、作曲:原信夫)
幸せな結末(大滝詠一)
キャンディ(歌:原田真二、作詞:松本隆、作曲:原田真二)
風になる(つじあやの)
Take Me Home, Country Road(John Denver)
I Just Called to Say I Love You(Stevie Wonder)
ナイトクルージング(Fishmans)
Can’t Help Falling In Love(Elvis Presley)
Close to You(Carpenters)
Raindrops Keep Fallin’ On My Head(B. J. Thomas)
Jealous Guy(John Lennon)
Love Me Tender(Elvis Presley)
Over the Rainbow(Judy Garland)
Moon River(Frank Sinatra)
Down by the Sally Gardens(アイルランド民謡)
You Are My Sunshine(Pine Ridge Boys)
Oh, Pretty Woman(Roy Orbison)
My Way(Frank Sinatra)
愛は勝つ(KAN)
Michael(黒人霊歌)
若者たち(ザ・ブロードサイド・フォー)
San Francisco(Be Sure to Wear Flowers in Your Hair)(Scott McKenzie)
ばらばら(星野源)
Annie Laurie(スコットランド民謡)
埴生の宿(イングランド民謡)
301-330 セルフノーツBUMP OF CHICKEN『天体観測』は〜300の後ろの方の思い出ソングシリーズのはみ出し。厚く重ねたギターを中心としたバンドサウンドと歌詞・ボーカルの独創の極み。迂闊に触れない名作です。BUMP OF CHICKENを中学生〜高校生の時の私は、食う・寝る・バンプというくらい繰り返し聴いていました。ある時代に猛烈に触れていた音楽との出会い直しに、新たな発見があります。
331-365(6月頃〜7月21日)Scarborough Fair(イングランド民謡)
Greensleeves(イングランド民謡)
蛍の光(スコットランド民謡)
Beautiful Dreamer(Stephen Foster)
You’ve Got a Friend(Carole King)
Tears In Heaven(Eric Clapton)
らくだの国(歌:PUFFY、作詞・作曲:斉藤和義)
いい女(ウルフルズ)
ニシエヒガシエ(Mr.Children)
いっそセレナーデ(井上陽水)
渚にまつわるエトセトラ(歌:PUFFY、作詞:井上陽水、作曲:奥田民生)
バラが咲いた(歌:マイク眞木、作詞・作曲:浜口庫之助)
Don’t Look Back In Anger(Oasis)
ろっかばいまいべいびい(細野晴臣)
Dinah(Eddie Cantor)
めだかの兄妹(歌:わらべ、作詞:荒木とよひさ、作曲:三木たかし)
Beautiful Sunday(Daniel Boone)
赤い靴(作詞:野口雨情、作曲:本居長世)
Desperado(Eagles)
君が僕を知ってる(RCサクセション)
ともだち(歌:坂本九、作詞:永六輔、作曲:いずみたく)
旅人よ(歌:加山雄三、作詞:岩谷時子、作曲:弾厚作)
野球(くるり)
帰れない二人(作詞・作曲:井上陽水・忌野清志郎)
さよなら人類(たま)
瑠璃色の地球(歌:松田聖子、作詞:松本隆、作曲:平井夏美)
Eleanor Rigby(The Beatles)
Just Walkin’ in the Rain(歌:Johnnie Ray、作詞・作曲:Johnny Bragg、Robert Riley)
夏色(ゆず)
たどり着いたらいつも雨降り(吉田拓郎)
Have You Ever Seen the Rain?(Creedence Clearwater Revival)
Diana(Paul Anka)
愛燦燦(歌:美空ひばり、作詞・作曲:小椋佳)
君が好き(Mr.Children)
夏なんです(はっぴいえんど)
331-365 セルフノーツ365に駆け込む最後のブロック。なんでもありですね。はじめのうちは〜331後半のイギリス地域の民謡ラッシュの続き。『スカボロー・フェア』はサイモン&ガーファンクルの功績がありがたい。現代の私に届く紐付けの役割を果たしてくれています。先人の口に宿ったものを受け取り、自分のハンコを押して現在に提示し直すこと(私が細野晴臣の思想から受けた影響です)。ミュージシャンの使命だと思います。独創や斬新さとは、伝統・歴史・体系の先にあるものなのかもしれません。過去を学んでこそ、新しいものがつくれるのです。
その意味では、くるりの『野球』は矢野清作曲で野球応援音楽として知られる『天理ファンファーレ』をモチーフにしています。〜150で扱った、くるり『益荒男さん』も明治時代の流行歌といわれる『オッペケペー節』をモチーフにしています(『野球』『益荒男さん』ともに2021年4月発売のアルバム『天才の愛』に収録されています)。くるりは真のミュージック・ラバーであり、私の鑑。これまでも、これからも。
成果と課題
1年間やってみて感じた影響 作詞・作曲の語彙、演奏力音楽の語彙が増えました。手癖でぽろぽろっと曲をつくってみるとわかります。特定の曲の真似のようなフレーズも出てきますし、複雑にカクテルされて出てきもします。
歌詞も、ことば選びや反射神経に1年間で得た刺激が反映され出したのを感じます。特に井上陽水のことばの意味を笑うかのようなナンセンスなセンス、あえての重複もたせには具体的に影響を受けた実感があります。
メロディで影響を受けたのはやはり、いずみたく、かまやつひろしなどの同型反復のセンス。平易で口ずさみやすいモチーフのリフレインで曲が作れることを学びました。
ウクレレ毎日取り組むなかで、変化も欲しくなります。ウクレレにも積極的に取り組みました。弦の本数が少ないこと(ギター=6本、ウクレレ=4本)、ベースと上声を分離してプレイすることを想定したチューニングではない(ウクレレのベーシックなチューニングは最も低い弦から最も高い弦に向かって順番に並んだチューニングではないのです。そのおかげで、独特の浮遊感や愛嬌ある響きが出ます)ことに甘んじて、アレンジを単純化するのに良くも悪くも利用しました。おかげでウクレレのコードストロークの弾き語りの習得はかなり捗りました。
ハーモニカテンホールズ・ハーモニカの習得も捗りました。複数のパートに役割を分散させ、イントロや間奏でメロディを表現したポップスは多いです。それらをギター1本で表現するには、コード、メロディ、ベースのおおむね3役を兼ねなければなりません。役割を網羅したソロプレイの訓練になりましたが、良くも悪くも、ハーモニカに逃げることもありました。ハーモニカ・ホルダーを用いてギターなどと同時に演奏すれば、少なくともメロディの負担をハーモニカに逃すことができます。ハーモニカを「弾き語りの友」と私は呼んでいます。
声域への意識ボーカルの使用音域を具体的に把握する習慣もつきました。使用する声域がどこからどこまでで、自分に歌えるかどうかが自分の取り組みに影響するからです。すでに似たようなことを書きましたが、作曲家が書いて歌手が歌うものは、歌い手を選ばない声域でパフォーマンスできるものが多いです。一方、バンドやシンガーソングライターは自身の声域でパフォーマンスするため、オリジナルキーが常人ばなれしていることがあります(スピッツが良い例ですね。Mr.Childrenも難しいものが多いです)。高さは移調で解決できるので、使用音域の広さに注目します。キーが常人ばなれしていても、音域の広さは1オクターブ半くらいにおさまるものがほとんど。2オクターブに届くものは稀です。つまり、ほとんどは移調で解決できます。ただし、ギターの特定のポジションのコードの響きとの関係で、特定のキーと相性の良し悪しがある場合があります。鍵盤の場合も黒鍵が多いキーになってしまうと演奏しづらい、といった影響が考えられます。技術でカバーしうるとは思いますが。
作譜(カンペ) カンペ作例:『たどり着いたらいつも雨降り』(吉田拓郎)ただ、毎日1曲をこなす上では便利で低燃費。本当はコードメロディ譜(5線にメロディを起こし、コードネームをふったもの)を毎日書いたほうが音楽の素養になるかもしれません。そこは私のやり方の学習上のデメリットだったと思います。ただし、歌詞から受けるインスピレーションが大きいのはメリット。また、コードを度数で書き込んでおけば、途中でキーを変えたくなっても影響ありません。5線譜の場合は途中でキーを変えたくなったら読み替え(移調奏)が必要になります。総合的に見て、カバー動画を毎日制作しつづける取り組みにおいては、カンペとしてコストパフォーマンスが良いため、おおむね歌詞優先形式のこのフォーマットを採りつづけました。
ただし、これはと思うメロディの動きは5線譜に起こし、ブログで説明の補足として写真を撮って画像を用いました。5線はメロディの動きを客観できるので学習にたいへん貢献します。流行歌は直情で捉えてしまいがちなので、その要素を音符に分解するメリットは大きいです。
ポップスの枠、サイズ感こうしたことから、ポップソングの外枠がかなりつかめました。曲の長さは? 構成は? 歌詞の量は? メロディの音域は? 楽器の編成は? コード進行は? だいたいこれくらいという量感・質感についてです。
こうしたことの実践知が得られると、ポップスも決して得体の知れない魔法ではないと思えます。そこから、新しさへのヒントや気持ち良いはみ出し方、心地よいブレークスルー、破壊と創造の手がかりが得られるはず。…すでに得られつつあるなどと、大衆性ある「実績」めいたものを何も持たない私が言っても説得力がないかもしれません。果たして私が得たのは徒労か、かけがえのない財産か……今後も適当に見守っていただければ幸いです。
今後の課題
〜300のところにも書きましたが、どうしても1日1曲ペース(ノルマ)をこなすうえで、すぐにできない複雑な曲や難しい曲、オーバーサイズな曲を遠ざけがちでした。
自分が“カバーしたい歌”を生み出すための学習(より良いオリジナルをつくるための研究)を目的に続けた取り組みでしたが、その学習ノルマ自体がきつくて、肝心の自分の創作が後手になるという本末転倒も反省点。自分を律し、なあなあにしないために1日1曲のペース設定は有効でしたが、今後は本当にやりたいことのためにより理想的なペース設定を計画して実行する必要を感じます。
ネタさがしには歌本の蔵書や手持ちのCDなども活用しましたが、音楽サブスクリプションサービスや無料動画サイト(YouTube)に頼ることが圧倒的に多かったです。便宜とコスト抑制の観点で仕方ないと思いつつ、結果として誰もがアクセスしやすいものに選曲(学習の題材)が偏ります。今後はレコードやCDをもっとディグる、ラジオを聴く、専門誌に情報を求めるなど、マニアックなもの、「これは知らなかった」と思ってもらえるような個性的でユニークなものにもなるべく多く触れられたらいいなと思います。
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