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キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼・執筆実績はこちらからお願い致します。https://www.foriio.com/kitagawanoblog

若い女性ボーカルの、泥臭いパンクバンド6選

昨今の音楽業界はヒップホップや4つ打ちロック、EDMといったジャンルが幅を効かし始めている。それこそかつては見向きもされなかったジャンルが、時代の変化を象徴するかの如く表舞台に立つようになった。

その中のひとつが『パンク』である。

そこで今回はパンクの勢いを再び取り戻すべく、パンクバンドの紹介をしたいと思う。更にはただパンクバンドの紹介をするだけでは面白くないので、パンクバンドの中でもさらに競争が少ない『女性ボーカルのパンクバンド』を取り上げてみたいと思う。

スカートの中

「お前の汚いケツの穴に東京タワーをぶちこんで、痔になる瞬間見ててやるよ。私は紅茶飲みながら」……これは下記に載せている『逆立ち女』という楽曲の出だしの部分である。この歌詞を聴いただけでもゾクゾクしないか?

音源を聴くと音は荒いし演奏も雑。歌声もメンバー全員でがなり立てるものが多く、決して誉められたものではない。しかしながら「知らない誰かとセックスしてる?」と叫び倒す『妄想彼氏』、「クソ男」や「ヤリチン」の過激な言葉の応酬でもって女性同士の陰口に焦点を当てた『陰口叩く!!』、初めてできた彼氏の“行為”に期待する『カラフルパンティーガール』など、描かれるのは女子高生の決して表沙汰にはならないリアルである。

日本マドンナ

かつて日本マドンナ再結成の記事を書いた(当時はボーカルのあんな氏にリツイートしていただきました。本当にありがとうございます)くらい、僕は彼女らのファンである。なぜファンになったのかと言えば、彼女らの特徴であるそのストレートな歌詞に魅了されたからだ。

「村上春樹を読みました 何だかとってもつまらない 日本一の作家かよ 何だか酷く残念だ」と痛烈なディスを撒き散らす『村上春樹つまらない』、女性に月に一度訪れる地獄を歌う『生理』など、彼女らの歌詞には直視できないほどの破壊力が秘められている。

現代社会は生きにくい。ことコミュニケーション最優先の日本では、自分の本音を隠し続けることが美徳とされている。嫌いなやつにもおべっかを使い、周りに合わせて話を作り上げ、笑顔を貼り付かせて生きている。……でもそれってどうなんだろう。

彼女らは一度活動休止して社会人となった後、再びバンドとして活動しようと決めた。彼女らは挫折も葛藤も、社会で生きることの諦めも知っている。だからこそ僕らのような社会不適合者には必要なのだ。ストレートに社会への意見を発する、日本マドンナのロックが。

ミドリ

言わずと知れた女性パンクバンドの金字塔。「パンクバンドを知らない」という人でも、彼女らの名前くらいは知っている人も多いのではないだろうか。

しかしながらライブにおいては、完全なるパンクバンドなのである。下の動画では客席に飛び込んだり流血したり、果てはセーラー服を脱いで下着姿になるなどやりたい放題。中には履いていたパンツを脱いで振り回す動画もあったりして、「そう、これがパンクなんだよ!」と言いたくなるほどの魅力に溢れている。

385

ボーカル兼ベースを務めるMIYAは、現在は向井秀徳のバンドであるZAZEN BOYSのメンバーとしても活躍している。このことからも分かる通り、385のサウンドの中核を担っているのはMIYAの恐ろしいまでのスラップベースである。

385の編成にも注目したい。何とベース、ドラム、キーボードの3人しかおらず、本来バンドサウンドの中心にいるはずのギターは一人もいない。こんなのモーモールルギャバン以外に見たことない。

The xxズ

The xxズの魅力はそのパンクサウンドにある。古き良きパンクというか。主に男性パンクバンドが行ってきたサウンドを、彼女らは見事に体現している。The xxズを聴いていると、やっぱり女性ボーカルのパンクは新鮮に感じるなとも思ってしまうのだが、そこがいい。それがいい。

コード進行も単調(同じフレーズの繰り返し)だし、歌詞も分かりやすい。しかしながらこれが本来のパンクなのだ。「米がないならフカヒレ食えよ」と歌う『平成のアントワネット』しかり、一見バラードかと思いきや後半からは一転してどしゃめしゃのサウンドに変貌する『裸でエレクトリックギター』しかり。パンクバンドのお手本とも言える作りに脱帽である。

ライブにおいても書いておきたい。服がヨレヨレになってブラジャーがあらわになったり、何度も絶叫する姿は数十年前のパンクバンドそのもの。それを10代の時点でこなしているのには驚き。

The Mash

公式プロフィールには『20歳が叫ぶ、最もイケて、“最も見苦しい”ロックンロール』と記載されているのだが、ライブを見るとまさにその通り。おそらく2019年現在、サウンドで言えば最も泥臭いロックを鳴らしているバンドであると思っている。

これを聴いて心に刺さらない奴らは、ちょっとどうかしている。素直に米津玄師や三代目 J Soul Brothersでも聴いとけばいいんじゃないか?そう思えるほどの良曲のオンパレード。ぜひこのまま、形を変えずに突き進んでいってほしい。

調べた結果分かったのは、現代に若い女性パンクバンドはほとんどいないという悲しい事実だった。

今回取り上げた中で今でも第一線で活動しているのは日本マドンナとThe Mashくらいで、他は全て活動休止や解散に追い込まれている。中にはThe xxズのように前のアルバムから大幅に方向転換して『美しいボーカルが歌うポップス』に振り切ったバンドもいるほどだ。

要はそれほど今のご時世、パンクは売れないのだと思う。かつて一世を風靡したパンクバンドもライブ動員はどんどん減っているそうだし、CD売り上げも他バンドと比べて恐ろしく低いそうだ。アニソンやYouTuber、歌い手などがチャートを独占している現状からも、それは明らかだ。

そしてもっとキツい言い方をするならば、女性のパンクは特に望まれていない。暗黒大陸じゃがたらやつしまみれといった女性パンクバンドが栄えたのはもう30年近く前のこと。いくら男女平等を掲げたところで、日本では「女性=事務職」や「女性=○○すべき」といった風潮は未だ拭いきれていない。それと同じで、おそらくパンクに関しても「男がやるべき」という色眼鏡が少なからずあるのではないかと思う。

しかし、しかしだ。パンクバンドを求めている人も絶対にいるはずなのだ。僕のように街中で流れるようなホワホワした音楽に辟易しながらも、たまにパンクを聴いては心踊る人も少数派ではあるが、必ずいる。

なのでもし今回の記事で気になったバンドがいれば、CDを買ってほしい。レンタルでもいい。もっと魅力を知ってほしい。

そしてもしこの記事を読んでいる該当のパンクバンドの人がいるならば、一言だけいいたい。絶対に辞めないでほしい。何なら僕は島根県在住だが、「ライブの記事を書いてくれ」という依頼があるなら、あなたたちの魅力を発信するために喜んで飛んでいく。それほど今回紹介したバンドは大好きだし、一生聴き続ける自信がある。だから辞めないでくれ。ずっとその泥臭い男勝りなサウンドを鳴らし続けてほしい。

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