マーラー 交響曲第2番「復活」9
この演奏は、マーラーの「復活」ではなく、アバドの全快祝いを世界中の友人たちを集めて祝った「復活」で、スーパー・オケの上手さを聞くには良いでしょう。 マーラーの書いた楽譜を何もせずに音にしたら、「こんなんになりました!」と言うような演奏です。 巨匠の時代は終わったんだなぁとつくずく感じさせられる演奏でした。 オケは上手いので、悪いCDだとは言いません。最初に聞くんだったら、バーンスタインやテンシュテットはお勧めできないので、「復活って、こんな曲なんだ」ということを知ってもらうには良いでしょう。
ピエール・ブーレーズ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団一楽章、冒頭どっしりと構えた出だし、ムジークフェラインの豊かな残響もあり、ふくよかな開始。オケがウィーンpoということもあるのか、シャープな演奏ではない。また、昔のブーレーズのイメージともかなり違う演奏だ。昔は切れ味鋭く、難解な曲もバッサバッサと切り捨てたブーレーズも円熟して丸くなったのか、なんとなく、ズングリムックリな感じがしてしまう。 クラッシュシンバルは例の一部が欠けているのを使っているようだが、なぜあのシンバルを使い続けているのか私には理解できない。曲が盛り上がったところであれがゴツンと言う音で鳴ると、盛り上がった心に冷や水をぶっ掛けられるような感じで、どうもなじめない。 弦は柔らかく美しい。テンポも揺れるし、弦は歌うし心地よい。
五楽章、金管の咆哮にもウィーンpoならではのふくよかさがある。弱音部は非常に美しい。バンダは最初は割りと近めに配置されているが後半ではかなり遠くなる。金管のコラールはあっさり通り過ぎるが、そのあとのクレッシェンドからはグッとテンポを落としてねばる。ffの後に休符があると、ホールに広がってゆく残響が他のCDでは聴けない美しさで魅了される。 ブーレーズの抑制なのか、ウィーンpoに絶叫させずに音楽を運ぶあたりは、やはり昔と変わらず冷静にスコアを読んでいるのか。ウィーンpoらしいぬくもりのある音色の範囲で音楽を作っていくブーレーズはさすがと言いたい。普通なら五楽章にもなれば、多少力んでも絶叫したくなるのが普通だと思うが、この冷静さには別の感激がある。合唱と合唱の合間に入る弦合奏も大河の流れのようにとうとうと歌う感じではなく、むしろ室内楽的なまとまりと抑制がある。独唱の扱いも他の指揮者とは違う。非常にあっさりとストレートだ。 合唱が入って以降は、さらにあっさり。暴走などは間違ってもあり得ない。そして、テンポも速くなる。 抑制の効いたまま最後まで行ってしまった。好みは分かれる演奏でしょう。
ワレリー・ゲルギエフ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 山田一雄 京都市交響楽団★★★ 1980年頃の日本のオーケストラはかなり下手だった記憶が強い。 N響ですら、欧米のオケに比べるとかなり見劣りしていたと思う。特に管楽器に関しては体格の問題も奏法の問題もあり、でした。 これが京都市交響楽団となると、オケの技量に関してはほとんど期待はできないと思うのですが、果たして演奏はどんなものでしょうか?
一楽章、長い弦のトレモロのあと低弦が入ってくる。なかなかの力演ですが、付点の甘さがちょっと気になります。 オケは予想していたより、遥かに上手いです。集中力も高く、緊張感も十分に伝わってきます。 ティンパニの付点もやはり甘いです。日本人の特徴ですね。 かなり劇的な音楽の運びで、なかなかの演奏です。ただ、時折旋律を見失ってしまうことがあります。 ffの時に金管が突き抜けてくるようなパワーはさすがにありません。この辺は、指揮者の山田が要求しても無理な部分なのでしょう。 かなり劇的な音楽を作っていっているのですが、金管のパワー不足による振幅の狭さはとても残念なところです。
三楽章、思いっきりのティンパニからスタート。すごく表情豊かな楽章です。細部にわたる表情や楽器の受け渡しなど、なかなか訓練されています。 小さなミスはありますが、アンサンブルは良いので、崩壊しそうになったりはしません。 これも、この当時の金管の弱みだったと思うのですが、タンギングの直後の音は出ているのですが、その後の息が弱いような感じがあって、トゥッティのエネルギー感を削いでいるように思います。 トロンボーンのミスはちょっとかっこ悪いです(^ ^; 表情豊かな音楽はとても魅力的です。
五楽章、冒頭は大爆発です。爆発が自然に収束して、バンダへと引き継がれます。もう少し遠くでも良いような・・・・・。収束を引き継いでそのままの音量かさらに収束へ向かうくらいの音量を期待しました。 ステージ上の木管よりもホルンのバンダの存在感が大きいのはちょっと不自然すぎます。 やはりトゥッティになると金管群が打楽器群に負けてしまいます。肉食って育った人たちじゃないからなぁ。 トランペットのバンダは小さすぎで太鼓に消されています。細部のバランスまでは時間をかけられなかったのだろうか。 かなりの好演なのだが、ちょっと残念なところです。 何かの間違いではないか?と思うほどホルンのバンダだけが異常に大きい。 合唱の技量や発音などいろいろ言い出せばきりが無いのですが、十分感動的な終結部を作り上げ、見事なコンサートだったと思います。
1980年当時に純日本の演奏家たちで、これだけの演奏をしたことは、すばらしく十分に評価されて良いと思います。ただ、当時の日本の場合は西洋音楽に対しては発展途上国であって、この演奏も歴史の中の通過点の記念碑だと思います。 山田が表現したかった音楽やスケール感などは、本人のイメージよりも二周りぐらい小さくなってしまっているのではないかと思いますが、当時としては本当にベストを尽くした演奏だったのだろうと思います。 良い意味で期待を裏切ってくれました。 これからさらにすばらしく世界に誇れる演奏が多く生まれることを期待します。
アントン・ナヌート リュブリャナ放送交響楽団★★★ 一楽章、特に力んだ感じも無く爆演と言われている割には平凡な出だしだ。録音状態は良さそうで、ティンパニのヘッドの質感も伝わってきます。ただ、響きが薄い。これはオーケストラの力量の問題でしょうか。 ライブ録音らしく、細かなミスも散見されるが、オケの集中力は高そうで、好感が持てる演奏です。 高音域の繊細な音に対して、低音が薄い感じで、ちょっとバランスが悪いのが気になります。 金管は遠くに定位していて、控えめなので、爆演という評判とは結びつかない感じを受けます。予想に反して、かなり整然としたスタイリッシュな一楽章。毒々しさもなく自然体の演奏。 ライブで、これだけ整然とした演奏ができるオケの技量もなかなかのものだと思います。
五楽章、冒頭、ドラよりもバスドラのドカンがすごい。バンダのホルンは洞窟の中ででも演奏しているかのような独特の音響効果です。 それにしても、低音域のゴリゴリしたパッセージがほとんど聞こえてこないのは、ちょっと残念です。 バンダのホルンの最高音の部分はトランペットに吹かせています。 ここぞというところでの打楽器は本当に遠慮なく気持ち良いくらいぶっ叩いてきます。 バーンスタインと同じように、終結部でぐっとテンポを落としました。爆演と言うほどでもないような感じでしたが・・・・・。
シモーネ・ヤング/ ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団 ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団 投稿者: koji shimizu コメントを残す コメントをキャンセル Google search 最近の投稿- ショスタコーヴィチ交響曲第9番
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