Anduril、UAEと共同開発した「Omen」VTOLドローンを発表 スウォーム運用にも対応
米国の防衛テクノロジー企業Anduril Industriesとアラブ首長国連邦(UAE)の国防大手 EDGE Group は、共同開発した新型 VTOL(垂直離着陸)無人航空機「Omen(オーメン)」を正式に発表した。両社は合弁企業「EDGE–Anduril Production Alliance」を設立し、今後はUAEで大規模生産体制を確立する。最初の大型契約としてUAEが50機を発注し、2028年末のフルレート量産を目指す。中東地域で最先端の無人航空機を量産するという意味でも、戦略的に大きな注目を集めている。
Omen VTOL無人機
Omen は米国防総省の分類で「Group 3」に属する全高3mの中型無人航空システム(UAS)だが、その性能とコンセプトは従来の同サイズ帯を大きく超える。最大の特徴は、垂直離着陸を可能にする「テイルシッター(尾立ち)」デザインと、電動モーターと内燃機関を組み合わせたハイブリッド推進方式だ。離着陸時は機体を垂直に立て、巡航時には水平にして飛行することで、固定翼のような高効率の飛行性能を実現する。
推進方式はシリーズ・ハイブリッドで、内燃機関は発電を担当し、実際にプロペラを回すのは電動モーターという構造だ。これにより、中型クラスでありながら長時間飛行と高いペイロード能力を両立した。Andurilは、同クラス機の「3~4倍の航続距離」「3~5倍のペイロード容量」を持つとしており、ISR(情報・監視・偵察)センサー、電子戦装置、通信中継モジュールなど、多様な装備を迅速に交換できるモジュール構造も採用している。同じグループ3に分類され、垂直離着陸、水兵飛行する「V-BAT」が飛行時間10時間、航続距離が130km、ペイロードが18kgになるので、その3倍以上となると性能が飛びぬけているのが分かる。運用面でも柔軟性が高い。テイルシッターデザインにより滑走路を必要とせず、前線や島嶼地帯、遠隔地でも運用可能。さらに、機体は折りたたみ式で、輸送箱に収めた状態から2人で数分で組み立て可能とされ、臨機応変な展開に適している。重量物を装備した固定翼機の機動性と、回転翼機の即応性を兼ね備える点は、災害支援や治安維持任務にも応用できる。
Omen のもう一つの大きな特徴は、Andurilが開発した自律型ミッション管理ソフトウェア「Lattice」を搭載していることだ。Lattice は複数機による協調飛行を前提に設計されており、各機が収集した情報を共有しながらリアルタイムでルートや任務を再構築することができる。これにより、単機のISR任務から、複数ドローンによる広域監視、通信ネットワークの即時構築、電子戦支援まで、多様なミッションを人間の介在を最小限に抑えた形で遂行できる。