小野田寛郎『たった一人の30年戦争』を読んで ― 二人の“帰還兵”の対照的な生き方
小野田さんは本書の中で「女・子供を殺すこと以外は全部した」と語っています。記述を読む限り、横井さんほど物資に困窮していないようで、現地住民からの略奪も行っていたと察せられます(横井さんはそのような行為を一切していません)。この違いには、兵士と士官という立場の差が大きく影響しているのだと思います。 横井さんは「生き延びること」を重んじ、小野田さんは「戦争を続けること」を重んじた。 つまり、「軍人として戦うことこそが職務であり、戦時中に敵を倒すのは当然」という信念を持ち続けていたのです。
そして驚かされたのは、帰国後わずか1年でブラジルへ渡り、55歳にして牧場開拓に挑んだという胆力です。日本では住みづらい、居心地が悪いという事情はあったと思いますが、30年のジャングル生活の後に、なお前へ進もうとするその逞しさ。生きる力とは、まさにこの人のことを言うのだと感じました。
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