海の王者から陥落したホホジロザメ、彼らを襲う新たな頂点捕食者
サメが動かなくなると、シャチは肝臓を取り出して食べ、群れの仲間とも分け合った。残りの死骸は捨てられた。 2度の捕食行動(2020年8月と2022年8月)で、シャチはホホジロザメの若い個体を狙った。彼らは、狩りや泳ぎの経験が浅く、成体よりもはるかに制圧しやすいためだろう。 研究チームによれば、餌食になった若い個体は、既知の生育場(nurseries:サメが生まれ、初期段階を過ごす特定の海域)からやって来ていたが、こうしたサメの生育場は、水温変化に伴い、これまでの位置から移動している可能性がある。
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しかし注目すべきは、これらの出来事が、シャチの「伝統的な」サメ狩り場である南半球から遠く離れた場所で起きたことだ。これはこの行動が、地理的にも異なる群れの間でも、広がりつつある可能性を示唆している。
なぜ肝臓なのか? なぜホホジロザメなのか?
サメの肝臓は、栄養と脂肪が凝縮された高エネルギー源だ。シャチのような捕食者にとっては「カロリーの宝庫」だ。つまり、シャチは肝臓を取り出し、残りの死骸を捨てることで、労力とリスクを最小限に抑えつつ、エネルギー獲得を最大化できる。そして、メキシコでの観察が示す通り、シャチはまさにそれを実行している。 これらの攻撃が特に印象的なのは、シャチがサメの肝臓だけを確実に狙う点だ。 ・オーストラリアでは、サメの死骸の遺伝子分析により、かみ傷には、シャチが肝臓組織を引きずり出した痕跡が確認された。主要な傷痕からは、肝臓のDNAが検出された ・南アフリカでは、打ち上げられたエビスザメとホホジロザメを研究する科学者たちが、肩の周辺に特徴的な歯形を記録している。ほかの臓器を損傷しないよう肝臓にアクセスするには、このような切り込みを入れる必要がある ・カリフォルニア湾では、シャチがサメの若い個体をひっくり返して擬死状態に陥らせ、内臓を取り出しやすくする様子が撮影された
翻訳=米井香織/ガリレオ
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