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ネタバレ解説&感想『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ラストの意味は? 続編はある? 今後を考察

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  • ライター 齋藤 隼飛
  • 更新日 2025.08.9

ネタバレ解説&感想『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ラストの意味は? 続編はある? 今後を考察

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映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』公開

「ジュラシック・ワールド」シリーズ最新作となる映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が2025年8月8日(金) より日本の劇場で公開を迎えた。クリス・プラットを主演に据えた三部作が完結を迎え、心機一転してギャレス・エドワーズ監督によって新たな物語が描かれる。

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』には豪華キャストが集結しており、主人公ゾーラ・ベネットをスカーレット・ヨハンソン、主要キャストとしてダンカン役をマハーシャラ・アリ、ヘンリー役をジョナサン・ベイリーが演じる。シリーズの新たな幕開けとなった『ジュラシック・ワールド/復活の大地』では、どんな物語が描かれたのだろうか。

今回は、ラストの展開を中心にネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容は結末に関するネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意 以下の内容は、映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の内容及び結末に関するネタバレを含みます。
  • 『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ネタバレ解説
    • 舞台は前作の5年後
    • メインになる二つのチーム
    • 『復活の大地』が問うテーマ
    • 立ちはだかるミュータント恐竜
    • ラストの意味は?
    • 単体で楽しめる娯楽作
    • 功を奏した?戦略
    • 続編はどうなる?
    『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ネタバレ解説 舞台は前作の5年後

    ところが、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』では、恐竜達が現代の地球の環境に適応できず、残った恐竜は赤道付近の一部の地域に生存しているとされている。2018年から2022年にかけて世界に広がった恐竜が存在感をなくしているという状況は、パンデミック後の私たちの社会と重なる部分がある。

    冒頭では2008年にサン・ユベールという島にあるインジェン社の研究施設で、遺伝子組み換えを施されたミュータント恐竜の研究が行われていたことが明かされる。インジェン社は「ジュラシック・パーク」シリーズで恐竜を蘇らせた組織であり、シリーズ第1作目と第2作目に登場したジョン・ハモンドによって経営されていた。

    インジェン社はイスラ・ヌブラル島にジュラシック・パークを建設した会社で、その失敗によって経営危機に陥り、マスラニ・グローバル社が買収、子会社化している。マスラニ社はインジェン社を買収した後、2005年にイスラ・ヌブラル島でジュラシック・ワールドを開業、10年にわたって人気のテーマパークとして運営されていた。

    映画『ジュラシック・ワールド』(2015) ではインジェン社の人間が恐竜の兵器利用を企み、続く『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018) では、遺伝子組み換えが行われた恐竜が兵器として密売されていることが明らかになった。2008年の時点でマスラニ社が順調にジュラシック・ワールドの運営を続ける中、子会社であるバイオテック企業のインジェン社はサン・ユベール島で新たな恐竜を生み出す研究に注力していたのである。

    前作『新たなる支配者』ではライバル社のバイオシン社を中心としたストーリーが描かれたが、本作『復活の大地』では、原点回帰でインジェン社をきっかけとしたストーリーが描かれる。2008年にその研究所で6本足のミュータント恐竜、ディストートゥス・レックス(通称:D-レックス)が誕生していた。それから17年後、ある人々がサン・ユベール島を訪れることになる……。

    メインになる二つのチーム

    特殊工作員として働き、最近母を失ったゾーラ・ベネット(演:スカーレット・ヨハンソン)は、製薬会社であるパーカージェニックスのマーティン・クレブス(演:ルパート・フレンド)と組んで、恐竜の遺伝子サンプルを手に入れる作戦を立てる。目的は心臓病の新たな薬を作り出して大儲けすることだ。

    古生物学者のヘンリー・ルーミス(演:ジョナサン・ベイリー)博士を「野生の恐竜を実際に見るチャンス」とチームに引き込んだゾーラは、昔馴染みのダンカン・キンケイド(演:マハーシャラ・アリ)を頼り、恐竜達が棲むサン・ユベール島を船で目指すことになる。

    この作戦は非合法なものだが、雇われチームが一攫千金を狙って恐竜の島に近づくというのが『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の特徴だ。「ジュラシック・パーク」三部作では研究者が、「ジュラシック・ワールド」三部作では労働者が主人公となったが、本作ではチームメンバーがそれぞれの立場で任務に参加している。

    これだけでは寄せ集めの傭兵部隊のストーリーだけになってしまうが、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ではもう一つの“チーム”が描かれる。バケーションで海に出ていたデルガド一家である。

    ルーベン(演:マヌエル・ガルシア=ルルフォ)、長女テレサ(演:ルナ・ブレイズ)、妹のイザベラ(演:オードリナ・ミランダ)、そしてテレサの恋人のザビエル(演:デヴィッド・アイアコノ)はモササウルスに船を襲われて転覆。近くにいたゾーラのチームに助けられることになる。

    『復活の大地』が問うテーマ

    その後、一行は遭難してサン・ユベール島に到着。なおも恐竜のDNAを求めるゾーラ達と脱出を目指すデルガド一家は別々に行動するが、共に恐竜達の脅威に直面する。サン・ユベール島は研究に失敗したインジェン社が施設と恐竜を放棄した島だったのだ。

    だが、両チームが目にするのは脅威ばかりではない。デルガド一家はドロレスと命名した小さなアクイロプスと触れ合い、学者のヘンリーは夢にまで見た野生の恐竜が生きる壮大な景色を目にする。恐竜は必ずしも脅威となる敵ではなく、人類も所属する地球の一部なのだということを感じる演出だ。

    人間中心的な感覚から脱却する一助となるこの経験は、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のテーマの一つにも通じるものがある。恐竜のDNAから作る新たな薬で一攫千金を狙うゾーラだったが、ヘンリーは新薬を世界中の人々と”シェア”することを勧める。

    利益を追求して独り占めするのか、自分もまた世界の一部だと考え他者のためになることをするのか。利益を求めて恐竜に近づくというシリーズの新しい主人公に、非常にシンプルだが重要な問いかけが投げかけられるのである。

    ヘンリーはそれ以外にも、科学は皆に平等であるべきだという信念を語ったり、これまで地球上で絶滅しなかった種族はいないとしつつ、人類は絶滅へ向かっていると警鐘を鳴らしたり、学者としての倫理的な立場を貫いている。自然史の観点から人類を俯瞰して見るヘンリーの態度も、自分たちが世界の中心であるという考えに対置される要素だと言える。

    『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ラストをネタバレ解説 立ちはだかるミュータント恐竜

    ゾーラチームは新薬の開発に必要な海のモササウルス、陸のティタノサウルス、空のケツァルコアトルスのDNAをゲット。デルガド家の父ルーベンも、共に危機を乗り越えていく中で娘の恋人ザビエルとの信頼関係を築き上げていく。

    しかし、問題はどうやってこの島を出るのかということだ。両チームは島の施設で合流するが、パーカージェニックス社のマーティンは銃でテレサを脅し、ゾーラが持っていたDNAを横取りする。マーティンは船で救援を呼ぼうとしたテレサを、島への密航を邪魔されたくないがために妨害し、海に落ちるテレサを見捨てていたのだ。

    本来ならもっと早く助けを呼ぶことができたのに、欲に目が眩んだマーティンは一般人のテレサ達を危険に晒したのである。ちなみにマーティンが手に入れた銃は途中で見つけた墜落ヘリの乗組員から拝借したものだ。その時点でヘリを落とすような凶暴な恐竜がこの島にいるということが示唆されている。

    そして『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のラストでは、二種類のミュータント恐竜が登場。ラプトルと翼竜を掛け合わせたようなミュータドンと、ティラノサウルスを原型として6本の足が生えたディストートゥス・レックス/D-レックスである。ちなみにD-レックスは「スター・ウォーズ」シリーズに登場するランコアと「エイリアン」シリーズのゼノモーフがモチーフになっているという。

    マーティンは救援に来たヘリで単独で島から逃げようとするが、ヘリはあえなくD-レックスによって墜落させられてしまう。やはりマーティンが途中で見つけたヘリもD-レックスによって墜落させられていたのだろう。本作のメインヴィランとなった欲に溺れたマーティンもまた、D-レックスに殺されてしまったのだった。

    ラストの意味は?

    それでも、一行はボートを見つけると、ゲートの隙間を通れるイザベラがゲートを開け、ダンカンが発火筒を用いてD-レックスを誘き寄せるというチームプレーを見せる。ザビエルがイザベラを助けたように、それぞれが勇気を振り絞って利他的な行動に出ることで人類は生き延びる道を見つけ出すのだ。

    それに、ダンカンが自己犠牲を払ってでもイザベラ達を助けようとした背景には、ダンカンが子どもを亡くしていたという過去も影響しているのだろう。同時に、発火筒でボス恐竜を誘導するという展開はシリーズ第1作目『ジュラシック・パーク』(1993) でアラン・グラントが、新三部作の第1作目『ジュラシック・ワールド』でクレア・ディアリングが見せた行動へのオマージュだ。

    ゾーラ達はダンカンを残してボートで脱出しようとするが、ダンカンが生きていることを確認し、再会を喜ぶ。ゾーラは恐竜のサンプルを手に入れ、ヘンリーが提案したように新薬の特許を取らずに、製造方法を公開して世界中の人々を救うことにして、映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は幕を閉じる。

    『ジュラシック・ワールド/復活の大地』ネタバレ感想&考察 単体で楽しめる娯楽作

    映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、二つの三部作を経てシリーズを再始動しようという意欲作というよりも、この作品単体でも楽しめるような娯楽作として完成されていた。特に恐竜の登場シーンは、ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014) で知られるギャレス・エドワーズ監督らしさ溢れるスリリングな演出が施されており、アトラクションのようなワクワクドキドキ感があった。特にデルガド一家が川でティラノサウルスから逃げるシーンはスリル満点で、シリーズの歴史に残るシークエンスだったと言える。

    登場人物はチームが二つに分かれていることもあり、やや群像劇的な雰囲気もある。それでもゾーラを演じるスカーレット・ヨハンソンとダンカンを演じるマハーシャラ・アリの存在感によって、ストーリーの軸となるキャラがブレない巧みさもあった。映画『ウィキッド ふたりの魔女』(2024) のフィエロ王子役で注目を集めたジョナサン・ベイリーの学者役も見事にハマっていた。

    ゾーイのチームだけでは傭兵部隊のミリタリーモノのような作品になってしまうところを、家族の物語を入れることで客層の幅を広げようという努力も感じられた。異なる目標を持つ人類同士が助け合う流れに至るまでの流れも、巧く描かれていたように思う。同時に「他者のために利他的な行動をとる」というシンプルなメッセージも平易かつ明瞭で、広く受け入れられやすいものだった。

    功を奏した?戦略

    一方で、これは好みの問題だとは思うが、「ジュラシック・ワールド」の世界観を前に進めたり、深掘りするような物語ではなかったことはやや残念だった。ヘンリーが大学院時代にアラン・グラントから教わっていた等のディテールはあったが、「ジュラシック」シリーズの第7作目というよりも、同じ世界観を舞台にしたスピンオフと言っても通用する程度には旧シリーズとの繋がりは弱かった。

    「恐竜が存在する世界でいらんことをしたり、事件に巻き込まれたりする人達が現れる」というフォーマットは、別のキャラクター達でも成り立つものだ。これはNetflixで配信されたアニメシリーズ『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ』(2020-2022) に近いコンセプトでもある。

    とはいえ、1993年の映画第1作目から32年が経過した今、ずっと詳細な設定を引きずったまま物語を更新していくというのは苦しいところではあるのだろう。実際のところ、『復活の大地』は過去作との繋がりをほとんど断っていたことで、新規の顧客にはかなり親切な作品になっていたと思う。

    前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は歴代キャストが集結する集大成的作品だったが、そのわずか3年後にシリーズ初の女性主人公と共に新たなファンを取り込もうという姿勢は立派だ。そしてその努力は数字にも表れている。日本公開時点で『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の全世界興収は7億6,950万ドルを超えているのだ。

    現在ハリウッドはどの作品もなかなか興行収入が10億ドルを超えない不況の状態だが、この『復活の大地』の世界興収は、『マインクラフト/ザ・ムービー』に次いで2025年の第4位の数字だ。ハリウッドの続編作品としては『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の5億9.460万ドルをおさえて2025年のトップとなっている。

    続編はどうなる?

    ゾーラとダンカンが追われる身となれば、人類間の対立に焦点が当てられるかもしれない。製薬会社であるパーカージェニックスは恐竜を傷つけることに興味はなさそうだが、ミュータント恐竜が生きているという情報が知れ渡れば、次の動きも起こり得る。今回ゾーラ達はミュータント恐竜から逃げ切ったものの、倒してはいないということもポイントになるだろう。冒頭でマーティンが触れたパーカージェニックスの競合というのも気になるところだ。

    あるいは、今回の成功を受けて、続編ではまたも監督とキャストを一新して単独の新作を作るという展開もあるかもしれない。様々なキャストと監督が「ジュラシック・ワールド」を舞台に作品を作り上げる試みも、野心的すぎるかもしれないが、映画ファンとしては観てみたい。

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    齋藤 隼飛

    社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。

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