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鉛バッテリーの充電方法(普通・急速)や充電にかかる時間や容量(Ah)など、バッテリーについて知っておくべきことを挙げてみた
鉛バッテリーについての質問が多く寄せられますので、 『鉛バッテリーの充電方法(普通・急速)や充電にかかる時間や容量(Ah)など』 をまとめてみます。 主に、自動車や二輪車、船舶で使われる鉛バッテリーを対象としてまとめました。
■バッテリーの種類や特徴
鉛バッテリーには大きく分けて、 『 スターターバッテリー 』と 『 ディープサイクルバッテリー 』の 2種類があります。
また、それぞれに『 開放型 』と『 密閉型 』と呼ばれる構造上の特徴があります。
『スターターバッテリー』 自動車や二輪車のエンジン始動用のバッテリーです。 エンジン始動でセルモーターを回す際の瞬間的な大電流を取り出すのが主たる目的です。 エンジンが動いている状態で常に充電され続け、満充電に近い状態を維持し続けながら使うのが本来の使い方です。 放電のしすぎに弱く、2回ほどのバッテリー上がりで電極版に深刻なダメージが残るといわれています。
『ディープサイクルバッテリー』 繰り返しの充放電が出来るように設計されたバッテリーで、長い時間をかけて少さな電流を取り出し続ける用途に向いています。
『開放型』 バッテリーを充放電する際に発生する水素ガスと水蒸気を逃がす構造になっているバッテリーです。 バッテリー液が徐々に減っていくので、定期的に精製水を補充する必要があります。
『密閉型』 水素ガスと水蒸気の発生が極力少ない材質や構造を用いて、密閉されたケースに収まっているバッテリーです。 完全に密閉されたものと、若干の圧力を逃すものがありますが、どちらも精製水の補充を必要としません。 また、このタイプのバッテリーは急速充電をすることが出来ません。急速充電はケース内の圧力が極端に上がってしまうため危険です。
■バッテリーの容量『Ah(アンペアアワー)』や時間率(HR)って何?
まずはザックリとバッテリーの容量を示す 『 Ah(アンペアアワー) 』 について。
A(アンペア) は電流の単位です。 h(アワー) は時間(1h:1時間)の単位です。 Ah(アンペアアワー)という単位は、単純に電流(A)と時間(h)の積だというのが分かります。
例えば50Ahのバッテリーがあるとします。 このバッテリーからは、 1Aで50h、 2Aで25h、 5Aで10h、 分の電流が取り出せる容量という意味になりますね。
ただし、バッテリーというのは、 取り出す電流の大小と、電流の取り出しにかける時間によって、取り出せる電流の総量が変ってしまうという 特性があります。
具体的には、 ・取り出す電流が小さいほど多くの電流を取り出せる ( 取り出す電流が大きいほど取り出せる電流は少なくなる ) ・長い時間をかけて電流を取り出す方が多くの電流を取り出せる ( 短時間で電流を取り出すと、少ない電流しか取り出せない ) といった具合です。
これではザックリとしすぎていて、バッテリーの性能や容量を比較することが出来ません。 そこで登場するのがバッテリーの時間率容量(HR)です。
日本で流通している鉛バッテリーには、 ・5HR(5時間率容量)国内自動車用バッテリーに多い基準 ・10HR(10時間率容量)オートバイ用バッテリーに多い基準 ・20HR(20時間率容量)欧州自動車用やディープサイクルバッテリーに多い基準 の3種類の時間率で容量を表記したバッテリーが多いですね。
5HR(5時間率容量)ならば、容量の1/5の電流を5時間で放電できる性能という意味です。 10HR(10時間率容量)ならば、容量の1/10の電流を10時間で放電できる性能という意味です。 20HR(20時間率容量)ならば、容量の1/20の電流を20時間で放電できる性能という意味です。
50Ah/5HRといったバッテリーの場合、 50Ahの1/5 、つまり 10Aの電流を5時間かけて取り出すとバッテリー上がり (10.5V)という容量っていうことです。 ( 10A × 5h = 50Ah )
10Ah/10HRといったバッテリーの場合、 10Ahの1/10 、つまり 1Aの電流を10時間かけて取り出すとバッテリー上がり (10.5V)という容量っていうことです。 ( 1A × 10h = 10Ah )
100Ah/20HRといったバッテリーの場合、 100Ahの1/20 、つまり 5Aの電流を20時間かけて取り出すとバッテリー上がり (10.5V)という容量っていうことです。 ( 5A × 20h = 100Ah )
では、 100Ah/5HRのバッテリー と 100Ah/20HRのバッテリー とでは、どちらが性能が良いのでしょうか? 答えは『 100Ah/5HRのバッテリーの方が性能が良い 』です。
前述の通りバッテリーは、 『短時間で電流を取り出すと、少ない電流しか取り出せない』 ワケですから、 100Ahを5時間で取り出せるバッテリーの方が性能が良い のですね。 容量は同じ100Ahですけどね、不思議ですよね。
ただし、 バッテリーの容量というものは環境や条件によって変ってしまいます 。 なので、新品で100Ah/5HRのバッテリーがあったとしても、その性能を100%発揮できるとは限りません。
■バッテリーの種類と外観、容量の違い
・一般的な開放型スターターバッテリー(12V-30Ah/5HR) 画像のバッテリーは30Ah/5HRなので、6Aを5時間かけて取り出せる性能ですね。 乗用車のスターターバッテリーです。 開放型なので転倒させるとバッテリー液(希硫酸)が流れ出ます。
・一般的な密閉型ディープサイクルバッテリー(12V-115Ah/20HR) 画像のバッテリーは115Ah/20HRなので、5.75Aを20時間かけて取り出せる性能ですね。 ケースに比重計が内蔵されていて、大まかな充電状況を知ることが出来ます。 密閉型なので急速充電は出来ません。
・密閉型ディープサイクルバッテリー(6V-9Ah/20HR) 画像のバッテリーは9Ah/20HRなので、0.45A(450mA)を20時間かけて取り出せる性能ですね。
パッと見で、 白いケースに入っているバッテリーは開放型、 黒いケースに入っているバッテリーは密閉型、 というのが多いようです。
■バッテリーの充電方法、普通充電や急速充電って知ってる?
さて、バッテリーの電極に電圧をかけてあげれば電流が流れ込んで蓄電するワケです。 ただ、普通充電や急速充電は何となく意味は分かりますが、具体的にはどんな充電方法なんでしょうか。 それぞれ確認していきましょう。
まずはバッテリーの普通充電について。 これは、 バッテリーの容量(Ah)の1割(10%・1/10)の電流を一つの目安として充電 することをいいます。
空っぽのバッテリーをフル充電するのに12時間以上かかる場合もあります。 単純に容量だけを計算すれば10時間で満充電なのですが、ロスが発生しますし環境や条件によっても変ってしまいます。
例えば、100Ahのバッテリーであれば10Aの電流で充電すると、そういうのが普通充電 です。 完全に空っぽの状態からだと概ね12時間でフル充電です。 ただ、充電する電流が10Aより低い場合は、当然ですが12時間以上の時間が必要になるでしょう。
次にバッテリーの急速充電です。 これは、 バッテリーの容量(Ah)の10割(100%・1/1)の電流を一つの目安として充電 することをいいます。
応急処置的な充電方法でバッテリーへの負担も大きいですね。 また、密閉型のバッテリーは急速充電できません。 30分程度を限界として、一気に7~8割まで充電します。
■どんな充電器を使えば良いの?
30Ahのバッテリーなら定格出力3Aの充電器で、 50Ahのバッテリーなら定格出力5Aの充電器で、 100Ahのバッテリーなら定格出力10Aの充電器で、 といった具合です。
■DIYソーラーで充電する場合は?
■バルク充電・アブソーブ充電・吸収充電・フロート充電・トリクル充電、って何?
・バルク充電(bulk) 概ね、バッテリーの70~80%まで充電します。 チャージコントローラーの動作としては、発電した電力をそのままバッテリーに充電するような動作になります。 多くの電流をバッテリーへ送り込む充電方法です。
・アブソーブ充電、吸収充電(absorption) バルク充電後、残りの20~30%分を充電します。 充電する電流が徐々に下がっていき、ごくわずかな電流になるまで一定の電圧を保ちます。 バッテリー容量の0.5%より低い電流になるまで充電すると満充電の状態となります。 バルク充電に比べると、ゆっくり充電する状態です。
・フロート充電、トリクル充電(float) 満充電を維持するための充電。 わずかな使用や自然放電などで失われた容量を補うもので、バッテリーへの負担が少ないわずかな電流で充電します。
前述の通り、 『バッテリーはフル充電に近い状態の時ほど微弱な電流しか吸収できなくなる』 という特性があります。
■バッテリーの充電状態の確認ってどうするの?(電圧編)
バッテリーの充電状態を知る方法として手軽なのが、 『テスターで端子電圧を測る』 です。
12Vバッテリーで、10.5Vを残量0%、13.5Vを残量100%として、バッテリーの残量とフル充電までの充電時間の目安を段階的に書き出してみましょう。
・バッテリーの電圧と残量、充電時間の目安 13.5V、残量100%、充電は不要 13.2V、残量90%、容量の1割の電流で0時間45分 12.9V、残量80%、容量の1割の電流で2時間00分 12.6V、残量70%、容量の1割の電流で3時間15分 12.3V、残量60%、容量の1割の電流で4時間30分 12.0V、残量50%、容量の1割の電流で5時間45分 11.7V、残量40%、容量の1割の電流で7時間00分 11.4V、残量30%、容量の1割の電流で8時間15分 11.1V、残量20%、容量の1割の電流で9時間30分 10.8V、残量10%、容量の1割の電流で10時間45分 10.5V、残量0%、容量の1割の電流で12時間00分
■バッテリーの充電状態の確認ってどうするの?(バッテリー液の比重編)
バッテリーの充電状態を知る方法として、 『バッテリー液の比重を測る』 という方法もあります。
満充電の比重は1.280でバッテリー上がりの状態の比重は1.120です。
・バッテリーの残量とバッテリー液の比重の関係の目安。 比重1.280、残量100%、充電は不要 比重1.264、残量90% 比重1.248、残量80% 比重1.232、残量70% 比重1.216、残量60% 比重1.200、残量50% 比重1.184、残量40% 比重1.168、残量30% 比重1.152、残量20% 比重1.136、残量10% 比重1.120、残量0%
■鉛バッテリーの寿命って?
答えは、 『 鉛バッテリーの使用状況によって1年で寿命を迎える場合もあれば、7~8年経過しても元気な場合もある 』 ですね。
そもそも、鉛バッテリーの寿命とはどういう状態なのでしょうか?
鉛バッテリーが寿命を迎えている(交換時期が訪れている)状態とは、 ・バッテリー液がLOWERレベルを大きく下回り、精製水を補充してもバッテリー液の減りが激しい ・2回以上のバッテリー上がりの経験がある ・満充電で常温の状態で比重が1.230以下 こうなってくると鉛バッテリーが寿命を迎えていると判断するべきです。
バッテリーはどうあっても消耗品です。 希硫酸と鉛の電極版の化学反応で蓄電しているものです。 当然ですが充放電の繰り返しで電極版は劣化します。
では、バッテリーの寿命を延ばすにはどうしたら良いのか? というのが一番気になるところでしょう。
バッテリーの寿命を削ってしまう原因としては、 ・放電のしすぎ (スターターバッテリーは特に過放電に弱い) ・しっかり充電されていない の2点です。
スターターバッテリーについては常に満充電の状態で使うように考えられています。 エンジンスタートで消耗した分は、その直後の走行で速やかに充電 して、 あとはオルタネーターで発電している分でエアコンなどを賄う ワケです。
例えば、夜間の走行が多かったり、短時間の走行が多かったり、そもそも自動車を使う機会が少なかったり。 放電に対して充電が間に合わなければ、いずれ『 バッテリー上がり 』を起こしてしまうでしょう。
逆に言えば、 充放電のバランスを意識して運用することで、鉛バッテリーの寿命は簡単に延ばすことが出来る ということです。 要は、使った分は速やかに充電して、常に満充電を意識して運用することですね。
関連記事 カテゴリー: DIYソーラーを自作してLET'S太陽光発電, もっと知りたい自作ソーラー発電 | 投稿日: 2016年5月8日 | 投稿者: 新潟おてんとサン15 thoughts on “ 鉛バッテリーの充電方法(普通・急速)や充電にかかる時間や容量(Ah)など、バッテリーについて知っておくべきことを挙げてみた ”
- わんだー2016年5月8日 11:24 PM バッテリーの寿命について教えてくださいませ! あわよくば、維持コストも また、再生剤についても知りたいです。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2016年5月9日 9:18 AM はじめまして、わんだーサマ。 コメントありがとうございます。 >>バッテリーの寿命について これは、僕の思うところを記事に追加させていただきました。 正直なところ、バッテリーは使い方で寿命が著しく変ってしまいます。 基本は『満充電の状態を維持する』っていうことが、バッテリーの劣化を防ぐことになります。 >>維持コスト バッテリーを維持するコストは・・・ほとんど掛からないかと。 ユーザーが出来ることは、放電した分を充電することと、バッテリー液が減った場合に精製水を補充すること、くらいです。 例えば、極端に使用頻度が少ない自動車のバッテリーは、別途で充電器を購入して充電する必要があるでしょう。こういう場合は充電器や電気代のコストが掛かります。 精製水は数百円で購入できますね。 >>再生剤について これは・・・安価なものから高額なものまで沢山ありますね。 どれが良くてどれが悪いのか?僕にはちょっと分かりません。 僕がいえる事といえば『バッテリーが劣化してしまう前に使うべき』ということです。 どんな再生剤を使っても、減ってしまった電極版を復元するなんてことは出来ませんよね。 バッテリーの寿命を考えたとき『新品時の性能をいかに維持するか?』というのが重要でしょうね。 いかがでしょうか。 以上が僕の思うところです。 ではでは、また何かの際にはお気軽にお立ち寄りくださいね。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2018年2月13日 7:38 PM はじめましてpicochanサマ。 コメントありがとうございます。 キャンプピングカーのサブ電源ということは、 走行中は車のオルタネーターから充電しつつ、 停泊中なんかはチョイチョイとバッテリーを使い、 日中はパネルからも充電を行う、 といったイメージですよね。 パネルの枚数というかW数については、一概に何WならOKとか、そういった指針があるわけでは無いんです。 12V60Ahのバッテリーで、ほとんど使わない場合だったり、 12V120Ahのバッテリーで、ガンガン使う場合だったり、 12V120Ahのバッテリーでも、ほとんど使わない場合だったり、 日中の使用がい多いのか、夜間の使用が多いのか、 によって、必要になってくるパネルは大幅に違うでしょう。 そもそも夜間や雨天なんかは発電できないワケですから、単純にバッテリーの容量に依存しますしね。 例えば、日中1日に走行と発電をしていて、満充電になるのか否か?がひとつの目安になるのかなと考えます。 12V120Ahのバッテリーで、パネルはトータル200Wもあれば十分と考えます。 走行中に発電する分もあるワケですしね。 足りなければ300Wで、充分すぎれば100Wで、そういう対応も必要かと。 電流が多すぎるとかバッテリーがフルに近いとか、そういう部分をチャージコントローラーが調整してくれることになりますから、ここはちょっと奮発するのが良いでしょう。 コメント欄で、どこぞのメーカーのコレ!と呈示するワケにはいかないんですが、細かく設定ができるものが良いですよね。 ちょっとザックリですが、僕の思うところです。
- picochan2018年2月14日 10:21 AM 早速のアドバイス ありがとうございます。 現在は構想段階ですので、新潟おてんとサン さまのサイトで 勉強させていただきたいと思います。 今後もいろいろお教えいただくことがあるかと思いますが その際はよろしくお願いいたします。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2018年2月14日 9:25 PM いえいえ、大したアドバイスも出来ずに恐縮です。 サブバッテリー計画が上手くいくと良いですね。 何かありましたら気軽にコメントくださいね。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2018年9月26日 8:48 PM はじめまして、コメントありがとうございます。 満充電付近で保管したい狙いなんですね。 充電ステージを管理してくれる充電器なら問題ないと思います。 設定した電圧で充電をストップするなどの機能ですね。 そうでないのであれば、1週間なり2週間なりで電圧をチェックして減っていれば充電といった方法で充分なのかなと考えます。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2018年10月5日 9:33 PM 確かに一気にパネルが出てきそうです! 停電対策などなどに、バッテリー1つでだいぶ役に立ちますね。
- 新潟おてんとサン 投稿作成者 2019年1月8日 7:05 PM はじめまして、コメントありがとうございます。 実際の所、運用してみなければ分かりません。 夜間も回し続けるとなると、かなりのバッテリー容量が必用ですね。 天候にもよるでしょうし、1000Wのインバーターは自身がつかう電力も大きいので、24h回しっぱなしだと厳しいような気がします。 足りなければ足りない箇所を補う形で、増設していく他ないと思いますよ。
- なん2020年5月31日 10:35 AM スクーターのバッテリー交換を考えています、純正規格は12V3,5ahです、それよりも安価なものにしたいとおもい、12v3,0ahのものでは、何か不都合があるのですか?アドバイスがあればよろしくお願いします
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