『志村どうぶつ園』VTRでパンくんは「恐怖に震えて…」霊長類学者が警告!
「一連の企画のうち人気が高かった“おつかい”など、“親”であるはずのトレーナーと一緒に行うものではなく、パンくんが単独で行うものも多くみられました。これは野生ではありえないことです。野生のチンパンジーの子どもは常に母親と一緒で、子どもを不安な状態で放置することなどありえません。子どもは成長のなかで多くの新しいものに触れ、学習しますが、それは必ず母親など信頼できる関係の個体がそばにいる状態で行われます。“1人で何かをする”こと自体が、チンパンジーの子どもには強いストレスとなります」(徳山さん)
《映像作品はすべて、自然なチンパンジーの姿とは大きく異なる内容となっていた》
《TV映像とStage映像におけるパンくんは、チンパンジー本来の姿とのズレが大きく、遊びや笑いの表出が抑えられている一方で、恐怖や不安などのネガティブな表出が多い傾向があった》
これらの映像作品を見て、パンくんの表情や発声といった感情表現について分析したところ、テレビ番組のためのロケや動物ショーへの出演が、パンくんにストレスを与えていることがわかりました。チンパンジーは遊ぶときに笑顔になり笑い声もあげますが、テレビ用の映像や動物ショーの本番中にはパンくんは笑顔でいることが少なく、逆に恐怖や不安や不満をあらわす表情をしばしばしていました」(松阪さん)
これは“グリマス”と呼ばれる表情で、パンくんが川の流れに恐怖を感じていたことを示しています。その後しばらくして、なんとか跳んで渡ることができましたが、相棒のジェームズは渡れず、水の流れを挟んで2頭がリードの引っ張り合いをするというシーンが続きます。このように、試練にさらされた動物たちがとまどったり、失敗したりする様子を見て楽しむというようなシーンが“おつかい”コーナーではいくつも見られました」(松阪さん)