. 8) – ダフト・パンク/ジャスティス/KITSUNÉ | MUSIC & PARTIES #034 – DIG TOKYO
8) – ダフト・パンク/ジャスティス/KITSUNÉ | MUSIC & PARTIES #034 – DIG TOKYO
8) – ダフト・パンク/ジャスティス/KITSUNÉ | MUSIC & PARTIES #034 – DIG TOKYO

Без кейворда

前回MUSIC & PARTIES #033では、90年代のドイツから生まれたエレクトロニック・ダンス・ミュージックを紹介しました。

2. “フレンチ・タッチ"とダフト・パンク

96年ごろにパリのゲイ・クラブ「クイーン」において、フランス産のハウスにスポットライトを当てた「Respect」というクラブ・イヴェントがスタートしました。第1回目を含め、このパーティーに合計6回出演したのがダフト・パンクというデュオでした。当時のダフト・パンクは、ダウンテンポなエレクトロニック・ミュージックを作っていたやはり2人組のエールとともに、英国のヴァージン・レコードと契約を結んだばかりでした。ダフト・パンクとエールは、フランスだけでなく英国や米国でも人気が出始め、フレンチ・タッチのシーンに世界から注目が集まるようになります。フレンチ・タッチのプロデューサーたちはディスコやファンク・サウンドにより磨きをかけるようになります。1998年にはこのシーンから国境を越えて世界的にヒットした2曲が出ます。カシアスというデュオの『1999』(プリンスの『1999』とは全く別の曲)とスターダストの『Music Sounds Better With You』という曲です。前者はヴァージン・レコードがリリースしました。後者はダフト・パンクのメンバーの1人であるトーマ・バンガルテルが手がけていたレイベル「ルール」からリリースされ、アメリカのビルボード・シングルズ・チャートで69位を獲得します。『Music Sounds Better With You』のミュージック・ヴィデオはフランスの映像作家/映画監督のミシェル・ゴンドリーが手がけました。

ダフト・パンクのギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルは、高校の時に出会い、92年にパンク・ロックのバンド「ダーリン」を結成しました。ダーリンは何曲かをリリースし、いくつかのライヴ演奏を経て解散しますが、英国の音楽雑誌『メロディー・メイカー』は、彼らのサウンドを“a daft punky thrash"(間抜けなパンク気取りのうるさいロック)と酷評しました。これを受けて、オメン=クリストとバンガルテルは「ダフト・パンク」というデュオを組むことにしました。

1997年のデビュー・アルバム『ホームワーク』で、ダフト・パンクはいきなりブレイクします。ディスコ・サウンドとビッグ・ビードのノリノリ感を融合させた本作は、フレンチ・ハウスの世界的な人気の火付け役ともなりました。特にミシェル・ゴンドリーが監督した『Around the World』のミュージック・ヴィデオは、様々な楽器とシンクロしたダンスが秀逸です。ギター・サウンドや、ヴォーコーダーを使って生み出された“ロボット・ヴォイス"は、ダフト・パンクのトレイドマークとなりました

ダフト・パンク2枚目のオリジナル・アルバムとなった『ディスカバリー』(2001年)は、前作のギター・サウンドをメインとしたスタイルから一転、より70年代や80年代のシンセ・ポップを意識したサウンドに仕上がっています。特にシングル『One More Time』はクラブのみならずメインストリームでもヘヴィー・ローテーションとなり、世界的な大ヒットとなりました。また、本作のミュージック・ヴィデオでは『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』で知られる松本零士とコラボレイションしたことで日本でも大変話題となりました。そのヴィデオは2003年に『インターステラ5555』という長編の“アニメイション・オペラ"としてもリリースされました。

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そのことを最も象徴するのが、フランス出身の「ジャスティス」という2人組です。ジャスティスは2000年代半ばに英国のロック・バンド「シミアン」の曲をリミックスした『We Are Your Friends』という曲でネット上で注目されるようになり、その後エド・バンガーと契約を結びました。この曲のミュージック・ヴィデオは、2006年のMTVヨーロッパ・ミュージック・アウォードで「最優秀ヴィデオ賞」を受賞しました。彼らはブリットニー・スピアーズやN.E.R.Dからファットボーイ・スリムやダフト・パンクなど、ポップ・アーティストからダンス・ミュージックの大物まで幅広い作品のリミックスで世界的にも注目を集めるようになりました。

ジャスティスは、2007年にリリースされたデビュー・アルバム『クロス』で世界的に大ブレイクしました。「オペラ・ディスコ」をコンセプトとした本作は、ロック、ヘヴィ・メタル、ヒップホップ、ポップなどジャンルを超えた数百もの音源から通常のサンプルよりも短かく刻まれた“マイクロサンプル"を用いて制作されています。洗練されたフレンチ・ハウスに敢えてロックの破壊力を取り入れた彼らのサウンドは、エレクトロ・ハウスを代表するものとなりました。マイケル・ジャクソンへのオマージュである『D.A.N.C.E.』やシンセサイザーとストリングズが壮大な雰囲気を醸し出す『Phantom Pt. II』など、本作の収録曲は英国を始めヨーロッパのレイディオでヘヴィー・ローテイションで流されました。 黒い背景に十字架が描かれた特徴的なジャケットは、ダンス・アルバムというよりむしろヘヴィ・メタルを連想させるデザインであることも彼らの音楽の方向性を示しています。

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ベルギー出身の2人組「ソウルワックス」はその代表例です。ソウルワックスは当初オルタナティヴ・ロックのバンドとして90年代半ばに結成されますが、徐々にエレクトロニック・ミュージックの要素が強まり、2000年代以降はシンセ・ポップのサウンドへと方向性を転換していきます。また、2人は「2manyDJs」という別名義でDJとしても活動しており、2002年にリリースされたライヴ・アルバム『As Heard on Radio Soulwax Pt. 2』は世界で50万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。本作はプログレッシヴ・ロック、カントリー・ミュージック、ソウル・ミュージック、ヒップホップ、ニュー・ウェーヴなど、幅広いジャンルの有名な45曲をコラージュのように重ねた“マッシュアップ"アルバムとして有名です。

一方、日本では2006年に「80KIDZ」という2人組のエレクトロ・ユニットが結成されました。2009年にリリースされたデビュー・アルバム『THIS IS MY SHIT』はオリコン・アルバム・チャートで32位を記録しました。日本においてこうしたジャンルの音楽がチャート・インすることはとても珍しいことです。収録曲の『MISS MARS』は日本人のアーティストとして初めてKitsunéのコンピレイション・アルバムにも収録されました。2人はダフト・パンクやジャスティス、2manyDJsなどに習い、DJセットにのみならずバンド形式でライヴ演奏も行うことがあります。公式なアーティスト写真では2人は必ずと言っていいほど手などで顔を隠していますが、この演出もダフト・パンクやエレクトロ・ハウスのパンク・ロック的な精神に習ったものなのでしょう。

また、ジャンルは少し異なりますが、98年にノルウェーで結成された「ロイクソップ」も注目すべきエレクトロニック・ダンス・ミュージックの2人組です。ロイクソップは、日照時間が少ない北欧出身でありながら、バブリーなダウンテンポの作品で知られています。『Happy Up Here』が彼らの代表曲です。

2001年にリリースされたデビュー・アルバム『Melody A.M.』は世界で100万枚以上売り上げ、大ヒットなります。本作はチルアウト・ミュージックの傑作とされています。ロイクソップの実験的で前衛的なミュージック・ヴィデオはMTVでもヘヴィー・ローテイションで流され、『Remind Me』という曲のヴィデオは2002年のMTVヨーロッパ・ミュージック・アウォードで「ベスト・ヴィデオ賞」を受賞しました。また、同曲は自動車の保険会社のCMで使用されたことによってアメリカでも人気がでました。

ロイクソップは、これらの曲以外にも女性ヴォーカルを迎えた曲でも知られており、スウェーデンのポップ・シンガー「ロビン」を迎えた『Do it Again』やノルウェーのシンガー・ソングライター「スザンヌ・サンドフォー」を迎えた『Never Ever』などが話題を呼びました。『Never Ever』のミュージック・ヴィデオでは、ダフト・パンクへのオマージュとしてロボットDJが登場しています。

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MUSIC & PARTIES #026 でディスコ・ミュージックは70年代末に“死んだ"と書きましたが、そのスタイルはハウス・ミュージックに脈々と受け継がれ、ダフト・パンクによって90年代後半からリヴァイヴァル期を迎えることとなりました。こうした流れはポップ界にも及び、2001年にはカイリー・ミノーグが『フィーヴァー』、2005年にはマドンナが『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』という、フレンチ・ハウスの影響が強く現れたダンス・ポップのアルバムを発表しています。

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フレンチ・スタイルのハウスとエレクトロ・ハウス - エレクトロニック・ダンス・ミュージック入門 (8) - ダフト・パンク/ジャスティス/KITSUNÉ

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