カステルヌオーヴォ=テデスコ 3つの地中海前奏曲:ここではない、どこかへ
3曲合わせて13分くらい。第1番はセレナテッラ(Serenatella)、小セレナードという意味。開始早々にもう、地中海を感じる。行ったことないけど。なぜ地中海を感じるのだろうか。ギターの音色なのか、半音階で下降する音列なのか、はたまた和音のおかげか、わからないけど……。セレナードという言葉から想像されるほどには「ねっとり」した感じがしないのは、日本の夏のような湿気を感じないせいかしら、いやいや、快活な雰囲気を持つ音楽だ。第2番ネニア(Nenia)、子守歌、葬送歌などの意味、ここでは亡くなった友人に捧げる歌だろう。ギター曲には少し珍しいEsのキーで始まり、静かで抒情的だが、情感たっぷりに熱く奏でられる音楽。いくぶん即興的でもある。自在なルバートで歌うメロディはギター独奏音楽の醍醐味だ。楽譜ではそこかしこにespr. や molto espr.の表記が見られる。つまり、そういう音楽なのだ。第3番ダンツァ(Danza)、非常に技巧的な速いパッセージから始まる。楽しくダンスするというより、古代の神事、異教の祭り、狂乱の踊りという方向性だ。途中でAndantinoの部分が挿入され、そこにはlanguido e un poco malinconico(嘆き悲しみ、そして少し憂鬱に)とある。再び速い音楽に立ち戻りクライマックス。地中海を望み、他界した友を偲ぶ優しい歌と、古代の祝祭を思い起こすような激動の舞曲を楽しむ。短い時間だが、日本の暑過ぎる夏を離れて、地中海へひとっ飛び。絵本をめくるように気軽に楽しめる、良い音楽だ。
Italian Guitar RaritiesBettinelli / Buscemi
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このブログについて
Author: funapee(Twitter) 都内在住のクラシック・ファンです。クラシック音楽の楽曲に関する話題を中心に、音楽・芸術・哲学・文学・美学などの話、聴きに行った演奏会や観に行った展覧会の感想、その他日常の諸々を含め、適当な文章を書き綴っていきます。「ボクノオンガク」というブログ名は、よくあるパソコンの音楽フォルダ名“My Music”の和訳と、小澤征爾さんの本『ボクの音楽武者修行』から。著者のプロフィールはこちら。クラシック音楽の楽曲に関するエッセイの一覧はこちら。アイカツ関連の記事はメニューのAikatsuにまとめてありますのでぜひそちらからご覧ください。