ウクライナ軍、ロシアの「影の船団」に対する作戦を大幅に拡大
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の分析によると、ロシアの影の船団は1日当たり推定370万バレルの原油を輸送しており、これは同国の海上石油輸出量の約65%に相当する。これにより、ロシアは年間約870億~1000億ドル(約14兆~16兆円)の収入を得ている。ドイツ国際安全保障研究所でロシア情勢を専門とするヤニス・クルゲ博士は、影の船団に対する攻撃の激化によってロシア産原油輸出の主要経路が遮断された場合、ロシアの原油輸出量と国家収入に直接的な影響が及ぶ可能性があるとみている。 SBUは11月下旬、トルコに近い黒海沖で、制裁対象となっているロシア籍船舶「カイロス」号と「ビラト」号を攻撃したと発表した。仏紙ルモンドは、同月下旬にセネガル沖で停泊中のロシア関連の船舶「メルシン」号が複数の「外部爆発」に見舞われたと報じた。捜査当局とロシアの軍事ブロガーは、同船の船舶自動識別装置(AIS)信号が途絶えた後、民間船舶を偽装したウクライナ海軍の無人機による攻撃があった可能性を指摘している。 ロシアの影の船団にサービスを提供する民間事業者にも既に影響が及んでいる。英ロイター通信によると、セネガル近海で起きたメルシン号事件を受け、トルコのベシクタシュ海運グループは安全保障環境が維持不可能だとして、ロシア関連の全ての海運事業を停止すると発表した。 同通信社は今月、ロシアの影の船団の船舶が黒海を航行中にウクライナ製の無人水上艇「シーベビー」による攻撃を受け、深刻な損傷を負ったと報じた。これらの事例は、ウクライナ軍が前線に近い海域だけでなく、ロシア関連の船舶が活動するあらゆる地域で攻撃する準備ができていることを示唆している。
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