ベートーヴェン 交響曲第7番
★★★★★ 一楽章、深々とした響きに魅了されます。朝比奈の演奏を聴いていると、この遅めのテンポ設定が正しいと思えてきます。味わい深い演奏です。 新日本poとの演奏では残響が多く、この曲のリズムがあまり明瞭ではなかったのですが、この録音は比較的デッドなので、細部まで見通せるので、いろんな楽器の動きが分かりやすいです。 それにしても、綺麗な音で鳴っています。ヨーロッパのオケだと言われても誰も疑わないでしょう。 自然な表現で、特に誇張することもないのですが、その自然体がオケに徹底されていて、全員が同じ方向へ向かって演奏しています。すばらしく統率がとれています。
二楽章、スピード感はないけれど、一音一音確かめるように一歩一歩着実に進んで行く音楽にこちらも同期化できます。 まるで、老人と一緒に自然の中を散歩しながら自然の動植物の説明を聞いているような、ほのぼのとした、優しさがあります。 そして、この老人といつかは永遠の別れが来るんだなぁと言う惜別の思いがこみ上げて来る。
四楽章、ここでも、ゆっくり目のテンポをとっていますが、このような速いテンポの楽章であっても、音楽が凶暴化しないところも朝比奈の趣味の良さです。 重戦車が樹木をなぎ倒して進軍するような演奏も可能な楽章ですが、そのようなことは微塵も感じさせません。 これまで、何種類かの演奏を聴いてきましたが、これだけ格調高いベートーヴェンは朝比奈の演奏が最たるものでないかと思います。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1983年ライヴ 小澤征爾/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1982年ライヴ ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1950年ライヴ カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団> ★★★★★ 一楽章、「運命」で感じた猛烈なスピード感は影を潜めて、しっとりとした表情です。 繊細な音の扱い。ウィーンpoがとても透明感の高い締まった音を出しています。 テンポも音楽に合わせて自由に動きますが、作為的な感じはありません。ウィーンpoがクライバーの指揮に献身的な演奏をしているのが伝わってきます。相思相愛だったんでしょう。
クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 パーヴォ・ヤルヴィ/ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団 シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ファンホ・メナ/BBCフィルハーモニック コチシュ・ゾルターン/ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団 2000年ライヴ ベルナルト・ハイティンク/シュターツカペレ・ドレスデン カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団 1986年5月19日 昭和女子大人見記念講堂ベートーヴェン 交響曲第7番2
たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第7番名盤試聴記>/h2>
カール・ベーム/バイエルン放送交響楽団★★★★☆ 一楽章、他の二曲よりも録音年代が古いので、僅かですが、ヒスノイズがあります。 これも一発目のドーンから凄い勢いがあります。カラヤンのライブほど分厚い音ではありませんが、逆にこちらはもの凄く端正な整った音がしています。 硬く締まったティンパニの音もとても良いです。 締まったアンサンブルで骨格も引き締まっているので、透明感も高いし音楽を聴きながらスコアも見せてくれているような演奏です。 音楽が前へ前へと進もうとします。このエネルギー感はどうやって生まれるんだろう? テンポも大きく動きます。木管の優しい旋律ではぐっとテンポを落としたり。決して劇的な演奏を狙っているわけではないと思います。ベームの感性をストレートに表現しているように感じます。
レナード・バーンスタイン/ボストン交響楽団 1990年8月19日ライヴ リッカルド・シャイー/ライブツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1970年6月11日 ムジークフェライン オトマール・スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ★★★★ 一楽章、最初の一音を出すタイミングをオケのメンバー同士が探りあいながら、スウィトナーの棒と駆け引きして、ズォーンという感じの出だし。決してバーンと出ないところが、伝統を感じさせます。 アインザッツが合っていないのかもしれないけれども、逆にこの一音に込められた緊張感がこれから始まる音楽の期待感を盛り上げてくれます。 フルートのソロもオケの音色になじんでいて、伝統あるオケとしての音色の統一感があるし、ブレンドされた響きが何ともいえない味わいを醸し出してくれます。 大げさな表現もありませんし、大きくテンポを動かすような大人気ない演奏はしません。紳士のベートーベンです。 最初にベートーベンを聴く人にはこの全集は絶対お勧めです。正統派でしかも完成度が非常に高いし、オケも美しい。このすばらしい全集を聴いて、他の指揮者の演奏を聴くと、また別の指揮者のすばらしさを聴く事ができると思います。 比較試聴するための原点に据えるには、最適な全集だと思います。
四楽章、スウィトナーがN響に客演していた頃は、変な風体のおっさんが何かやっているとしか思っていませんでした。 それは、当時のN響ではスウィトナーが要求する音楽を楽員たちが消化し切れなかったのでしょう。だから、その当時はテレビやFMで聴いてもさしたる感動もなかった。 でも、この演奏を聴くと本当に王道を行く名指揮者の虚飾のない凝縮された名演奏を聴く事ができます。 すばらしい、大偉業を成し遂げたと思います。
ロヴロ・フォン・マタチッチ/NHK交響楽団★★★★ 一楽章、マタチッチがかなり強力にN響をドライブして行きます。ゴリゴリと戦車が進むような重量感と推進力が凄いです。 1984年の録音ですが、この頃になるとN響も技術水準はかなり高くなっています。 第九の録音は1970年代だったと思いますが、あの当時はマタチッチの音楽をN響が昇華し切れなかったように感じましたが、この演奏はマタチッチの思い描く音楽をかなり再現できていると思います。
デヴィッド・ジンマン/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団★★★★ 一楽章、アタックが強い冒頭。強弱の差がすごく激しい演奏です。 一つ一つの表情に勢いを感じさせる演奏なのが、音楽を生き生きさせているのだと思います。 小編成のメリットを生かした機敏な反応がたまらない良さです。 コントラストがはっきりしていて、ホルンを思いっきり吹かせたいするところなどCD化以降の評価を気にせずに、ジンマンがやりたいことをやった演奏で、最近の没個性の演奏の中にあっては異彩を放っている演奏だと思います。
アンドレ・クリュイタンス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヘルベルト・ブロムシュテット/ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 1978年東京ライヴ ピエール・ブーレーズ/ニューヨーク・フィルハーモニック 1975年ベルリンライヴ マキシミアンノ・コブラ/ブラジル交響楽団ベートーヴェン 交響曲第7番3
たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第7番名盤試聴記
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年東京文化会館ライヴ 朝比奈 隆/新日本フィルハーモニー管弦楽団★★★ 一楽章、8番の時の、自然体の雰囲気とは少し違うような感じがします。時折激しさも垣間見せます。 ホルンは細身の音ではありますが、ピーンと張りのある音で見事なアンサンブルです。自然に熱を帯びてくる感じで、オケを引きずり回すような、乱暴なことは全くありません。 大枠を伝えたら、あとはオケの自発性に任せているらしく、朝比奈と新日フィルもアンサンブルしているような一体感が良いです。
クラウス・テンシュテット/ボストン交響楽団★★★ 一楽章、ボストンsoとの共演、私のイメージからすると、アメリカのオケとしてはとても端正で木質系の響きを持っていて、テンシュテットとの相性には疑問を持つのですが、果たしてどのような演奏になるのでしょうか。 テンシュテットの演奏としては、大人しいです。一楽章から激しかったことから言えばカラヤンのライブの方が、激しい演奏でした。 テンシュテットの指揮に対して120%やってしまうロンドンpoと80%程度でとどめておくボストンsoの奥ゆかしさの違いのようにも感じます。 響きもベルリンpoのようなグラマラスな響きではなく、細身で薄い響きです。室内楽のように編成が小さいように感じられます。
ジョン・エリオット・ガーディナー/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク★★★ 一楽章、細い音です。古楽器の特徴なのか、幻想交響曲の録音に比べると残響成分も適度に含まれているので、聴きやすい演奏です。音の細さから受ける印象なのか、演奏自体が細身で、ヘド7のイメージからするとひ弱な感じになっています。 古楽器で幻想を演奏するような無茶なところはあまりないので、幻想のときに感じた、学術的な価値しか感じられないような演奏ではなく、音楽になっています。 薄い響きなので、モダン楽器の演奏よりも透明感があります。十分に盛り上がって熱い終結部でした。
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団★★★ 一楽章、ライブでは、もの凄いスピード感のある、すばらしい演奏を聴かせてくれたのですが、スタジオ録音になると、よそ行きの演奏になってしまうのか、剛速球のピッチャーがフォアボールを恐れて玉を置きに行っているような演奏で、ポイントは外していないのですが、度肝を抜くような剛速球を投げ込んできません。 カラヤンは歴史上で最も多くの録音を残した人なので、録音に対する考え方は、私たち凡人以上にいろんな側面から考え抜いた末に、この演奏を残したわけですから、カラヤンにとっては必然性があったのでしょう。 それは、後世に残るものとして、造形的に完璧であることを望んだのでしょうか。 でも、演奏を聞く側としては、カラヤンとベルリンpoがOB覚悟のドライバーのフルショットを見てみたいと思うのが、本音だと思うし、それが仮にOBになったとしても、そのことに果敢にチャレンジしたことを褒め称える人の方が多いと思うのですが・・・・・。
二楽章、この楽章もテンポが速くて味わいがありません。 三楽章、 四楽章、この楽章はスピード感もあってなかなか良いです。ただ、ライブのような猛進するような迫力はありません。
カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団> ★★★ 一楽章、「運命」で感じた猛烈なスピード感は影を潜めて、しっとりとした表情です。 繊細な音の扱い。ウィーンpoがとても透明感の高い締まった音を出しています。 テンポも音楽に合わせて自由に動きますが、作為的な感じはありません。ウィーンpoがクライバーの指揮に献身的な演奏をしているのが伝わってきます。相思相愛だったんでしょう。
エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団★★★ 一楽章、録音が古いせいか、埃っぽい音です。 アクセントの処理などアティキュレーションに関しては徹底されているのが伺えます。ティンパニ打撃音はほとんど歪んでいます。 ムラヴィンスキーの演奏は弛緩するなどということは有り得ず、殺気立ったような厳しい演奏です。これは他のベートーヴェンの交響曲でも共通するところです。 ただ、この録音はちょっと酷いです。私は、録音が悪いと、そのことが気になってなかなか音楽が聴けないタイプなので、この演奏に浸れません。
ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団 クラウディオ・アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1987年東京ライヴ リッカルド・ムーティ/フィラデルフィア管弦楽団 ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団 カール・ベーム/ロンドン交響楽団 1977年ライヴ ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン/オランダ放送室内フィルハーモニー管弦楽団ベートーヴェン 交響曲第7番4
たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第7番名盤試聴記
バリー・ワーズワース/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団★★ 一楽章、9番の指揮者よりもこの演奏の方が音の密度が高いです。響きがかなり高域寄りで厚みがありません。この高域がささくれ立ったような響きで、しっとりしません。 9番のような変わったことをすることはないので、安心感はあります。木管は美しいです。 リズムが少し甘いようなところが残念です。
朝比奈 隆/NHK交響楽団 宇野功芳/新星日本交響楽団 ルネ・レイボヴィツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 オットー・クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 小沢征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ三楽章、小沢の1970年代前半のライブはもの凄い勢いがあったと思うのですが、もうすでに枯れてきているのでしょうか。 本来であれば、現代の巨匠として、強烈な個性を主張して欲しい年代の指揮者たち(小沢、アバド、メータなど)が没個性で、巨匠不在の時代を招いてしまった。 この人たちは内面に燃え上がるような音楽は鳴り響いていないのだろうか。
ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団★ 一楽章、録音のせいか、コントラバスがモゴモゴ言っていてどのような動きをしているのか良く分かりません。 私は、ワルターとあまり相性が良くないのかもしれません。優しい音楽がとても良いと感じることもあるのですが、私はもう少し辛口の演奏を求めているようです。 金管は基本的に伸ばす音は強いまま保たずに、吹き終わりへ向けて音量を落として行きますので、とてもマイルドな演奏に聴こえます。
エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団 ルイ・フレモー/シドニー交響楽団 1981年ライヴ Google search 最近の投稿- ショスタコーヴィチ交響曲第9番
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