. 11羽 フーリエ変換 - 工業大学生ももやまのうさぎ塾 (Momousagi Academy)
11羽 フーリエ変換 - 工業大学生ももやまのうさぎ塾 (Momousagi Academy)
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うさぎでもわかる信号処理・制御工学 第11羽 フーリエ変換

フーリエ変換の公式を、オイラーの公式を用いて分解してみましょう。\[\beginF ( \omega ) & = \int^_ f(t) e^\ dt\\ & = \int^_ f(t) ( \cos \omega t - i \sin \omega t )\ dt\\ & = \int^_ f(t) \cos \omega t \ dt - i \int^_ f(t) \sin \omega t \ dt\end\]

ここで、\( \cos \omega t \) は偶関数、\( \sin \omega t \) は奇関数になりますね。

(1) \( f(t) \) が偶関数のとき

\( f(t) \) が偶関数のとき、\( f(t) \cos \omega t \), \( f(t) \sin \omega t \) が偶関数、奇関数になるかは下のようになりますね。

  • \( f(t) \cos \omega t \) は (偶関数) × (偶関数) より偶関数
  • \( f(t) \sin \omega t \) は (偶関数) × (奇関数) より奇関数

ここで、ある関数 \( f(x) \) が奇関数のときは、\[\int^_ f(x) \ dx = 0\]となり、\( f(x) \) が偶関数のときは\[\int^_ f(x) \ dx = 2 \int^_ f(x) \ dx\]でしたね。

このように \( f(t) \) が偶関数のときは、 フーリエ余弦変換 による計算でもフーリエ変換を計算することができます。

(2) \( f(t) \) が奇関数のとき

\( f(t) \) が奇関数のとき、\( f(t) \cos \omega t \), \( f(t) \sin \omega t \) が偶関数、奇関数になるかは下のようになりますね。

  • \( f(t) \cos \omega t \) は (奇関数) × (偶関数) より奇関数
  • \( f(t) \sin \omega t \) は (奇関数) × (奇関数) より偶関数

このように \( f(t) \) が偶関数のときは、 フーリエ余弦変換 による計算でもフーリエ変換を計算することができます。

次の関数 \( f(t) \) のフーリエ変換 \( F( \omega ) \) を(1), (2)の誘導に従って解きなさい。\[\beginf(t) = \left\< \begin t \ & ( - \pi \leqq t \leqq \pi ) \\0 \ & ( それ以外 )\end\right.\end\]

(1) \( f(t) \) は偶関数、奇関数のどちらか。(2) \( f(t) \) をフーリエ余弦変換、フーリエ正弦変換のいずれかを用いてフーリエ変換 \( F ( \omega ) \) を計算しなさい。

図を書くと、原点対称になっていることがわかる。つまり、\( f(t) = - f(-t) \) が成立しているので、\( f(t) \) は奇関数である。

5. フーリエ変換で成り立つ5つの法則

※ ここでは \( f(t) \) のフーリエ変換を \( \mathcal [ f(t) ] \) と書くことにしましょう。

(1) 線形の性質

積分計算と同じように、 定数倍、足し算引き算を分離することができる という法則です。

(a) 足し算、引き算の分離が可能\[\mathcal [ f(t) + g(t) ] = \mathcal [ f(t) ] + \mathcal [ g(t) ]\]

(b) 定数倍の分離も可能\[\mathcal [ k f(t) ] = k \mathcal [ f(t) ]\]

(a), (b) 合わせて参考書では以下のように書かれることがほとんど。\[\mathcal [ a \ f(t) + b \ g(t) ] = a \mathcal [ f(t) ] + b \mathcal [ g(t) ]\]

[仕組み]

フーリエ逆変換と線形の法則

フーリエ逆変換の場合でも線形の法則は成り立つ。\[\mathcal^ [ a \ F( \omega ) + b \ G( \omega ) ] = a \mathcal^ [ F( \omega )] + b \mathcal^ [ G( \omega ) ]\]

※ \( F ( \omega) \) のフーリエ逆変換を \( \mathcal^ [ F ( \omega ) ] \) と記した

(2) 微分の性質

次に、フーリエ変換元の関数 \( f(t) \) を \( t \) で微分すると、変換先 \( F ( \omega ) \) がどのようになるかを見ていきましょう。

\[\mathcal \left[ \frac f(t) \right] = i \omega \ \mathcal [ f(t) ]\]※ \( t \to \pm \infty \) のときに \( f(t) \to 0 \) になることを仮定

[仕組み]

\( t \to \pm \infty \) のときに \( f(t) \to 0 \) に収束することを仮定します。すると、\[\begin\frac f(t) & = \frac \left( \int^_ F ( \omega ) e^ t> \ d \omega \right)\\ & = \textcolor F ( \omega ) e^ < i \omega t>\ d \omega\\ & = i \omega f(t)\end\]より、\[\mathcal \left[ \frac f(t) \right] = i \omega \ \mathcal [ f(t) ]\]となる。

(3) 移動の性質

\( t \) を定数 \( a \) だけシフトさせるとフーリエ変換がどのようになるかを確認しましょう。

[仕組み]

途中で \( x = t-a \) と置換積分します。(積分範囲は変化なし、また \( dx = dt \) となる。)

(4) 相似の性質

[仕組み]

(i) \( k > 0 \) のとき

(i), (ii) をまとめると、\[\mathcal [ f(kt) ] = \frac F \left( \frac< \omega > < k >\right)\]となる。

(5) 共役の性質

フーリエ変換後の関数 \( F( \omega \) \) の \( \omega \) の正負を入れ替えると \( F( \omega \) \) の共役複素数となります。

※ \( \overline < F ( - \omega ) >\) は \( F ( - \omega ) \) の共役複素数

[仕組み]

\( F ( \omega ) \) と \( F ( - \omega ) \) のフーリエ逆変換をそれぞれ計算します。

となり、たしかに \( F ( \omega ) \) と \( F ( - \omega ) \) は共役の関係になっていますね。

うさぎでもわかる微分方程式 Part14 ラプラス変換のいろは 今回は、うさぎでもわかるようにラプラス変換、逆変換とはどんなものなのか、ラプラス変換の重要な放送、ラプラス変換の公式の導

6. 練習問題

★問題★ 練習1

次の関数 \( f(t) \) のフーリエ変換 \( F( \omega ) \) を求めなさい。\[\beginf(t) = \left\< \begin1 \ & ( 0 \leqq t \leqq a ) \\0 \ & ( それ以外 )\end\right.\end\]

練習2

(1) フーリエ正弦変換、フーリエ余弦変換の性質を使わずに解きなさい。(2) フーリエ正弦変換、フーリエ余弦変換のうち、適切な方を使ってフーリエ変換を求めなさい。

★解答★ 解答1 解答2

(1) 普通に計算

おとなしくフーリエ変換の公式に入れましょう。積分の式が2つになるのが少し大変かもしれません。\[\beginF ( \omega ) & = \int^_ e^ e^ \ dt + \int^_ e^ e^ \ dt\end\] の計算をすればOK。

(2) フーリエ余弦変換 or 正弦変換の使用

図を書くと、y軸対称になっていることがわかる。つまり、\( f(t) = f(-t) \) が成立しているので、\( f(t) \) は偶関数である。

7. さいごに

注釈 ↑ 1 常に心拍数が一定(例えば60)なんて人はいませんよね。仮にいたとしたらそれ機械人間ですよ笑。 ↑ 2 \( \cos \omega R + i \sin \omega R \) は必ず有限の値になる。 公開日: 2021年7月11日 更新日: 2021年12月12日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 うさぎでもわかる解析 Part02 逆三角関数 うさぎでもわかる制御工学 第08羽 動的システム(後編) 周波数特性とボード線図 うさぎでもわかる線形代数 第10羽 グラムシュミットの直交化法・直交行列 うさぎでもわかる線形代数 応用編第6羽 シルベスターの判定法(正定値・半正定値の判定) 【基本情報対策】うさぎでもわかるソフトウェア工学 Part09 モジュール分割とモジュール独立度(強度、結合度) うさぎでもわかる場合の数 順列と組み合わせの違い うさぎでもわかる線形代数 第08羽 部分空間その1(解空間・生成系の次元、基底) うさぎでもわかるP vs NP問題(NP完全、NP困難の違い) うさぎでもわかる信号処理・制御工学 第10羽 複素フーリエ級数変換 3時間で復習! 1年前期解析学総まとめ (微分編)

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