ロシアが夜間のデータ通信を遮断、無人機攻撃に備え 住民からは不満も
双方は、敵国の携帯電話網を利用して無人機の通信を行っている。技術自体は極めて単純だ。必要なのは、有効なSIMカードの入ったスマートフォンと、中国の無人機メーカーDJIの「セルラードングル2」のような150ドル(約2万3000円)程度の装置だけだ。これで、4G通信が可能な場所なら無人機をどこへでも飛ばすことができる。トランシーバーのように、無人機の直接無線制御は数キロに制限されるが、携帯電話網を使えば、ニューヨークにいながら東京で無人機を飛ばすことさえできるのだ。 この種の遠隔操作技術は、ウクライナ軍が6月に実施した「スパイダーウェブ」作戦で使用された。ウクライナ保安庁は事前に小型一人称視点(FPV)無人機を5つのロシア空軍基地付近までトラックで秘密裏に輸送していた。無人機はロシアの電話網を介して発射・操縦され、同国で少なくとも10機の戦略爆撃機を破壊した。 長距離通信が必要な場所では、同様のシステムが広く採用されている。ロシア軍が使用しているイラン製無人機「シャヘド」は当初は発射後放置型巡航ミサイルだったが、現在はカメラと4Gセルラーモデムを搭載し、操縦士が無人機の進路を追跡し、防空網を回避したり、目標へ誘導したりすることができるものもある。
ロシアが夜間のデータ通信を停止
敵の無人機が自国の携帯電話網を利用するのを阻止することはできるのだろうか? ロシア当局は当初、海外でローミングサービスを利用した携帯電話に24時間の「クーリングオフ」期間を課した。この遮断は現在、72時間以上使用されていない全てのSIMカードに適用されるようになった。これはロシアで購入されたSIMカードをウクライナへ送る行為を摘発するのが狙いだ。 両国の国境地域の一部では、ロシア側が極端な措置を講じており、無人機攻撃が最も発生しやすい夜間にデータ通信サービスを停止している。これに対し、加入者からは苦情が寄せられている。
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