ネイピア数とは?
$$ \tag $$ になる。預金額は約 $2.3703$ 倍になり、 $D_$ よりも増える。 このように、 1年後の預金額は受け取り期間を短くすればすれほど増えてゆくが、 どこまで増加するであろうか。 それを見るために、今まで議論を一般化し、 利息 $\frac $ を $n$ 回受け取れる口座に $A$ 円を預けたとする。 $1$ 年後の預金額 $D_$ は $(2.1)$ $(2.2)$ $(2.3)$ から推測できるように、
である。例えば 毎日利息を受け取る場合には ($n=365$ の場合には)、 となる。 さらに $n$ を大きくするときに、 最終的にどの値になるかを求めることは、 $n \rightarrow +\infty$ の極限を求めることに相当する。 すなわち、 を求めることに相当する。 右辺の極限はネイピア数そのものである。 上で示したように この極限は収束する。 これは、 預金額の増加には限界があることを意味している。 その限界値が $e$ であり、という値になる。 このようにネイピア数は、 利息を低くしながら利息を受け取る間隔短くしていった場合に、 どこまでの預金額を最終的に増額できるのかの限界値を表す。 このような問題は、 連続複利 と呼ばれ、 金融理論の基礎問題の一つである。
という級数によって表すことができる 証明 二項定理により、 と表される。 これより、 $$ \tag $$ が成り立つ。 $x=1$ の場合を考えることにより、補足 解析学では $(3.1)$ が指数関数 $e^$ の定義として用いられる。
$e$ は無理数であることを背理法によって証明する。 証明 $e$ が有理数であり、 二つの正の整数 $j$ と $k$ によって、 $$ \tag $$ と表せると仮定する。 $k$ とネイピア数を用いて $p$ を $$ \tag $$ を定義する。 はじめに $p$ が整数であることを示す。 $(4.1)$ $(4.2)$ より である。 ここで、第一項の $ j(k-1)!$ は整数である。 また、第二項は総和は と表せることから分かるように、どの項も整数である。 ゆえに $p$ は整数である。 続いて $p \gt 1$ を示す。 $(4.2)$ に $e$ の級数による表現を代入すると、 $$ \tag $$ と表せる。 $k$ は正の整数であるから、 $p \gt 1$ である。 続いて $p \lt 2$ を示す。 $(4.3)$ より、 が成り立つ。 最後の等号では $n-k=m$ と置いた。 等比級数の公式を用いると、 $\frac \lt 1$ であることから、- $p$ は整数
- $1 \lt p \lt 2$
ネイピア数 $e$ は、 数列 $ \left( 1 + \frac \right)^ $ の極限によって定義されるが、 実関数 $f(x) = \left( 1 + \frac \right)^$ の極限を用いて表しても良い。 すなわち、
$$ \tag $$ が成り立つ。 また、 \begin e = \lim_(1+t)^> \end $$ \tag $$ と表すこともできる。 ● $(5.1)$ の証明 証明を見る --> 数列 $\left( 1+ \frac \right)^$ の極限は、 ネイピア数 $e$ に等しいことが次のように示される。 ここで、 数列の積の極限が極限の積に等しいことを用いた。 また、 最後の等号では $m=n+1$ と置いた。 これより、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、 を満たす自然数 $N_$ が存在する。 同じように、 数列 $\left( 1+ \frac \right)^$ の極限は、 ネイピア数 $e$ に等しいことが次のように示される。 ここで、 2行目と3行目が等しいことを示すときに、 数列の積の極限が極限の積に等しいことを用いた。 これより、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、 を満たす自然数 $N_$ が存在する。 従って、 を満たす自然数を $N$ とすると、 $$ \tag $$ が成り立つ。 このような $N$ に対し、 $ N+1 \lt x $ を満たす任意の実数を $x$ とする。 $x$ には、 $$ \tag $$ を満たす自然数 $n$ が存在する。 $(5.4)$ から が成り立つ。 これより、 が成り立つので、 関数 $ \left| \left( 1+ \frac \right)^ -e \right| $ は、 不等式 を満たすかのどちらかであるが、 いずれの場合であっても、 $(5.3)$ から $$ \tag $$ が成り立つ。 以上の $(5.4)$ と $(5.5)$ から、 任意の正の数 $\epsilon$ に対して、 が成り立つ整数 $N$ が存在することが示された。 したがって、 が成り立つ実数 $x'$ 存在する ($ x \gt x' \gt N+1$ を満たす実数 $x'$ ) 。 したがって、● $(5.2)$ の証明 $\frac=n$ とすると、 $t \rightarrow 0$ ならば $n \rightarrow \infty$ なので、