【2023年版】ガチで面白いSCP報告書50選。隠れた名作や入賞作も【2】
SCP-2792-JP: ねぇ、パパ。
ジルガ博士: ん、どうした?
SCP-2792-JP: いや、別に大した話じゃないんだけど。最近ずっと、考えてたことがあるんだ。
SCP-2792-JPは俯き、少しだけ押し黙った後、ゆっくりと顔を上げる。
SCP-2792-JP: いつか、このどうしようもない悪夢みたいな病気が治って、ここから退院できたらさ。私……将来はパパと一緒の仕事がしたいんだ。誰かの笑顔に繋がるような、そんな素敵な研究を……私も大人になったらやってみたいなって。
ジルガ博士: アイネス、お前は……。
SCP-2792-JP: ううん……そうだね。これは例えば、なんだけど。私とパパの2人でさ、太陽の光を浴びるとキラキラって虹色に輝くバラなんかを開発できたら、それってかなり素敵な話じゃない? どうかな?
ジルガ博士: ……ハハ、そいつは本当に素敵な考えだな。うん。とても、とても素敵なことだ。
SCP-2792-JP: でしょ! しかも、今の私には時間だけなら使い切れないほどあるし。そうだ! カウンセラーの先生にお願いしてさ、バラの研究者になるための勉強も教えて貰っちゃおうかな!
ジルガ博士: ああ……パパも。いつかお前と2人で働けるよう、ますます頑張らないといけないな!
SCP-2792-JP: それ、絶対ね! 絶対に約束だから! よし、私もパパみたいな1人前の研究者になるからね! だからパパも、青いバラの研究はちゃんと終わらせといてよね!
しかしながら、 娘に対して嘘をつき、 騙し続けなければならない ジルガ博士の心境を思うと 胸が締め付けられる思いがするのは きっと私だけではないだろう…
SCP-2816-JP - 「ごめんね、でもこれ電池じゃないの」SCP-2816-JPに 指定されているのは 市販のiPhone Xに酷似した外見を持つ 異常なモバイル端末です。
SCP-2816-JPの上に 他のモバイル端末が12時間以上放置された場合、 3〜6日後にSCP-2816-JPのバッテリーが 設置された位置を中心とした膨張が起こり、 内部で小型のモバイル端末(SCP-2816-JP-A)の構築が開始されます。
SCP-2816-JP-Aは 構築が開始してからおよそ10日で 市販されている同じタイプの モバイル端末と同じサイズまで大型化し、 その後SCP-2816-JPのコネクタから 軟化した状態で排出され、 一定時間をおいて通常の モバイル端末同様の硬度まで硬化します。
ここまででも十分に興味深い特性ですが、 もう一つ更に興味深い特徴として、 構築されるSCP-2816-JP-Aの機種が 重ねる端末の機種によって変わるという点があります。
それは例えばiPhone 8を重ねればiPhone Xが排出され、 Galaxy S9を重ねればGalaxy S9が排出されるといった具合に。
財団はこの不可思議なアノマリーを より深く理解するために 金村博士を研究主任として、 様々な機種との掛け合わせテストを実施しました。
時間がない人のためのネタバレ▼SCP-2816-JP-Aが 時間をかけて大きくなる点や、 親となる端末の性質を受け継ぐ点は 人間の胎児と酷似している。
金村博士が実験の禁止を主張したのは SCP-2816-JPを金村博士が手に取ろうとした時に バイブレーションを起こすようになったのを見て それが自分へのSOSだと感じたから。
しかし財団がアノマリーへの同情を理由として 実験の中止を許可するはずもなく、 金村博士は不適格として研究主任を外されてしまう。
その後、後任には別の博士がつき 実験は続行されたのだが その中にはタブレットや ノートPCなどと掛け合わせるなど 色々無茶なものも多々含まれており、 SCP-2816-JPは故障と修理を度々繰り返すこととなる。
このような過酷な実験が 数十回繰り返された結果、SCP-2816-JPは 常時バイブレーションがなり続けたり、 バッテリー温度の異常な高温になったりするなどの 多くの不具合が目立つようになっていった。
しかしそれでも財団側は依然として 実験を継続する気マンマンであり、 最後は後任の博士が実験の効率化のために SCP-2816-JPのバイブレータを外すことを 提案して報告書は終わっている。
モノの擬人化というのはよくあるアイディアだが この報告書が他と一線を画しているのは SCP-2816-JPが全く喋らないのにも関わらず 読んでる側が自然と共感して辛い気持ちにさせられる点。
特に、実験記録2816-52で SCP-2816-JPが金村博士の愛用アラーム音である 「ラ・カンパネラ」を鳴らしたところなどは 必死に助けを求めているように見えて、 読んでいて正直かなり可哀想に思えてしまった…
SCP-2817-JP - 涸井戸鏡SCP-2817-JPに 指定されているのは 三重県の山中に存在する 石造りの井戸です。
内部には可視光を 約99.7%反射する物質は張り巡らされ、 底部の中心には透明な物質で塞がれた 直径30cmほどの孔が存在しています。
また、孔の向こうには SCP-2817-JP-1に指定される存在がいて、 常に角速度360°/年で回転しているほか、 数年に1度のペースで瞬間的に 位置をずらす・類似した別の SCP-2817-JP-1実例に瞬間的に変化する などの活動を行っているとのこと。
と、これだけの説明では 正直何が何やらさっぱりかと思いますが もしかするとここまでの内容で ピンときた感の良い方もおられるかもしれません。
時間がない人のためのネタバレ▼SCP-2817-JP-1は 私たちが万華鏡を覗くように SCP-2817-JPを通じて こちら側を覗いていた。
SCP-2817-JP-1が回転したり、 位置や外観が瞬間的に変わったりするのも 万華鏡のメタファーになっている。
ちなみにメタタイトルは"涸井戸鏡"だが、 これの読み方は(著者曰く)万華鏡の英語名である カレイドスコープ(kaleidoscope)"。
SCP-6975 - 世界共通リセットボタンこの心臓が持つ異常性とは、 端的に言えば自身が機能停止するほどに 損傷を受けた場合にのみ発言する 時間巻き戻し現象です。
巻き戻せる時間は8時間限定ですが、 これは冷静に考えなくてもとてつもない現象であり、 財団は案の定これをThaumielオブジェクトに指定、 つまり財団の任務に役立てる方向で検討を開始しました。
その過程で、財団研究員から 色々な活用方法が提案されたのですが、 それは例えば以下のようなもの。
提案者: エドガー・サンティアゴ、サイト-14の時間分析部門の次席研究員
手法: ルカイヤ・アバスを数回続けて殺害し、SCP-6975が時間を逆行できる回数に限りがあるか確認する。
監督司令部: 却下。この提案では、時間異常に関して、他の情報源からでは容易に入手できない情報が得られる可能性は低いため。
提案者: シャーロット・ペニーコック、サイト-14のミーム・認識災害部門の次席研究員
手法: 認識災害を有すると思われるアノマリーに被験者を曝露させる場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。認識災害が発見された場合、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより曝露前に時間が逆行し、被験者を失わずに認識災害の存在を確認できるようになる。
監督司令部: 却下。ルカイヤ・アバスが認識災害に曝露する可能性があり、なおかつ時間異常と認識災害との関係性が不明であるため。
提案者: ヒュー・カークウェル、サイト-14の高度尋問部門主任
手法: 捕らえた敵エージェントを尋問する場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。7時間後、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより尋問を永久に繰り返すことができ、それまでに入手した情報を活用しつつ対処法を完全なものとすれば、以前よりも大きな成果を、より短期間で収めて尋問作業を完了できるようになる。
監督司令部: 却下。尋問中に災害性のある情報が開示され、ルカイヤ・アバスとSCP-6975に傷害が及ぶ危険性が高いため。
どの提案にせよ、ルカイヤの殺害が 前提であるのが流石財団といった感じですが、 ここで注目したいのは全ての提案が 司令部によって却下されているという事実です。
使命のためなら鬼となる財団上層部にも、 少しは人の心が残っていた ということなのでしょうか…?
時間がない人のためのネタバレ▼前言撤回。やはり財団には血も涙もない。
同情も感傷も捨て去って、 全てを自分達の目的のために 利用し尽くすこの徹底的された合理主義。
逆にこれこそ財団と どこかで安心してしまう自分がいるのは SCP財団の常識にすっかり脳が 毒されてしまった証拠でしょうか…
SCP-3192-JP - 看取り看取られSCP-3192-JPに 指定されているのは 61歳の日本人女性、 東藤 昌子です。
自宅のベッドの上で 腐乱死体となっていたSCP-3192-JPの上に 6体の複製体が折り重なるように倒れて死亡しており、 さらにその傍らには別の複製1体が 死体群を見つめるような姿勢で 直立、生存していたというのです。
時間がない人のためのネタバレ▼タナトマ(Thanatomania)とは、 人間や動物から液体として抽出された"死"の現象であり、 例えば"轢死のタナトマ"を抽出された対象は 交通事故に巻き込まれても死亡しない。
先述した「孤独死のタナトマ」は SCP-3192-JP自身から抽出されたものと考えられ、 SCP-3192-JPはそれ以降 孤独死だけは絶対にしない状態になっていたと思われる。
その上で、発見された多数の複製体は SCP-3192-JPが孤独死を迎えそうになった際に その原理原則を維持するために (定義上孤独死とならないために)生成された存在だったと解釈できる。
生前のSCP-3192-JPが どういう思いで孤独死のタナトマを抽出したのかは不明だが、 まさか自分自身のコピーに 最期を看取られることになるとは思いもしなかったことだろう。
SCP-3739-JP - ひとりはみんなのために(ならない)SCP-3739-JPに 指定されているのは 影響下にある人間が 極端に滅私的な行動を 取るようになる異常現象です。
このアノマリーの影響を受けた対象には 勤務態度の向上や、学習時間の増加、投票率の向上等の、 「社会的に模範的な」行動の増加が見られ、 社会的には事故や事件の件数が大幅に減少します。
このようにSCP-3739-JPは 何から何まで良いこと尽くめの異常であり、 また既に全世界の大半の人間が曝露済みであることから もはや異常などとは呼ぶべきではなく むしろまだ曝露していない者たちの方を 異常指定して収容すべきでしょう。
時間がない人のためのネタバレ▼SCP-3739-JPの影響で 世界中の人間が機械のように 真面目に働くようになった世界は 確かに平和だったが 一方で自由な発想や 個人主義を追求することで生まれる 革新のようなものは一切生み出されなくなってしまった。
そんな中、曝露を逃れた 数少ない一人である天川研究助手は 非曝露者が異常扱いされる危険な状況下で 同じ非曝露者の仲間を集め、 記憶処理薬による治療法の発見と 一部の日本支部理事の治療に成功する。
プロトコル"個人主義"とは、財団規則に 「財団職員はSCP-3739-JPの影響下から 脱しなければならない」旨の規則を盛り込むことで、 仮にSCP-3739-JPが再発しても自動的に 元の正常性が取り戻されるようにするというもの。
これによりSCP-3739-JPは 無効化(Neutralized)されたものとみなされ、 天川研究助手たちは無事に 個人主義が蔓延した"正常な" 世界に戻ることができたのだった。
SCP-6076 英雄、完SCP-6076に 指定されているのは アイルランドのラウス県に存在する 異常な人間の死体です。
- 外見上、SCP-6076は身長2.72mで、胸部に残された多数の裂創など、死亡する前に重傷を負った形跡がある。
- かつて心臓があったと思われる位置にはある種の槍の穂先によって生じたと思われる大穴が空いている。
- SCP-6076の両手足には7本ずつ指があり、爪は伸長・硬化して鉤爪のようになっている。
- SCP-6076の両足は180度ねじれています — 足先と脛は後方、踵とふくらはぎは前方を向いている。
- 脈管系が極度に膨張しているため、SCP-6076の身体には血管が目立って浮き出しており、特に額とこめかみでそれが顕著。
- どちらの目にも鮮やかな赤色の瞳孔が7つ存在している。
- 片方の目は、専用のカメラを眼窩に挿入しなければ観察できないほど奥深くに引き込まれており、もう片方の目はSCP-6076の頬までぶら下がっている。
- SCP-6076の頬は顔面に沿って剥がれ、顎の筋肉が露出している。更に、SCP-6076の肺は喉元まで押し上げられており、SCP-6076が口を開ける際に直接見ることができる。
- SCP-6076の頭部に残る全ての頭髪は激しく逆立ち、接触した物質を穿刺するほどの剛性と引張強度を有している。
明らかに人間離れした特徴ばかりですが、 財団の調査によれば遺伝的には 普通の人間と全く同じであるとのこと。
そして、SCP-6076に関して 最も重要なもう一つの特徴が、 毎年8月のある時期になると自然に蘇生し、 不定な期間にわたって暴れ回る点です。
一度復活したSCP-6076には 一般的な人間の限界を上回る体力と速度を発揮し、 両手の鉤爪で周囲の人間を引っ掻いて殺傷するため、 財団はさまざまな兵器や特別設計の収容室でこれを防いでいます。
ちなみに休眠中のSCP-6076を攻撃した場合には、 "英雄の光"と呼ばれる極度の高熱を伴った オレンジ色の光を発して反撃してくる性質があるため 復活前に攻撃を加えておくことはできません。
唯一弱点と見られているのは犬の肉であり、 休眠中にこれを与えることで 復活期間を短縮できると考えられているため 収容プロトコルには一定間隔での給餌が定められています。
ただ、なぜ犬の肉に弱いのかという 具体的な理由ははっきりしておらず 財団にとっても謎が多いオブジェクトであることが窺えます。
時間がない人のためのネタバレ▼SCP-6076の正体は 最後まで謎のままとなっているが、 その元ネタがケルト神話に出てくる 半神半人の英雄、クー・フーリンであることは 著者コメント内で明かされている。(舞台がアイルランドであること、槍(ゲイボルグ)で刺された傷跡があること、犬に関する逸話などが特徴に一致している)
このように本報告書は 意外なオチを売りにするタイプではないが、 財団の協力者として報告書中に登場する ルーシー・L・レイノルズの語りには なんとも言えない味わい深さがある。
祖先の例に倣って彼女も その役目を継承したのだが、 ある時SCP-6076の脱走を許してしまい、 そのせいで近隣の村の住民が殺害されてしまう。
その後、事件を聞きつけた財団によって ルーシーは発見、拘束されてしまったが、 交渉を経てSCP-6076の収容を 財団へ移管することに賛同し、解放された経緯があった。
報告書末尾にはその際の財団による インタビュー内容が記載されており、 SCP-6076に対する 彼女の率直な心情を窺うことができる。
ルーシー・L・レイノルズ: 13歳の誕生日、パパは私を起こす。ママの具合がすごく悪いんだ、と言い出す。お前にやってもらいたい仕事がある。 私の手を取ってあの忌々しい洞窟に連れて行く。犬肉を渡されて、これから一生やらなきゃいけない仕事を教えられる。素敵なプレゼントでしょ?
グリーン博士: その、ええと、犬の肉ですね、はい。我々の収容スペシャリストは、あれが本当に必要か否か議論しています — その件について、御父上は亡くなる前にもう少しこう、理由を説明しましたか?
ルーシー・L・レイノルズ: (肩をすくめる) どうもあいつ、ある種の呪いに掛かってるみたいなんだ — 犬の肉を食うとヤバい事になる呪い。ぶっちゃけ犬の肉なんか食ったら誰でもヤバい事になると思うんだけど、魔法には詳しくないからよく分かんない。私はただ… パパの言う通りにしてただけ。 (溜め息) …ああいうのは、いつも簡単に手に入るもんじゃなかった。
ルーシー・L・レイノルズ: 言うほどの… 鬱憤なんかは抱えてないと思う、あの死体に対してはね。あいつはただ、ああいうもんだから。私が憎もうが憎むまいが気にもかけない。こう… 有毒廃棄物と同じ。毒を撒き散らすのを止めるまでは、上に座って抑えつけるしかない。ヒロイズムの半減期って死ぬほど長いんだね。
グリーン博士: 私ならSCP-6076の行動を“英雄的”ヒロイックとは呼びません。
ルーシー・L・レイノルズ: ま、それは定義によるでしょ。英雄って何だと思う?
(グリーン博士は椅子の背にもたれる。)
グリーン博士: そうですね… 不正を改めたり、罪無き者を保護したり、そういう事をする人でしょうか。他の人々が目指す理想像とか、概ねそんな感じです。
ルーシー・L・レイノルズ: 大昔だと、英雄ってのは敵を殺すのが上手って意味だった — 大筋ではね。賭けてもいいけど、地下のお友達はそれがとっても上手かったはず。2,000年後も死体が未だに殺し方を覚えてるぐらいに。 (鼻を鳴らす) 誰かさんに槍で刺されたのも無理ないよ。
グリーン博士: 興味深い見方ですね。
ルーシー・L・レイノルズ: 英雄の墓を一生ずっと見守ってると、嫌でも腐臭に気付く。 (溜め息) 2,000年間隠し続けてきたのに、私のせいで何もかも台無しになった。典型的だね?
ルーシー・L・レイノルズ: 私さ、君たちが“記憶措置”だか“記憶処理”だかについて話すのを聞いたんだ。具体的にどういうのかは知らないけど、話の流れからするに、記憶を弄る薬みたいな何かでしょ?
グリーン博士: かもしれません。
ルーシー・L・レイノルズ: ちょっと訊くけど… もしそれを私に注入したら、今までの事を何もかも忘れさせてくれる? あの夜パパが私を起こしたのも、あいつを何年も閉じ込め続けなきゃいけなかったのも、あの… あの肉をあいつの喉に詰め込まなきゃいけなかったことも? せめて、普通の人生を送ってきたと思わせることができるかな?
(沈黙。)
ルーシー・L・レイノルズ: できるかな?
グリーン博士: 残念ながら。
ルーシー・L・レイノルズ: (鼻を鳴らす) だと思った。
先祖代々の義務だったので 仕方なく引き継いではいたが 本心はあまり乗り気ではなかった様子(そりゃそうか)。
SCP-6002 - 大きな、小さな、生きとし生けるものSCP-6002に 指定されているのは カリフォルニア州北部 クラマス国有林に位置する、 見かけ上は一本の セコイアデンドロンに類似した 巨大な構造物です。
SCP-6002にはあらゆる生命の遺伝情報が含まれており、 このアノマリーの一部が傷つけられたり、 遺伝子操作が加えられたりした場合には、 対応する箇所の生物種の全ての個体に影響が生じます。
それは例えば、SCP-6002の ネコ科の遺伝情報にあたる部位を取り除くと、 イエネコ、ライオン、チーターなど 地球上の全てのネコ科動物が死滅するといった具合。
このようにSCP-6002は 極めて扱いに慎重を要するアノマリーであり、 財団は20世紀初頭に地元の原住民族から SCP-6002の管理権を引き継いだ後、 遺伝学や生態学の専門家を担当に任命して その保全に努めてきました。
そのおかげで今も SCP-6002は健全な状態に保たれ、 生物の生態系にも 大きな異変は確認されていません。
時間がない人のためのネタバレ▼例えばSCP-6002の管理権については それまで管理してきた地元の原住民(クラマス族)に対し、 一旦協定を結んでおいてから その後すぐに協定を反故にして 騙し討ちするような形でSCP-6002と その周囲の土地を「獲得」していたりする。
またその際に、原住民に対しては 記憶改竄のためのロボトミー手術を含む さまざまな残虐行為がなされていたが、 それらの歴史は財団によって隠蔽され、 公式になかったものとされている。
その後の管理体制にも問題があり、 特に2007年のサブプライムローン崩壊で 財団の経営が不況に陥った際には SCP-6002の遺伝情報を改変して 病気を治すリンゴや何度でも食べられる肉牛を生み出すなど 利己的なSCP-6002の「乱用」が目立った。
中でも極め付けは、 SCP-6002を通じて全てのニワトリの個体に 特定の遺伝疾患を発生させ、 その後、財団があらかじめ開発しておいた 治療薬を売り捌いたことだった。
それは生態学の専門家として SCP-6002の研究に携わっていた 次席研究員ローズ・ワイルドキャット博士だった。
[新着コメント] ワイルドキャット,Dr.ローズ M.:
私が五年生だった時、母に「宇宙飛行士になりたい」といった。母は、「かわいいロージィ、この星を離れてはだめ。この星はあなたを必要としているの」と言った。
その時はとても腹を立てていたと思う。でも後になってそれは束縛でもルールの押し付けでもなかったのだと気付いた。それはインディアンの老いた母から小さな娘への、信頼のあかしだったのだ。何を言っているのかわからない? それは圧迫でもなんでもなかったのだ - この忌々しい世界の重みだったのだ。
[新着コメント] ワイルドキャット,Dr.ローズ M.:
くそったれ、ロボコップめ。司令部にも見せてやりたい。主の道具で主の家を解体するなんてできはしない。
ローズ博士は独断でSCP-6002のニワトリの 遺伝情報にあたる部位を再改変し、 財団が"作り出した"疾患を消してしまう。
このことは当然ながら大問題となり、 ローズ研究員は直ちに拘束されることとなったが プロジェクトリーダーのミュラー博士の計らいで Dクラスへの降格だけは何とか免れることとなる。
その後はミュラー博士によって 当然のように問題の疾患が再挿入され、 財団は継続して遺伝薬の販売でも儲けられるようになった。
これだけでも正直なところ かなりの極悪ぶりなのだが、 報告書中の警告: レベル5-6002機密以下には さらにショッキングな事実が記録されている。
これらは不変生物界という 動物分類状の第七の"界"に 属する生物群であり、かつては本当に 地球上に存在していた生き物たちだった。
不変生物界の生物は、 共通する最大の特徴として細胞老化を起こさず、 ガンその他の細胞損傷に対し強靭な回復力を持っていた。
その特性に目をつけた財団はSCP-6002を通じて 不変生物から哺乳類へ、ひいては人類へと その有益な特性を"移植"するプロジェクトを計画する。
腐敗らしきもの(SCP-6002-B)が広がっているのが もう一人の実験担当者だった アチェベ博士によって発見される。
かくして不変生物界は地球上から消え去り、 不変生物界についての記憶も 財団の隠蔽工作によって 人類から消え去ってしまったのだった。
また、この際にアチェベ博士は ミュラー博士によって 口封じされてしまっている。
かくして、大きな犠牲を払いつつも SCP-6002-Bの侵食を 不変生物界の枝までで留めることには 成功したかと思われていたのだったが…
かといって、彼女に何か この事態を解決するアイディアがあるわけではない。 報告書の最後に綴られていたのは、 SCP-6002の幹の中に身を隠していた ローズ・ワイルドキャット博士による 後悔と怒りと無力感が混ざった独白だった。
先週、私は間違っていたことがわかった。枯死は残っていた。私はこの世界の一兆の生命を、無意味に殺してしまった。
それは、まだ耐えられたかもしれない。しかし今週、また切除を命じられる前に木へ逃げ隠れていったとき、私は直視することのできぬ真実に行き当たった。
枝は、静かになっていた。もはや歌を聞かせてはくれなかった。
Vúluandshamよ… 母よ… アマラよ… 許してくれ。
報告書はここで終わっており、 ローズ・ワイルドキャット博士、そして 世界がその後どうなったのかは明かされていない。
しかし、おそらくは SCP-6002-Bの侵食によって全ての生命が 滅びてしまったのではないかと思われる。
そのテーマ通り、現実世界の企業や政府が その貪欲さによって引き起こしかねない致命的な自然の破壊を、 SCP財団という素材を活かしつつ雄弁に描き切った大作だったように思う。
科学は本当に万能なのか? 自然を自分たちの都合に合わせて 捻じ曲げられるという考えは人間の傲慢に過ぎないのではないか? など、色々なことを考えさせられる物語だった。
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2023-06-18 00:13:56SCPに興味があるなら以下の記事もおすすめ!
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