. F 新車試乗記 - MOTOR DAYS(モーターデイズ)
F 新車試乗記 - MOTOR DAYS(モーターデイズ)
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トヨタ プロボックス F 新車試乗記(第746回)

ボディサイズは先代と大差ないが、新型ではプロ / サクでボディが共通化されたことで、全長は先代プロボックスの4195mmとサクシードの4300mmの中間になる4245mmになった。全幅の1690mmやホイールベースの2550mmは従来通り。全高は1525mm(4WDは1530mm)で、もちろん機械式立体駐車場に問題なく入る。ただし、プラットフォームの関係で最小回転半径は0.1m増え、カローラ(アクシオ / フィールダー)と同じ4.9mになった。

インテリア&ラゲッジスペース

インパネデザインを革新。紙パックも置けるドリンクホルダーを設置 シンプルな水平基調のデザインが清々しい。ダッシュ上面も、停車中に物が置けるようにフラットになっている インパネシフトの跡地は大型センタートレーに変身。オプションでAC100V電源も用意 メーターのデザインはまるで軍用時計のようにシンプルで機能的 ステアリング右側のドリンクホルダーは、最近の軽自動車でもよく見かけるもの 引き出し式テーブルを大型化し、幕の内弁当に対応 小さくてイマイチ使えなかった引き出し式テーブルは、新型で大型化。その上にはA4バインダーを横向きに置ける棚も用意。グラブボックスは従来通りラックのように使えるオープンタイプ バックモニター内蔵ミラーも全車にオプション設定(4万3200円)された パーキングブレーキが足踏みになり、その跡地はカバンスペースに変身。格納式ドリンクホルダーもある 新開発シートは、休憩時の「寝ごこち」も追求 最上級グレード「F」は、後席が乗用車風になる。ただし背もたれはやや立ち気味 荷室はおおむねこれまで通り 邪魔な張り出しのない荷室。荷室高は935mm、荷室幅は1420mm、荷室長(後席使用時)は1040mm

なお、日産AD / ADエキスパートの最大荷室長は1830mm、最大積載量は450kg(4WD車は400kg)で、A4コピー用紙箱なら91個積めるとのこと。つまり積載性はADバンがわずかに上回るが、ボディサイズに対するスペース効率ではプロ / サクが優秀と言える。

「F」の後席だけダブルフォールディングになり、さらに座面を取り外すことも出来る スペアタイヤは吊り下げ式。フル積載に耐えるラテラルロッド付トレーリングリンク車軸式リアサスに注目

基本性能&ドライブフィール

軽快ながら、どことなくメカメカしい 1.5リッター「1NZ-FE型」エンジン。ボア×ストローク:75.0×84.7mmのロングストローク型 高速での直進安定性も“気持ちいい” 新型には55km/h以上で急ブレーキを踏むとハザードランプが自動的に点滅する「緊急ブレーキシグナル」が全車標準になった バン用タイヤでもちゃんとグリップ タイヤはライトバン用の155/80R14 88/86N LT(トーヨー H11)

意外だったのが、新型プロ / サク専用に開発された155/80R14のライトバン用タイヤ(トーヨー H11)がちゃんとグリップしてくれること。下手な乗用車用エコタイヤより、よっぽどグリップしてくれるし、タイヤ自体の剛性感も高い。でもってタイヤ自体の乗り心地も悪くない。乗用車用タイヤと比べた時の弱点はやはりロードノイズだが、メリットの多さを思えば許せるところ。おそらくライフも長いはずだし。もちろんグリップ感の高さには、シャシー性能や入念なチューニングも効いているはず。

試乗燃費は14.2km/L。JC08モード燃費は18.2km/L 目下、ガソリン価格は横ばい傾向。この日はレギュラーが152円/Lだった

ここがイイ

気持ちいい走り。使い勝手の良さ。燃費など

ここがダメ

自動ブレーキの採用見送り

総合評価

先代はクルマとして素晴らしい出来だった

何度も書いているが、ステーションワゴンが好きだ。セダンに乗ってみて、これのワゴンがあったら欲しいと思うことは多いし、ハッチバック車だってこのままワゴンにしたら面白いのにと何度となく思った。現に輸入車ではメルセデス・ベンツのCクラスやEクラス、フォルクスワーゲン ゴルフなどにちゃんとワゴンが設定されている。それらは積載性においてセダンの比ではないし、イメージ的にはセダンよりスポーティで、ハイグレードだったりもする。しかし、こと日本車でステーションワゴンは今や壊滅状態。トヨタですらカローラ フィールダーとアベンシスくらい。何より日本では商用バンみたいと言われるのが悲しい。

その商用バンの代表がプロボックス / サクシードだ。現在では実質的に日産ADバンとこのクルマしかなく、プロ / サクの方はもう12年も売られているから、商用バンと言ったら誰もがこのクルマを想像するだろう。プロ / サクがデビューした頃、このクルマに「乗らされた」新社会人も、今や立派な中堅社員になってるはず。会社員生活をプロボックスで過ごした人は、少なくないと思う。そんな人にプロボックスの率直な感想を聞いてみたいものだが、おそらくは特に不満なしといった答えが返ってくるのでは。仕事の足以外の何物でもなく、良くも悪くも思わないと。

インパネはこのクルマ最大の魅力

そんな初代は、2000年前後にトヨタから数多く登場した意欲的でユニークなクルマの一台でもあった。そして発売から12年。世の中はITバブル崩壊から持ち直したかと思うと、リーマン・ショックでどん底に落ち、アベノミクスの恩恵も庶民には大してないまま今も低空飛行を続けているが、そんな荒波をプロボックス / サクシードは黙々と道具として乗り切ってきた。12年もの間、モデルチェンジせず、使用者は途中の代替えでもずっとプロ / サクを選択し続けたわけで、今もその性能で十分ビジネス戦力となりえている。変える必要はないのだろうが、安全性やら燃費やらでさすがに「ビッグマイナーチェンジ」の必要に迫られたというのが今回だ。

「機能美がステキ」と女子がもてはやす時代

RJCカーオブザイヤーをスズキ ハスラーが獲得し、ダイハツも負けじとウェイクを出して、軽の世界では道具としてのクルマがひとつのジャンルになりつつある。プロ / サクのワゴンタイプは、先代末期(2013年)にラインナップから消えたが、5ナンバーにしただけでは大して売れるはずがないのは当然なので、このコンセプトで別のクルマ(ベースはカローラ フィールダーでもいい)を作ってほしいものだ。

プロ / サクは、トヨタ車ではあるが、開発と生産にはダイハツが携わっているからか、運転してみると、よく出来た軽自動車にどことなく近い感じがある。うるさくはないが、遮音・吸音材などが少ないためにガサッとした室内や、CVTの走行感覚などもそうだ。考えてみれば、厳しい枠の中で究極の道具を追求しているのが軽自動車であり、そのノウハウがこのクルマにも反映されていることで、似た感じを受けるのかもしれない。そして、その究極の道具感を、商用車としてしか味わえないのが実にもったいなく思えてくる。ルノー カングーみたいに「機能美がステキ」と女子がもてはやす時代が、何かの間違いで来たりしないか、などと妄想してみる。

試乗車スペック トヨタ プロボックス F (1.5L 直4・CVT・158万3673円) ●初年度登録:2014年9月 ●形式:DBE-NCP160V-EXXRK ●全長4245mm×全幅1690mm×全高1525mm ●ホイールベース:2550mm ●最低地上高:140mm ●最小回転半径:4.9m ●車重(車検証記載値):1090kg(670+420) ●乗車定員:2/5名

●エンジン型式:1NZ-FE ●排気量・エンジン種類:1496cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:75.0×84.7mm ●圧縮比:11.0 ●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm ●最大トルク:136Nm (13.9kgm)/4800rpm ●カムシャフト駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/50L ●JC08モード燃費:18.2km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動) ●サスペンション形式:前 ストラット+コイルスプリング/後 ラテラルロッド付トレーリングリンク車軸式+コイルスプリング ●タイヤ:155/80R14 88/86N LT( Toyo H11)

●試乗車価格:182万1921円 ※オプション:カラードバンパー(フロントコーナー部+リア) 1万6200円、インナーミラー(バックモニター内蔵・自動防眩) 4万3200円、アクセサリーコンセント(AC100V・100W) 1万1880円、スタンダードナビ 14万9580円、ETC車載器(ナビ連動タイプ) 1万7388円 ●ボディカラー:ライトグリーンメタリック

●試乗距離:約310km ●試乗日:2014年11月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

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