うさぎでもわかる線形代数 第20羽 2次形式
すると、\[ \begin^t\! \vec A \vec & = \left( x_1 , x_2 \right) \left( \begin a & p \\ p & b \end \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right)\\ & = \left( a x_1 + p x_2 , p x_1 + b x_2 \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right)\\ & = a x_1^2 + p x_1 x_2 + p x_1 x_2 + b x_2^2\\ & = a x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2\end \]と変形できます。
変数が \( x_1 \), \( x_2 \), \( x_3 \) の3つになった場合も同じように 変数ベクトル \( \vec \) 、行列 \( A \) をそれぞれ\[\vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right) \ \ \ A = \left( \begin a & p & q \\ p & b & r \\ q & r & c \end \right)\]とします。
すると、\[ \begin^t\! \vec A \vec & = \left( x_1, x_2, x_3 \right) \left( \begin a & p & q \\ p & b & r \\ q & r & c \end \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right)\\ & = \left( a x_1 + p x_2 + q x_3, p x_1 + b x_2 + r x_3 + q x_1 + r x_2 + c x_3 \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right)\\ & = a x_1^2 + p x_1 x_2 + q x_1 x_3 + p x_1 x_2 + b x_2^2 + r x_1 x_3 + q x_1 x_3 + r x_2 x_3 + c x_3^2\\ & = a x_1^2 + b x_2^2 + c x_2^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3\end \]と変形できます。
実対称行列を用いた2次形式の表現2変数 \( x_1 \), \( x_2 \) の2次形式 \[a x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2\]は実対称行列 \( A \)、ベクトル \( \vec \) を用いて\[\begina x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2 & = \left( x_1 , x_2 \right) \left( \begin a & p \\ p & b \end \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right) \\ & = ^t\! \vec A \vec\end \]と変形できる。
また、3変数 \( x_1 \), \( x_2 \), \( x_3 \) の2次形式 \[a x_1^2 + b x_2^2 + c x_2^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3\]も同様に\[\begin &a x_1^2 + b x_2^2 + c x_2^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3 \\ = & \left( x_1 , x_2 , x_3 \right) \left( \begin a & p & q \\ p & b & r \\ q & r & c \end \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right) \\ = & ^t\! \vec A \vec\end \]と変形できる。
3.2次形式の標準形
2次形式の標準形とは、\[3 x_1^2 + 3 x_2^2 + 4 x_3^2 \cdots\]のように、 すべての項が1変数の2次式となっているもの *1(つまり \( x_1 x_2 \) や \( x_2 x_3 \) のように2変数の2次式がないもの)を2次形式の標準形と呼びます。
例題12次形式\[4 x_1^2 + 2 x_1 x_2 + 4 x_2^2\]を標準形にしなさい。
解説1\( A \) 、ベクトル \( \vec \) をそれぞれ\[A = \left( \begin 4 & 1 \\ 1 & 4 \end \right) \ \ \ \vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right)\]とすると、\[4 x_1^2 + 2 x_1 x_2 + 4 x_2^2 = ^t\! \vec A \vec\]と変形できる。
直交行列を用いた対角化を行うため、行列 \( A \) の固有値、固有ベクトルを求める。
固有値を \( t \) とすると、固有方程式は、\[\begin|A-tE| = & \left| \begin 4-t & 1 \\ 1 & 4-t \end \right|\\ = & (t-4)^2 - 1\\ = & t^2 - 8t + 15\\ = & (t-3)(t-5) = 0\end \]より固有値は3, 5となる。
(1) 固有値が3のとき\[ \begin(A-3E) = &\left( \begin 1 & 1 \\ 1 & 1 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & 1 \\ 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[x + y = 0\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \end \right) = k \left( \begin 1 \\ -1 \end \right)\]と表せる。
(2) 固有値が5のとき\[ \begin(A-5E) = &\left( \begin -1 & 1 \\ 1 & -1 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & -1 \\ 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[x - y = 0\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \end \right) = k \left( \begin 1 \\ 1 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトルなので、\[\vec = \frac>\left( \begin 1 \\ 1 \end \right)\]となる。
\( \vec \), \( \vec \) は正規直交基底となるので、直交行列\[P = \left( \vec, \vec \right) = \frac> \left( \begin 1 & 1 \\ -1 & 1 \end \right)\]を用いて、\[P^ AP = \left( \begin 3 & 0 \\ 0 & 5 \end \right) = D\]と対角化できますね。
よって、\[P P^ A P P^ = A = P D P^\]と変形でき、行列 \( A \) は、\[A = P D P^ = P D ^t\! P\]と変形できます*2。
ここで、変数 \( y_1 \), \( y_2 \)、ベクトル \( \vec \) を\[\vec = \left( \begin y_1 \\ y_2 \end \right) = ^t\! P \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right) = ^t\! P \vec\]となるようにおきます。
すると、\[\begin\left( \begin y_1 \\ y_2 \end \right) & = \frac> \left( \begin 1 & -1 \\ 1 & 1 \end \right) \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right)\\ & = \frac> \left( \begin x_1 - x_2 \\ x_1 + x_2 \end \right)\end \]、つまり\[y_1 = \frac> \left( x_1 - x_2 \right) \\y_2 = \frac> \left( x_1 + x_2 \right)\]と変数変換となりますね。
また、\( \vec = ^t\! P \vec \) なので、\( P \vec = \vec \) となりますね*3。
よって、\[\begin^t\! \vec A \vec & = ^t\! \left( P \vec \right) A \left( P \vec \right)\\ & = ^t\! \vec ^t\! P A P \vec\\ & = ^t\! \vec P^ A P \vec\\ & = ^t\! \vec D \vec\end \]と変形できます。
よって、\[\begin4 x_1^2 + 2 x_1 x_2 + 4 x_2^2 & = ^t\! \vec A \vec\\ & = ^t\! \vec D \vec\\ & = 3 y_1^2 + 5y_2^2\end \]となり、標準形に変形できました!
2変数の2次形式の標準形の変換2変数 \( x_1 \), \( x_2 \) の2次形式 \[a x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2\]は実対称行列 \( A \)、ベクトル \( \vec \)\[\beginA = \left( \begin a & p \\ p & b \end \right) \ \ \\vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right) = ^t\! \vec A \vec\end \]を用いて\[a x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2 = ^t\! \vec A \vec\]と変形できる。
行列 \( A \) を直交行列 \( P \) により\[P^ AP = \left( \begin \alpha & 0 \\ 0 & \beta \end \right)\]と対角化し、\( y_1 \), \( y_2 \) を\[\left( \begin y_1 \\ y_2 \end \right) =^t\! P \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right)\]とおくと、2次形式を\[a x_1^2 + 2p x_1 x_2 + b x_2^2 = \alpha y_1^2 + \beta y_2^2\]と標準形に変換できる。
2次形式の標準形のそれぞれの係数は2次形式を表す実対称行列のそれぞれの固有値となっている ことがわかりますね。
3変数の2次形式の標準形の変換3変数 \( x_1 \), \( x_2 \), \( x_3 \) の2次形式 \[a x_1^2 + b x_2^2 + c x_2^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3\]は実対称行列 \( A \)、ベクトル \( \vec \)\[\beginA = \left( \begin a & p & q \\ p & b & r \\ q & r & c \end \right) \ \ \\vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right)= ^t\! \vec A \vec\end \]を用いて\[a x_1^2 + b x_2^2 + c x_2^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3 = ^t\! \vec A \vec\]と変形できる。
行列 \( A \) を直交行列 \( P \) により\[P^ AP = \left( \begin \alpha & 0 & 0 \\ 0 & \beta & 0 \\ 0 & 0 & \gamma \end \right)\]と対角化し、\( y_1 \), \( y_2 \), \( y_3 \) を\[\left( \begin y_1 \\ y_2 \\ y_3 \end \right) =^t\! P \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ y_3 \end \right)\]とおくと、2次形式を\[a x_1^2 + b x_2^2 + c x_3^2 + 2p x_1 x_2 + 2q x_1 x_3 + 2r x_2 x_3 = \alpha y_1^2 + \beta y_2^2 + \gamma y_3^2\]と標準形に変換できる。
4.2次形式の定値性・符号(正定値・負定値など)
2次形式 \( q(\vec) \) を標準形に変換することで、 2次形式が取りうる値の範囲が正だけなのか、負だけなのか、あるいはその両方なのかを係数を見るだけでパッと見て確認することができます ね。
2次形式の標準形の係数を見るだけで取りうる値の範囲がわかるということは、 2次形式を表す実対象行列の固有値を見るだけで取りうる値の範囲がわかります ね。
(1) 2次形式が常に正となる場合 \( q(\vec) \gt 0 \)例題1の2次形式を標準形にすると\[3 y_1^2 + 5y_2^2\]となりましたね。
この標準形の \( y_1^2 \), \( y_2^2 \) の係数は3, 5とともに正ですね。このように、標準形の係数がすべて正のときは、\( y_1 \), \( y_2 \) にどのような値を(ただし \( y_1 \), \( y_2 \) がともに0のとき以外)入れても正になりますね*4。
\( y_1 \), \( y_2 \) がどんな値でも正なら当然 \( x_1 \), \( x_2 \) がどんな値でも正ですよね。
このように、\[\vec \not = \vec\]のとき、常に正となる2次形式を正定値といいます。
標準形の係数がすべて正というのは、 2次形式を表現する実対称行列の固有値がすべて正 と言い換えることができますね。
つまり、2次形式が正定値かどうかを判定するためには、 正定値かどうかを判定したい2次形式の実対称行列の固有値が正になることを確認 すればOKです。
(2) 2次形式が常に負とならない場合 \( q(\vec) \geqq 0 \)例えば、\[3 y_1^2 + 0 y_2^2\]のような2次形式を考えましょう。
この標準形に負の係数は含まれていませんが、\( y_2^2 \) の係数が0ですね。
このとき、\( y_1 \) のとき、\( y_2 \) の値に関わらず例の2次形式は0になってしまいます。しかし、それ以外のときは2次形式は正となりますね(つまり、2次形式が負になることはない)。
このように、\[\vec \not = \vec\]のとき、常に負にならない(0か正になる)2次形式を半正定値といいます。
半正定値も正定値のときと同じように 2次形式を表現する実対称行列の固有値をすべて確認することで確認ができます。
(3) 2次形式が常に負となる場合 \( q(\vec) \lt 0 \)例えば、\[- 3 y_1^2 - 5 y_2^2\]のような2次形式の場合、\( y_1 \), \( y_2 \) の値に関わらず2次形式が負となりますね(両方0のときを除く)。
このように、\[\vec \not = \vec\]のとき、常に負となる2次形式を負定値といいます。
正定値のときのときと同様に 実対称行列の固有値で判定が可能です。負定値の場合、2次の形式がすべて負となるので、実対称行列の固有値がすべて負となるときに負定値となります。
(4) 2次形式が常に正とならない場合 \( q(\vec) \leqq 0 \)例えば、\[- 3 y_1^2 - 0 y_2^2\]のような2次形式の場合、係数が0の項があるため、2次形式が0となることがありますが、\( y_1 \), \( y_2 \) の値に関わらず2次形式が正となることはありませんね。
このように、\[\vec \not = \vec\]のとき、常に正とならない(0か負となる)2次形式を半負定値といいます。
(5) それ以外(2次形式が正にも負にもなる場合)次の(1)〜(4)に当てはまらなかった2次形式は正、負ともにとる可能性がある2次形式ですね。例えば、\[1 y_1^2 + 1 y_2^2 - 4 y_3^2\]の係数は正、負ともにありますね。
5.練習問題
練習12次形式\[3 x_1^2 + 4 x_2^2 + 3x_3^2 + 2 x_1 x_2 + 4 x_1 x_3 + 2 x_2 x_3\]の標準形を求めなさい。また、この2次形式の符号を調べ、正定値、負定値となるかを調べなさい。
練習22次形式\[3 x_1^2 + 3 x_2^2 - x_3^2 + 4 x_1 x_2 + 4 x_1 x_3 - 4 x_2 x_3\]の標準形を求めなさい。また、この2次形式の符号を調べ、正定値、負定値となるかを調べなさい。
解答1Step1:2次形式を表す実対称行列を作成
\( A \) 、ベクトル \( \vec \) をそれぞれ\[A = \left( \begin 3 & 1 & 2 \\ 1 & 4 & 1 \\ 2 & 1 & 3 \end \right) \ \ \ \vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right)\]とすると、\[3 x_1^2 + 4 x_2^2 + 3 x_3^2 + 2 x_1 x_2 + 4 x_1 x_3 + 2 x_2 x_3 = ^t\! \vec A \vec\]と変形できる。
Step2:行列の固有値を求める
固有値を \( t \) とすると、固有方程式は、\[\begin|A-tE| = & \left| \begin 3-t_ & 1_ & 2_ \\ 1 & 4-t & 1 \\ 2 & 1 & 3-t \end \right|\\ = & \left| \begin 1-t & 0 & -1+t \\ 1 & 4-t & 1 \\ 2 & 1 & 3-t \end \right|\\ = & (1-t) \left| \begin 1 & 0 & -1 \\ 1 & 4-t & 1 \\ 2 & 1 & 3-t \end \right|\\ = & (1-t) \left| \begin 1 & 0 & -1 \\ 0 & 4-t & 2 \\ 0 & 1 & 5-t \end \right|\\ = & (1-t) \left| \begin 4-t & 2 \\ 1 & 5-t \end \right|\end \]となる。
ここで、\[\begin &\left| \begin 4-t & 2 \\ 1 & 5-t \end \right|\\ = & (t-4)(t-5) - 2\\ = & t^2 - 9t + 18\\ = & (t-3)(t-6)\end \]となるので、\[|A - tE| = (1-t)(t-3)(t-6)= 0\]を満たす \( t \) が固有値となり、固有値は1, 3, 6となる。
Step3:大きさ1の直交する固有ベクトルを求め、対角化
(1) 固有値が1のとき\[ \begin(A-1E) = &\left( \begin 2 & 1 & 2 \\ 1 & 3 & 1 \\ 2 & 1 & 2 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & -5 & 0 \\ 1 & 3 & 1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & 0 & 1 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin x + z = 0 \\ y = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin 1 \\ 0 \\ -1 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin 1 \\ 0 \\ -1 \end \right)\]となる。
(2) 固有値が3のとき\[ \begin(A-3E) = &\left( \begin 0 & 1 & 2 \\ 1 & 1 & 1 \\ 2 & 1 & 0 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 1 & 2 \\ 1 & 1 & 1 \\ 0 & -1 & -2 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 1 & 2 \\ 1 & 0 & -1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & 0 & -1 \\ 0 & 1 & 2 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin x - z = 0 \\ y + 2z = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin 1 \\ -2 \\ 1 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin 1 \\ -2 \\ 1 \end \right)\]となる。
(3) 固有値が6のとき\[ \begin(A-6E) = &\left( \begin -3 & 1 & 2 \\ 1 & -2 & 1 \\ 2 & 1 & -3 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & -5 & 5 \\ 1 & -2 & 1 \\ 0 & 5 & -5 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 1 & -1 \\ 1 & 0 & -1 \\ 2 & 0 & 1 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & 0 & -1 \\ 0 & 1 & -1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin x - z = 0 \\ y - z = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin 1 \\ 1 \\ 1 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin 1 \\ 1 \\ 1 \end \right)\]となる。
よって、\( \vec \), \( \vec \), \( \vec \) は正規直交基底となるので、直交行列\[P = \left( \vec, \vec, \vec \right) = \frac> \left( \begin \sqrt & 1 & \sqrt \\ 0 & -2 & \sqrt \\ - \sqrt & 1 & \sqrt \end \right)\]を用いて、\[P^ AP = \left( \begin 1 & 0 & 0 \\ 0 & 3 & 0 \\ 0 & 0 & 6 \end \right)\]と対角化することができます。
Step4:直交行列 \( P \) を用いて標準形に変換
よって、 \( y_1 \), \( y_2 \), \( y_3 \) を\[\vec = \left( \begin y_1 \\ y_2 \\ y_3 \end \right) = ^t\! P \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right) = ^t\! P \vec\]とおくことで*5、\[y_1^2 + 3 y_2^2 + 6 y_3^2\]と標準形を求められる。
解答2Step1:2次形式を表す実対称行列を作成
\( A \) 、ベクトル \( \vec \) をそれぞれ\[A = \left( \begin 3 & 2 & 2 \\ 2 & 3 & -2 \\ 2 & -2 & -1 \end \right) \ \ \ \vec = \left( \begin x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end \right)\]とすると、\[3 x_1^2 + 3 x_2^2 - x_3^2 + 4 x_1 x_2 + 4 x_1 x_3 - 4 x_2 x_3 = ^t\! \vec A \vec\]と変形できる。
Step2:行列の固有値を求める
固有値を \( t \) とすると、固有方程式は、\[\begin|A-tE| = & \left| \begin 3-t & 2 & 2 \\ 2 & 3-t & -2 \\ 2 & -2 & -1-t \end \right|\\ = & \left| \begin 5-t & 5-t & 0 \\ 2 & 3-t & -2 \\ 2 & -2 & -1-t \end \right|\\ = & (5-t) \left| \begin 1 & 1 & 0 \\ 2 & 3-t & -2 \\ 2 & -2 & -1-t \end \right|\\ = & (5-t) \left| \begin 1 & 1 & 0 \\ 0 & 1-t & -2 \\ 0 & -4 & -1-t \end \right|\\ = & (5-t) \left| \begin 1-t & -2 \\ -4 & -1-t \end \right|\end \]となる。
ここで、\[\begin &\left| \begin 1-t & -2 \\ -4 & -1-t \end \right|\\ = & \left| \begin 1-t & -2 \\ -4 & -1-t \end \right|\\ = & (t+1)(t-1) - 8\\ = & t^2 - 9\\ = & (t+3)(t-3)\end \]となるので、\[|A - tE| = (5-t)(t-3)(t+3)= 0\]を満たす \( t \) が固有値となり、固有値は5, 3, -3となる。
Step3:大きさ1の直交する固有ベクトルを求め、対角化
(1) 固有値が5のとき\[ \begin(A-5E) = &\left( \begin -2 & 2 & 2 \\ 2 & -2 & -2 \\ 2 & -2 & -6 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 2 & -2 & 2 \\ 0 & 0 & -4 \\ 0 & 0 & 0 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & -1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin x - y = 0 \\ z = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin 1 \\ 1 \\ 0 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin 1 \\ 1 \\ 0 \end \right)\]となる。
(2) 固有値が3のとき\[ \begin(A-3E) = &\left( \begin 0 & 2 & 2 \\ 2 & 0 & -2 \\ 2 & -2 & -4 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 2 & 2 \\ 2 & 0 & -2 \\ 2 & 0 & -2 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 1 & 0 & -1 \\ 0 & 1 & 1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin x - z = 0 \\ y - z = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin 1 \\ 1 \\ 1 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin 1 \\ 1 \\ 1 \end \right)\]となる。
(3) 固有値が-3のとき\[ \begin(A+3E) = &\left( \begin 6 & 2 & 2 \\ 2 & 6 & -2 \\ 2 & -2 & 2 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 8 & -4 \\ 0 & 8 & -4 \\ 2 & -2 & 2 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 0 & 0 & 0 \\ 0 & 2 & -1 \\ 2 & 0 & 1 \end \right) \\ \to \ &\left( \begin 2 & 0 & 1 \\ 0 & 2 & -1 \\ 0 & 0 & 0 \end \right)\end \]となる。\[\left\< \begin 2x + z = 0 \\ 2y - z = 0 \end\right.\]を解くと、任意定数 \( k \) を用いて\[\left( \begin x \\ y \\ z \end \right) = k \left( \begin -1 \\ 1 \\ 2 \end \right)\]と表せる。
固有ベクトル \( \vec \) は大きさを1に正規化したベクトル、\[\vec = \frac> \left( \begin -1 \\ 1 \\ 2 \end \right)\]となる。
よって、\( \vec \), \( \vec \), \( \vec \) は正規直交基底となるので、直交行列\[P = \left( \vec, \vec, \vec \right) = \frac> \left( \begin \sqrt & \sqrt & -1 \\ \sqrt & - \sqrt & 1 \\ 0 & \sqrt & 2 \end \right)\]を用いて、\[P^ AP = \left( \begin 5 & 0 & 0 \\ 0 & 3 & 0 \\ 0 & 0 & -3 \end \right)\]と対角化することができます。
Step4:直交行列Pを用いて標準形に変換
よって、 \( y_1 \), \( y_2 \) を\[\vec = \left( \begin y_1 \\ y_2 \end \right) = ^t\! P \left( \begin x_1 \\ x_2 \end \right) = ^t\! P \vec\]とおくことで、\[5 y_1^2 + 3 y_2^2 - 3 y_3^2\]と標準形を求められる。
6.さいごに
*3 : \( \vec = ^t\! P \vec \) の左に \( P \) をかけた変形。
*4 : \( y_1^2 \), \( y_2^2 \) は必ず0以上なのですべての変数が0のとき以外は必ず正となる。
*5 : 表記法は \( y =^t\! P \vec \) もしくは \( P \vec = \vec \) どちらでもOK。
公開日: 2019年9月4日 更新日: 2025年3月13日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 【確率】1時間でマスター! 覚えておくべき5つの法則・公式 うさぎでもわかる信号処理 第05羽 ディジタルシステムの周波数特性・振幅特性・位相特性 うさぎでもわかる確率・統計 F分布のいろは③ 一元配置分散分析 【基本情報対策】うさぎでもわかるソフトウェア工学 Part05 ER図 うさぎでもわかるコンパイラ 第3羽 First・Follow・Director集合とLL(1)文法の判定 (試験頻出!!)文字が入っている行列の階数の求め方 うさぎでもわかる離散数学 第5羽 順序関係とハッセ図・重要な8つの性質 うさぎでもわかる線形代数 補充2 平面・空間上における直線の方程式(ベクトル方程式の基礎) うさぎでもわかる線形代数 第19羽 行列を用いた差分方程式(漸化式)の解き方 うさぎでもわかるオートマトンと言語理論 第04羽 言語の演算(後編) 連接・閉包カテゴリー
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目次
- 1.2次形式とは
- 2.実対象行列を用いた2次形式の表現
- 3.2次形式の標準形
- 例題1
- 解説1
- (1) 2次形式が常に正となる場合 \( q(\vec) \gt 0 \)
- (2) 2次形式が常に負とならない場合 \( q(\vec) \geqq 0 \)
- (3) 2次形式が常に負となる場合 \( q(\vec) \lt 0 \)
- (4) 2次形式が常に正とならない場合 \( q(\vec) \leqq 0 \)
- (5) それ以外(2次形式が正にも負にもなる場合)
- 練習1
- 練習2
- 解答1
- 解答2
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コンピュータグラフィックス コンピュータビジョン- 1.2次形式とは
- 2.実対象行列を用いた2次形式の表現
- 3.2次形式の標準形
- 例題1
- 解説1
- (1) 2次形式が常に正となる場合 \( q(\vec) \gt 0 \)
- (2) 2次形式が常に負とならない場合 \( q(\vec) \geqq 0 \)
- (3) 2次形式が常に負となる場合 \( q(\vec) \lt 0 \)
- (4) 2次形式が常に正とならない場合 \( q(\vec) \leqq 0 \)
- (5) それ以外(2次形式が正にも負にもなる場合)
- 練習1
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- 解答1
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