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9番「合唱付き」名盤試聴記 アーカイブ - クラシック名盤試聴記
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」

★★★★★ 一楽章、1985年のライブよりも激しい演奏を予感させる冒頭です。表現もこちらの演奏の方が積極的で大胆です。 金管の咆哮もあり。他の楽器の表情も豊か。ティンパニのロールのクレッシェンドも、他の楽器とともにうねるようにすごい起伏をともなって迫ってきます。こんなに大暴れの第九の一楽章は初めてです。 テンポも動きますが、演奏全体を支配しているスピード感が凄い演奏です。正直、1985年のライブはテンシュテットの普段の演奏からすると大人しいと思っていたんですよ。 この演奏は火を噴くようなテンシュテットの面目躍如の豪快な演奏です。

四楽章、うわぁ!もの凄く激しい。テンシュテットは癌から一時復帰して何かあったのだろうか。 この凄さは尋常ではありません。でもLpoも必死に喰らい付いています。とても美しい部分も聴かせてくれます。歓喜の歌のメロディをトランペットが高らかに歌い上げます。 ティンパニも1985年のライブよりもかなり硬いマレットで叩きつけます。独唱が入る前も猛烈でした。 独唱も堂々としていてすばらしい!合唱も含めて、すばらしい集中力で一体になって音楽が押し寄せてきます。 高らかに歌い上げる「歓喜の歌!」感動して涙が出そうになります。いや、CDを聴いて涙を流したのは初めてです。 これだけ心を揺さぶられる演奏は初めてです。 猛烈なクライマックスでした。聴衆の狂乱ぶりも納得の演奏です。

クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★★ 一楽章、1991年のライブでは角が立ったような出だしでしたが、ゆったり風格さえ感じられるような演奏です。やはりテンポは動きます。 この録音も綺麗な音で録れています。ティンパニが積極的なクレッシェンドをします。 この頃になるとロンドンpoもテンシュテットと音楽が出来ることを心から喜んでいたのでしょう。 オケが献身的とさえ思える積極的な演奏をしています。木管の旋律の裏にいる金管もしっかり聞こえます。1991年のライブほど攻撃的な感じはありませんが、それでもすごくオケを鳴らしています。 ティンパニのクレッシェンドと金管の咆哮も凄い!テンシュテットの面目躍如という演奏です。 これだけ激しい演奏をしていながら、アンサンブルが乱れないロンドンpoも凄いと思います。 ホルンの咆哮が凄いです。こんなにホルンのパートに音が書かれているのかと感嘆してしまいました。やはりすごく攻撃的で強烈な演奏です。激しい本当に激しい!

三楽章、非常に遅いテンポではじまりました。この一年で何があったのでしょう。癌の放射線治療を受けながらの演奏活動だったので、内面ではいろんな感情が渦巻いていたことでしょう。 それが、こんなにゆったりと味わい深い音楽をさせることになったのでしょうか。ホルンのソロが独特の表現でした。この楽章でも金管の咆哮、何よりもティンパニの強打が強烈です。 それでも1991年のライブとは何かが違う。咆哮や強打があっても、また穏やかな表情を見せてくれます。

四楽章、ティンパニはこの演奏は特別です。トランペットが高らかに歓喜の歌を歌い上げます。 力強い独唱。合唱も入っての歓喜の歌の前に大きくテンポを落としてから歌に入りました。合いの手に入るトランペットも高らかです。 とにかくティンパニが音楽を積極的に引っ張ります。狂気と言う点では1991年盤の方が上かもしれませんが、激しさと穏やかさの両面を持っているのはこのCDです。 どちらも甲乙付けがたい名盤です。 私は元々テンシュテット・ファンですが、聞き込むほどにその気持ちが増してきました。

朝比奈 隆/新日本フィルハーモニー管弦楽団

一楽章、ゆったりと、堂々とした足取りで、自信に満ち溢れている演奏。 しっかり地に足が着いた堅実な演奏で、落ち着いて聴くことができる風格さえも感じます。 ティパニは楽譜が書かれている音符の数を正確に叩いているようで、ロールをしている感じではありません。 非常に丁寧に演奏されていて好感が持てる演奏ですし、何よりも優しさが溢れている。

二楽章、ここも他の指揮者で聴く演奏より遅めです。ライブ収録なので、繊細な音は聴けませんが、分厚い響きでもないので、すっきり見通しの良い演奏です。 ティンパニは控えめで、音楽全体も控えめな印象でむやみやたらとffを爆発させるような演奏にはなっていません。とても紳士的で品を感じます。華美にならないところがとても良いです。 田舎の頑固親父が誠実に音楽をしているようで、とても嬉しくなります。

三楽章、この楽章もゆったりとした足取りで、冒頭から豊かさを感じます。とても自然な音楽の流れに身をゆだねるようで、心地よい演奏です。朝比奈の音楽に対する愛情が満ち溢れています。これだけ音楽に真摯な態度で接し続けた音楽家も数少ないでしょう。そういう意味では、朝比奈は日本のクラシック音楽界の宝でしたね。 そして、朝比奈と一緒に音楽を作り上げていく新日本フィルの演奏も世界のどこへ出しても恥ずかしくない演奏水準です。本当にすばらしい音楽を聴かせてくれて同じ日本人としても嬉しいです。 ずっと、この美しい音楽の揺り篭に揺られていたい気分になります。

四楽章、決して分厚く豪快に激しく鳴らすような演奏ではありません。ここでも、比較的遅めのテンポを取ります。肥大化してグラマラスな演奏は、もしかしたらベートーベン本来の姿では無いのかもしれません。 そう思わせるくらい一本筋が通っている演奏です。 ティンパニがポンポンと言う音で、時に演奏から浮いて聞こえることがあるのですが、打楽器は特に生で聞こえる音と、録音では違うので、生で聴いた人には、全く違和感は無かったのでしょう。 独唱は適度な距離感がありライブ感があります。 本当に堂々とした足取りで、何も誇張することなく、ベートーベンが書いたスコアを信じきって、楽譜に語らせている演奏です。 プレスティシモからも猛烈なテンポにはなりません、最後にわずかにアッチェレランドでした。

パーヴォ・ヤルヴィ/ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団 ラファエル・クーベリック/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 ルネ・レイボヴィツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」2

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★☆ 一楽章、凄い弱音からffまで冒頭から凄い振幅を聴かせます。オケが気持ちよく鳴っています。テンシュテットのライブ録音で美しい音がしていると感じることはほとんど無いのですが、この録音は美しいです。 マーラーの演奏では、ものすごくテンポを動かすテンシュテットですが、このベートーベンではマーラーの時ほどではないような感じがします。 木管の旋律の受け渡しが美しい、弦楽器も美しい。ホルンも美しい!そして、ティンパニの激しいクレッシェンドもあります。でもここのティンパニはスウィトナーのベルリン・シュターツカペレの方が硬質のマレットを使っているので、激しく聞こえます。 演奏が進むにつれてボルテージも上がってきたようです。かなり熱っぽい終わり方でした。

四楽章、アタッカで入るこの楽章は一転して激しい演奏です。いわゆる歓びの歌のメロディを繰り返しながら少しずつテンポが速くなりますが、ここもマタチッチやフルトヴェングラーほど速くはならず、適度な感じでした。独唱が入る前のffも強烈でした。 独唱は適度な位置にいます。堂々とした演奏です。壮大な頂点を築き上げます。このあたりはさすがです。スケールの大きい演奏という観点からすると最右翼の演奏ではないかと思います。 プレスティシモはかなり速いです。さらに若干のアッチェレランド。終わってみれば見事な演奏でした。

カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

一楽章、ゆっくりとしたテンポですが、音楽の振幅は十分にあります。美しい演奏です。 おそらく、ベームとのステージが今後多くはないことを感じ取っている、ウィーンpoのメンバーがベームをサポートしながら音楽を作り上げようとしているような、集中力を感じます。 音楽の足取りはしっかりしていて、力強いです。晩年、弛緩した演奏をかなり残してしまったベームですが、この演奏にはウィーンpoのメンバーの思い入れがひしひしと伝わってきます。 木管のソロの美しさや弦楽器の音の勢いなど、さすがです。

三楽章、ヴィブラートをかけた弦が非常に美しいです。ウィーンpoの良さを存分に聞かせてくれます。朝比奈の演奏よりも、速めのテンポを取っており、ここまではベームの不自由さは全く感じさせません。 とても艶やかな弦や深い響きの木管、ホルンも含めて十分に歌っています。 不自由でも作品に込められた意志を表現しようとしています。

四楽章、表情豊かで雄弁です。歓喜の歌が連続する部分では、もう少しテンポを煽って欲しい気もしましたが、ベームの意志なのでしょう。 超一線級のソリストの独唱は圧巻です。 マーチの前のフェルマーターのティンパニは楽譜通りでした。 マーチはかなり遅いテンポで、独唱を十分聞かせます。壮大な合唱。ベームの巨大さ!感動です。 テンシュテットの狂気のような第九とはまた別の名演だと思います。 また、朝比奈の自然体とも違います。テンポ設定は近いところはありますが、ベームには朝比奈とは違う強い意志が働いています。朝比奈の自然体を貫き通す強い意志もすばらしかったし、ベームの音楽を通してメッセージを伝えようとする強い意志にも大変感銘を受けます。

ベルナルド・ハイティンク/ヨーロッパ室内管弦楽団 小澤 征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」3

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

オトマール・スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ

★★★★ 一楽章、正統派同士の組み合わせで聞く「第九」繊細で美しい演奏です。流れが停滞することなく音楽が泉のようにわきあがってくるような自然さで、音楽に身をゆだねることができる、すばらしい演奏です。 ティンパニのロールはもの凄く激しい。端整な演奏の中に時折見せる激しさも音楽の流れを壊すようなことは決してありません。激しさも美しい音楽の流れの中にあります。 どっしり構えたテンポで堂々と音楽が進みます。自信にあふれた足取りです。

ズービン・メータ/ニューユーク・フィルハーモニック

一楽章、かなりダイナミックな演奏を予感させる冒頭部分です。アンサンブルも整っているし美しい音だし、ホールに響く残響も綺麗です。 オケの集中力も高いようです。音の密度も高いし、音が集まってきています。 テンポの動きもあるし、ティンパニのロールも激しい。かなり劇的な演奏をしようとしているように感じます。

四楽章、コントラバスも含めた弦合奏の厚みと木管のアンサンブルの軽快さのコントラストが良いです。 弦合奏がコントラバスの存在感が大きく厚み十分です。 1983年の録音ですから、メータはまだ中堅どころの年齢だと思いますが、かなり重心の低い堂々とした演奏です。 マーチに入る前のフェルマーターにはティンパニにのみデクレッシェンドが書かれているのですが、この演奏は楽譜通りティンパニのみデクレッシェンドしました。

カルロ・マリア・ジュリーニ/シュトゥットガルト放送交響楽団

★★★★ 一楽章、ノイズが散見される録音ですが、音は生々しく捉えられています。 ミラノ・スカラ座poとの録音は音楽が停滞しているかのような遅さを感じたのですが、この演奏は力に満ち溢れていてすばらしいです。ただ、ノイズと音飛びが・・・・・・(T T) 木管のアンサンブルも生き生きして歌も十分です。 ジュリーニの表現も劇的ですごい気迫で迫ってきます。

セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」4

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

朝比奈 隆/大阪フィルハーモニー管弦楽団

★★★☆ 一楽章、朝比奈のベートーヴェンに共通する、どっしりと構えた安定感のあるテンポで音楽が進みます。 新日本poとのライブに比べると残響成分が少ないので、各パートの動きが克明で、微妙な表情も伝わってきます。 朝比奈も晩年の演奏ではありますが、音楽が弛緩しないところがすばらしい。 音楽自体は淡々と進んで行きます。自然体はここでも貫かれていて、仕掛けなどは一切ありません。

オイゲン・ヨッフム/ロンドン交響楽団

四楽章、丁寧な開始でした。ロンドンsoからかなり良い響きを引き出しています。ただ、同じように正面突破だったスゥイトナーと比べるとシターツカペレ・ベルリンの古風で透明感のある響きが演奏の価値をすごく高める役割を果たしたと思うのですが、ロンドンsoはその点では極めて現代的で高性能なオーケストラなので、ヨッフムの良さを伝えきれないところがあります。 オケと合唱のズレが若干ありました。二楽章にも少しアンサンブルの乱れはありました。 マーチのファゴットの音が異常に短い。ブルックナー指揮者としても高名なヨッフムですが、この演奏には、スケールの大きさはあまり感じられません。

カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団1972

★★★☆ 一楽章、シルキーで滑らかな演奏で、美しいのですが、音楽の勢いのようなものは乏しい感じで、BGM的に流れてしまいそうな冒頭部分です。 同時期のスタジオ録音でも「英雄」はもう少し前へ行く力強さがあったのですが、この演奏は音楽がその場にとどまっています。 それでも、ベームとウィーンpoの組み合わせですから、模範演奏のような安定感は抜群です。奇抜なことが起こることは有り得ません。あくまでも王道を行く演奏なので、初めてCDを買うのには良いかもしれません。

四楽章、王道と言えば、まさにそのような演奏なのですが、何も起こらないので・・・・・・。 少しテンポを落とした壮大な合唱です。 最後の追い込みもなかなか良かったですが、十分リハーサルしたアッチェレランドで、即興性がないので、聞く側を引き込むような演奏にはなりません。

カルロ・マリア・ジュリーニ/RAI国立交響楽団 ジョージ・セル/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」5

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

ロヴロ・フォン・マタチッチ/NHK交響楽団

四楽章、激しい演奏です。弦は美しいです。金管とティンパニのアンサンブルが少し崩れているように感じる部分もあります。 テンポはよく動きます。これ以上速くなったら滑稽に聞こえそうな一歩手前のような部分さえあります。 独唱はかなり近い位置にいます。独唱も朝比奈の1988年のソリストから比べると70年代前半は発音なども含めて厳しいところがあります。 合唱も朝比奈の晋友会合唱団に比べると国立音大では厳しいです。あまり伸びのない合唱には遠慮なくトランペットが突撃してきます。これはかえって気持ちが良いです。

ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団

★★★ 一楽章、速い出だし、ゴリゴリしたタイプではありません。振幅が大きいこともありません。 録音年代の録音技術の問題もあるのでしょうが、響きの厚さはあまりありません。 音の輪郭がクッキリしている演奏ではない分、暖かみを感じる演奏です。穏やかな雰囲気を持っています。 ティンパニのロールは極端なクレッシェンドをすることなく、節度ある演奏です。

二楽章、模範演奏を聴いているような安定感。突出することがないので安心です。 ただ、このまま最後まで行ってしまうと、不満が残りそうです。 でも、余分な力が抜けた良い演奏であることは間違いないです。フルトヴェングラーの破天荒な演奏とは違った癒される音楽です。

四楽章、ここまでの演奏に比べると激しい、ホルンの咆哮も気持ちが良い!ただ、ここまでの演奏に比べると、と言うことであって、テンシュテットの1991年ライブの激しさから見れば、紳士的な演奏です。 ワルターの演奏は、安定感があり、王道を行くような演奏で、録音された当時にすれば、名演奏だったのだと思うのですが、これだけ多くの演奏を聴く事ができる今となっては、少し影が薄くなっていることは否めないと思います。 奇をてらうようなことは一切ない、作品に正対した真摯な演奏は十分評価すべきでしょう。 ゴツンと来るところはなく流麗な音楽です。 合唱は美しいです。録音は若干歪みっぽいところもあります。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★ 一楽章、1970年代の録音です。カラヤンは1980年代になると、マイヤー問題や自身の衰えなどあまり良い演奏を残していないように思います。 はつらつとした演奏で、生命感に溢れた演奏です。 厚化粧のカラヤン臭さのようなものはあまり感じませんが、むしろあっさりしていて、ベートーヴェンの内面に切り込むようなところがありません。 カラヤンはベートーヴェンの作品にはあまり共感していなかったのでしょうか。

ジョルジュ・プレートル/ウィーン交響楽団

四楽章、この楽章もかなり抑制されています。長いフレーズ感が音楽の流れを作ってとても良いです。 静かで流れの良い演奏は、これまでの「合唱」の演奏としては異色の存在です。 テンポはよく動きますがプレートル終始冷静な感じがします。

レナード・バーンスタイン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★ 一楽章、独特の間があります。ライブならではの呼吸感でしょうか。 最晩年の演奏では、作曲家よりもバーンスタインの個性の方が前面に出た、ある意味ではアクの強い演奏をしましたが、この時代の演奏は、まだまだ大人しいです。 何事無く進んでいたかと思うと、ティンパニのロールの部分からトランペットの吹き伸ばしが強く入って、ティンパニのクレッシェンドも激しいものでした。 その後はまた何も無かったかのように、平静を保っています。

二楽章、ここまで、あまりバーンスタインの個性を感じるような演奏とは思えません。ウィーンpoの常識的な演奏の範囲に思えます。 ウィーンpoが最低限保証してくれる演奏をしているだけで、バーンスタインはただ棒を振っているだけなのではないかと思うほど、個性や主張を感じない演奏です。 ウィーンpoの場合、ベートーベンなどのウィーンpoとゆかりの深い作曲家の作品の場合は、誰が振っても、ある程度はウィーンpoの音楽になってしまう部分はあるとは思いますが、この演奏はまさにそんな感じです。

三楽章、この楽章は一転して、ものすごくテンポを落としての演奏です。 表現を意図的に平板にしているような感じがします。晩年はこれに歌いまわしまで濃厚になってコテコテになって行きましたが、この演奏は良いところで踏みとどまっていると思います。 表現を平板にすることによって、かえって音楽の持つ優しさを上手く引き出しています。 押し付けがましいところがなくて良いです。そして、いつのまにか中庸のテンポになっていました。 トランペットのファンファーレはほとんど聞こえませんでした。それと独特の節回しもありました。どういう意味や効果があるのかは分かりません。

四楽章、弦楽器の胴が豊かに鳴っています。トランペットの扱いがとても変わっていて、すごく抑えて演奏したり、四分音符を短く演奏したり。バーンスタインの意図するところが理解できません。スコアの深いところを読み解いているのかもしれませんが、私のような素人にはさっぱり分かりません。 独唱は残響を伴って美しい歌唱です。合唱は非常に人数が少ないような印象を受けました。 これから聴き進めばそれなりの音量を出すのか? マーチの前のフェルマーターは長かった。ティンパニがデクレッシェンドするのに対して合唱をクレッシェンドさせました。これは良い効果です。 明らかに男声合唱の人数が不足していると思います。この男声合唱の声に合わせて、オケの音量も抑えているような、何か解放感に乏しい演奏のように感じます。 女声合唱は歪みっぽい録音になっています。

デヴィッド・ジンマン/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

★★★ 一楽章、速いテンポで音を短めに演奏します。スタッカートを強調するような演奏で、音楽が弾みます。 従来のイメージかせする重厚な演奏とは程遠い軽快な演奏です。リズムの最初を強く、後へ行くに従って力を抜いていく奏法も特徴的です。 ジンマンの指揮に敏感に反応するオケも素晴らしいです。表情がとても豊かな演奏です。

三楽章、速い演奏に慣らされてしまったのか、普通に聴ける演奏です。 ただ、リズムの処理は相変わらず独特です。アクセントを付けて短めに演奏される音が多いです。 美しい演奏ですが、天国的とは違う感覚です。とても現実的な音楽のように感じます。 せせこましくいろんな楽器が動き回る感じの演奏で、せわしない音楽です。

四楽章、軽い冒頭でした。独唱は編成に合わせてムリをせずに適度な音量で聴きやすいです。 合唱もすごく人数が少ないようです。 マーチはすごく速いです。しかもシンバルの音が変です。 合唱が入る、歓喜の歌も速い!また、盛り上がりもありません。単なる通過点のようでした。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1979年普門館ライヴ

四楽章、冒頭の荒々しい表現。自然に流れて行くようですが、細かな表現が細部にわたって付けられていて、さすがにカラヤンとの絶頂期を迎えたベルリンpoの演奏は凄いと感じさせます。この楽章も速めのテンポで進みます。独唱も伸びやかです。歓喜の合唱も速いテンポで一気に歌い上げられますが合唱が入ると歪がひどくて何をしているのか分からなくなります。Allegro ma non tantoはこの曲の中ではゆっくりとしたテンポの演奏でした。Prestissimoは歪を伴うので、猛烈な印象になります。

チョン・ミョンフン/ソウル・フィルハーモニー管弦楽団 朝比奈 隆/大阪フィルハーモニー交響楽団 マリス・ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」6

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

サー・ゲオルク・ショルティ/シカゴ交響楽団

二楽章、締まった音のティンパニもいつも通り。と言うかショルティのCDではティンパニはこの音しかないです。ベートーベンであろうが、マーラーであろうが、ストラヴィンスキーであろうが、全く同じ音です。 カラヤンの演奏にも味わいがなかったですが、この演奏も全く味わいはありません。 ただ、オケの完璧さと言う点ではカラヤンと共通するところがあります。

グスタフ・クーン/ボルツァーノ・トレント・ハイドン管弦楽団 シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団

★★ 一楽章、遅いのか、テンポがかなり変わっているのか、たどたどしいような感じさえ受けてしまう冒頭です。途中から落ち着いてきたようです。 冒頭部分はフルトヴェングラーが意図したテンポの動きだったのか?「振ると面食らう」と言われるほど、分かりにくい指揮で有名だったフルトヴェングラー。もしかしたらオケのメンバーが面食らってあんなたどたどしい冒頭になったのではと思うのは私だけです。 やはりテンポは動きます。

四楽章、この楽章もテンポは楽譜を無視しているかのように動きます。またトランペットが強く長めに吹く部分が印象的です。 独唱陣はN響の73年のメンバーより上手いです。 ただ、オケは低音が遅れたり、いろいろあります。 プレスティシモからは猛烈なアッチェレランドでその上録音も悪いので、オケが付いていけているのかシンバルにかき消されて分かりません。

ヨーゼフ・クリップス/ロンドン交響楽団

★★ 一楽章、全曲に共通したまろやかな響きの演奏です。 わずかにテンポを煽るようなスピード感もあります。爽やかに整った演奏です。 ひっかかる部分が無く滑らかに音楽が進みます。

四楽章、非常に大人しく控え目な出だしでした。すごく小さい編成で演奏しているような錯覚に陥ります。 合唱も控え目です。とても抑制の効いた演奏です。 リミッターがかかったようにffが抑えられるので、とても品の良い演奏に聞こえますが、欲求不満にもなりそうです。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

四楽章、冒頭の金管も低弦のレチタティーヴォも激しいです。低弦の歓喜の主題もテンポは速めです。金管の歓喜の主題は響きが浅いです。合唱も奥行き感が無く浅い響きになっています。Alla marcia Allegro assai vivaceの前のフェルマーターのティンパニにデクレッシェンドが書かれていますが、大きいままでした。テンポが速く力強い歓喜の合唱ですが、深く踏み込んだ表現は無く、軽い印象の演奏です。Prestissimoは割と落ち着いています。最後はアッチェレランドして終わりました。

イーゴリ・マルケヴィチ/ラムルー管弦楽団 ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団 エマニュエル・クリヴィヌ/ラ・シャンブル・フィルハーモニク

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」7

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」名盤試聴記

ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 リッカルド・ムーティ/ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 レイモンド・レッパード/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

★ 一楽章、注意深いで出しでした。作品への思いを伝えようとしているのが分かります。 カラヤンの演奏が、ただ音を並べただけのような演奏だっただけに、この演奏が何かをしようとしているのが、好感が持てます。 伸びやかな良い録音ですが、音の密度が薄い。何かを伝えようと指揮者はしていますが、オケを奮い立たせるまでには至っていないような感じがします。 やはり演奏がどことなく緩いです。 カラヤンが音を並べただけと書きましたが、音楽は一瞬たりとも弛緩しませんでしたし、オケを完璧にコントロールしていましたから、カラヤンの演奏に比べると、指揮者の格の違いが如実に出てしまいます。 最初は期待したのですが、やはり音楽が弛緩してしまっています。聞き手をグッと引き寄せる力がありません。

二楽章、かなりレベルの高いアマオケが練習しているような、タイミング合わせのような感じです。 この全集は指揮者もいろいろなので、統一感がないのは仕方がありませんが、「英雄」ではそんなに悪くは感じなかったのですが・・・・・・。 ティンパニがミュートしすぎたような音で、釜の音がしていません。枕でも叩いたような音です。

三楽章、奏者の気持ちが一点に集中していないので、音が寄ってきません。散漫な音がしています。 テンポも動くのですが、動かす必然性を感じないです。木管楽器のブレスも音楽を途切れさせても平気なような雑さが気になります。 テンポは速めにすすみます。これ以上遅くすると、収拾がつかなくなるのでしょう。

エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団 ケント・ナガノ/ベルリン・ドイツ交響楽団 マクシミアンノ・コブラ(指)ヨーロッパ・フィルハーモニア・ブダペスト管& Cho ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

一楽章、チリチリとノイズに混じって、遠くに音楽が聞こえる感じです。 テンポは冒頭からかなり動きます。オケが近付いたり遠のいたりするような変な感覚なのですが・・・・・・。 ティンパニのクレッシェンドはかなり激しくやっているようなのですが、私には雑音としか思えない。 テンポの動きはすごくあるので、現場にいた人にとっては、もの凄く劇的な演奏であったと想像はできるのですが、私自身があたかもそこにいたかのような体験は残念ながらできません。 ティンパニのffがあると、ほとんどティンパニしか聞こえないのです。私の耳には・・・・・・。

カール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

二楽章、かなり古めかしい音ですが、音が左右行ったり来たりは減ってきました。ブツッと言う何かのジャックを差し込むような音がしてから、音質が少し良くなった気がします。 あ、やっぱりダメだ! 木管の綺麗なタンギングが揃った音やティンパニの良い音もところどころ聴けますが、ほとんど霧の中です。 音が良くなったり悪くなったり・・・・・・・。

全体に速いテンポで押し通した演奏で、80年の録音とは全く違う演奏だったと思います。 後でナレーションが入ったので、FMのエアチェックだったのですね。 かなり電波の状態が悪かったのか・・・・・・。

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